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両側乳維腺腫疑い

[管理番号:2769]
性別:女性
年齢:37歳
初めて質問させていただいます。
よろしくお願い致します。
34歳から毎年乳がん検診を受けていますが、昨日4月(上旬)日に受けた検診で初めて「両側乳維腺腫疑い」と診断されました。
1年半前に同病院で乳がん検診を受けた際には何もなかったので、念のため細胞診をしましょうと言われ、その日に細胞診をして頂き、現在結果待ちの状況です。
全部で3つみつかり、一番大きな0.5×0.5×1.6の細胞診をしていただきました。
実は、7ヶ月前(2015/9)に人間ドックの乳がん検診を受けた際(2年に1回市の検診と2年に1回人間ドックの検診を交互に受けています。)、技師の方が同じ箇所を何度も確認されて
いたのが気になって、自分で触診してみるとしこりがありました。
恥ずかしながら、それまで毎月自己触診はしていなかったので、気がついたのはその時が初めてです。
結果が届くまで心配で仕方なかったのですが、結果には何も記載されていませんでした。
その時はとにかくほっとして、日々過ごしてきたのですが、やっぱり気になってしまい、ちょうど市の乳がん検診の案内が来たので38才の誕生日を迎える前に受診しました。
そして、昨日の検査終了後、当HPのQ&Aや他サイトの情報を
読ませて頂く中で葉状腫瘍のことが心配になり、質問をさせていただこうと思いました。
私にはその可能性があるのでしょうか?
細胞診だけでななく、針生検をしてもらったほうがよいでしょうか?
お忙しい中このような質問で恐縮ですが、
アドバイスをお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
今回のように「今まで検診を受けていたのに、今回初めて指摘された」と言う場合に(私にとって)最も関心のあることは(その検診内容が)『マンモグラフィーなのか、超音波なのか?』です。
○今回の場合は
「1年半前に同病院で乳がん検診を受けた際には何もなかったので」という記載がありますが、この場合の「1年半前に行った検診が、果たして超音波だったのか、マンモだったのか」が重要です。
 ①1年半前の検診内容が「超音波だった場合」⇒この1年半で「新たにでた」ということになります。
 ②1年半前の検診内容が「マンモだった場合」⇒この場合には「ただ単に、マンモでは描出できないだけ」という可能性が十分にあります。
 ♯70歳以上で無い限りは「超音波の方がマンモよりも、描出力が圧倒的に高い」と考えてください。
 ☆それでは、「マンモなんて意味無いじゃん?」となりそうですが…
 以下の理由で、マンモの方が超音波よりも「検診向き」なのです。
 ・石灰化はマンモでしか解らない
 ・マンモには客観性がある(誰が撮影しても同じ) これに対して超音波では「見落とし」が起こりえる
 
「7ヶ月前(2015/9)に人間ドックの乳がん検診を受けた際、技師の方が同じ箇所を何度も確認」
⇒この表現は「明らかに超音波」と思われます。
 と、なると(1年半前も超音波だったと仮定すると)「少なくとも2つの超音波検診をすり抜けた」となると「見落としの可能性が低い」と考えます。
 つまり、「見落としではなく、(本当に)新たな病変」とすると(30代後半という年齢も考慮して)葉状腫瘍も考慮しなくてはなりません。
 
「私にはその可能性があるのでしょうか?」
⇒(上記コメントに示すように)
 その可能性はあります。
 
「細胞診だけでななく、針生検をしてもらったほうがよいでしょうか?」
⇒その方が安心です。
 「1年半前から2回の超音波検査をすり抜けている」とすれば、「新たに出現した腫瘍」の可能性が高くなります。
 一見「良性のように見えても」万が一を考えた診療が無難です。
 ○ただし、「0.5×0.5×1.6」というサイズ表現に注目すると、「単3乾電池のような、細長い形」のようです。
 あくまでも参考程度ですが…
 このような「細長い腫瘤」は「超音波で見逃され易い(もしかして、前から存在していた)」「良性の可能性が高い」という傾向があります。(参考に)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中、丁寧なご回答をありがとうございました。
肝心な情報が抜けており大変失礼いたしました。
先生のご拝察通り、私が受けたのは超音波検診のみ、過去にマンモグラフィーを受けたことはありません。
今週末、細胞診の結果が出ますが、その際に針生検を希望してみようと思っています。
そこで教えていただきたいことがあります。
・針生検できちんと組織をとる事ができれば、腫瘍の大きさが小さかったとしても線維腺腫なのか葉状腫瘍であるのか判断できるのでしょうか?
また、組織をとるのが難しい大きさとは、一般的にどれくらいの大きさなのでしょうか?
・葉状腫瘍は、大きさが大きくなればなるほど悪性に近づくものなのでしょうか?
 小さい=悪性度は低いと理解することは間違いでしょうか?
お忙しい中恐れ入りますが、お教え頂けると嬉しいです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「線維腺腫なのか葉状腫瘍であるのか判断できるのでしょうか?」
⇒①「良性の葉状腫瘍」は「線維腺腫」と区別がつきません。
 しかし
 ②「境界悪性以上の葉状腫瘍」であれば「線維腺腫」とは明確に区別がつきます。
 ①となった場合には「サイズが大きくなければ」経過観察でいいでしょう。
 
「また、組織をとるのが難しい大きさとは、一般的にどれくらいの大きさなのでしょうか?」
⇒医師によって随分違うとは思いますが…
 「5mm以下」だと「針生検したがらない医師」が多くなるようです。
 ○実際には「小さすぎて針生検ができない」などということはありません。
 
「葉状腫瘍は、大きさが大きくなればなるほど悪性に近づくものなのでしょうか?」
⇒その傾向は「大いに」あります。
 癌が「大きさに無関係(当たり前ですが、小さい癌はあります)」であるのとは対
照的に「小さい悪性葉状腫瘍」などというものは存在しません。
 
「小さい=悪性度は低いと理解することは間違いでしょうか?」
⇒上記コメント通り、こと「葉状腫瘍については当て嵌まる」のです。