[管理番号:5458]
性別:女性
年齢:30歳
田澤先生こんにちは。
ここ3週間ほど乳がんの可能性があるということで検査をする合間不安で不安でたまらなくて、ネットで情報収集をしていたところこちらのサイトにたどり着き沢山検索して沢山読ませていただき勉強、田澤先生の言葉を励みにさせていただいておりました。
私も質問したいことがあり、こちらに投稿させていただきました。
お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。
半年程前から下腹部と胸に痛みを感じており、様子を見ていたのですが
改善が見られなかった為、内科と婦人科にかかりました。
内科ではレントゲンや心電図の結果異常が見られないので肋間神経痛ではないか、様子を見てくれとのことでした。
婦人科では子宮頸がん検診を受け異常無し。
冷えからくるものではないかとのことでした。
数ヶ月様子を見てもまだ下腹部・胸共に痛む為、近所で腹部超音波検査ができると看板が出ていた内科に再度かかりました。
そこで超音波検査をしていただいたところ、子宮や卵巣は異常無しでしたが、胸には7mm程度の石灰化が認められるとのことで近所の総合病院に紹介状を書くので受診して下さいとのことでした。
(後にこちらを読ま
せていただいてエコーでは石灰化はわからないというのを知りました)
そこで紹介状を書いていただいた総合病院の乳腺外科でエコー、マンモグラフィーの検査をし、診ていただいたところ、左胸に7mm程度の腫瘍、右と左に小さな石灰化が散らばっていることがわかりました。
小さな石灰化は見るからに良性ですが、左胸の問題の腫瘍は明らかに良性の所見というわけでもなく明らかに悪性の所見というわけでもない。
念の為に細胞診をしましょう。
とのことでした。
自分で触ってもしこりは確認できませんでしたが、小さいからか先生が触っても触ってわかるようなしこりはないとのことでした。
細胞診では、
臨床診断:左乳房腫瘤
左1時乳管内充実性病変に対して穿刺吸引細胞診を施行しました。
良悪
性の識別をお願いします。
材料:乳腺穿刺、左
判定/クラス:Suspicious ClassIII
標本状態:適正
所見:過形成を示す乳管上皮集塊が多数採取されています。
細胞異形は比
較的目立たず、fibroadenomaなどを含む良性病変の可能性が考えられますが、結合性が緩く、また筋上皮細胞も少ないため、悪性腫瘍との識別を要します。
組織生検による確認が望まれます。
A(Atypia)-/B(Bipolarity loss)-/C(Cellularity)±/D(Discohesion)+
との結果で、良性だとは思いますが心配だと思うので良性を確認するために針生検(バネ式)での組織診をして確定診断を出しましょうとのことでした。
こちらのサイトでマンモトーム生検のことを調べていたので、マンモトーム生検の方が確実ではないのかと聞くと、マンモトーム生検では組織を取りすぎてしまい私の場合腫瘍が小さいので全て取り切ってしまって万が一悪性だった場合にどこにガンがあったのかわからなくなる場合があるので、針生検でとのことでした。
そのままその日のうちに針生検をしていただき、結果を1週間後に聞きに行きました。
組織診では、
臨床診断:
左乳房腫瘤
左C領域乳房腫瘤に対してcore needle biopsy施行しました。
良悪性の識
別、悪性であった場合免疫染色までお願いします。
組織診断:Breast,left,needle biopsy:no evidence of malignancy.
所見:乳管を認めますが、腫瘍性増殖は明らかでありません。
炎症細胞が
浸透している部分があります。
検体は分割されており、5個以上確認されます。
とのことでした。
先生は、まず良性で間違いないでしょう。
刺した感じも硬いものではなかったですし。
まずそもそも腫瘍ではないかもしれない。
針生検で取れた組織が腫瘍というより、水分?液体が溜まっている?水分?液体の塊?かもしれない
もしかしたらほっておいたらそのまま無くなる可能性もある、と言われました。
大丈夫ですよ、半年後に経過観察のエコーをしましょうとのことで終わりました。
腫瘍だと思っていたのですが、液体?!とびっくりしました。
そんなことはあるのでしょうか?また、あるとしたらよくあることなのでしょうか?
針生検でたまたま悪性部分を検出できなかった可能性もある、一分癌化などで取る場所によって診断が違う場合があると見たのですが、やはりその可能性もありますか?(主治医にそれを質問すると、その可能性がないわけではないが少ない。
100%の診断となると手術で腫瘍を取り出してみないとわからない。
やってほしいと言われればやりますがしかし今の段階ではそれをするほどとは思わない。とのことでした)
100%良性と言い切れるわけではないということや未だ胸や脇周辺が痛むのもあり(この痛みについては、生理を止めるしか手立てはないので我慢するしかないということでした)、手術での生検も少し考えています。
田澤先生はどう思われますか?やはり手術で生検するほどではないと思われますか?
外科的生検の変わりにマンモトーム生検で組織を全て切り取るというようなことは可能なのでしょうか??(そのほうが外科的生検よりは身体への負担が少ないかなと思い質問させていただきました)
またもし外科的生検なりで腫瘍を取り除いた場合、胸が変形したり大きさが変わったり傷が残ったりなどの見た目面での心配はありますか?人によるとは思うのですが、痛みや後遺症はどの程度続きますか?
腫瘍を外科的生検で取り除いた場合、取り除いた腫瘍を病理検査して良性ならそれで終わり、悪性なら再度外科的手術での乳がん手術、という流れにで間違いないのでしょうか?
一気に沢山質問してしまい申し訳ございません。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
マンモトームをやっている数が違うから、全ての医師に100%の正確性を期待する事はできないようです。
「100%の診断となると手術で腫瘍を取り出してみないとわからない。」
⇒違います。
マンモトームで100%確定診断となります。
「未だ胸や脇周辺が痛むのもあり」
⇒(担当医のいうように)これはホルモンのバランスです。
「田澤先生はどう思われますか?やはり手術で生検するほどではないと思われますか?」
⇒ホルモンのバランスを崩す位悩むようなら…
マンモトームで100%確定診断をつけるといいでしょう。
「外科的生検の変わりにマンモトーム生検で組織を全て切り取るというようなことは可能なのでしょうか??」
⇒7mmであれば可能です。
ちなみに当院ではマンモトームが2台あります。(江戸川と市川に2台ずつ計4台あります)マンモトームの業者が当院では「使用頻度が高く故障の可能性がある(実際にたまに故障します)ので、自主的に1台ずつ(余計に)提供してくれている」のです。
充電が切れたら、2代目に切り替えられるので「かなりの大きさ」のものも削り取ることも可能です。
「(そのほうが外科的生検よりは身体への負担が少ない」
⇒それは当然です。
針を刺して「削るだけ」ですから。
「外科的生検なりで腫瘍を取り除いた場合、胸が変形したり大きさが変わったり傷が残ったりなどの見た目面での心配はありますか?」
⇒大きさは変わらないでしょうが…
(当然)「傷は残る」し(多少は)「変形」します。
「悪性なら再度外科的手術での乳がん手術、という流れにで間違いないのでしょうか?」
⇒その通りです。
質問者様から 【質問2】
検査結果について。
性別:女性
年齢:30歳
こんにちは。
早速のご回答ありがとうございます。
やはりマンモトーム生検も針生検などと同じく技術の差が出るものなのですね。
担当医の先生は見た感じかなり若いことと(20代かな?という若さです)聞けば質問にも答えてくれる先生なのですが、聞かなければ説明はないタイプの先生だったので申し訳ないと思いつつ少し不安に思ってしまいます。
マンモトーム生検で100%確定診断となるとのことでしたので、それなら私の場合、身体的負担の大きい外科的生検をするメリットは無いなと思いました。
7mmならマンモトーム生検で全て切り取ることが可能とのことでしたのでマンモトーム生検で十分白黒はっきりさせることが可能ですね。
やはり傷は残るし多少の変形はあるのですね。
想像はしていましたがやはりそうなると今そこまではやらなくてもいいんじゃないかと言われている段階でやるのに躊躇してしまいますね。
しかし胸や脇周辺の痛みがあること、針生検が100%ではないことを考えると不安を完全に取り除く為にマンモトーム生検での腫瘍切除を考えています。
針生検をする前に担当医の先生にマンモトーム生検で腫瘍全てを切り取ってしまうことはできないんですか?と尋ねたところ、マンモトーム生検で腫瘍全てを切り取ってしまったら病理検査の結果いざそれが悪性であった場合にどこに腫瘍があったのかわからなくなるので、どこからどこまでを切除するかが曖昧になるのでダメなんです、針生検にしましょうと言われました。
こちらのサイトでマンモトーム生検で腫瘍全てを切り取ってしまっても乳がん手術の際には腫瘍があった場所がわかるようになっていて、きちんと乳がん手術が可能だと見た気がするのですが、違いましたでしょうか?
ちなみに右と左に散らばっている石灰化達も胸の痛みには関係しているのでしょうか?関係しているのだったらこちらも一緒に切り取ってしまったほうが良いのでしょうか?
あと、担当医が言っていた『まずそもそも腫瘍ではないかもしれない。
針生検で取れた組織が腫瘍というより、水分?液体が溜まっている?水分?液体の塊?かもしれない。
もしかしたらほっておいたらそのまま無くなる可能性もある』というのは田澤先生はどう思われますか??
腫瘍だと思っていたのですが、液体?!とびっくりしました。
そんなことはあるのでしょうか?また、あるとしたらよくあることなのでしょうか?こちらなどで検索してもうまく見つからず気になっております…。
担当医は半年後に経過観察のエコーで良いとの判断ですが、田澤先生でもこの場合やはり同じ診断を下されますか?
実際に見たわけではないのでわからないことも多く返答しづらいとは思うのですが、田澤先生のご意見を少しでも参考にさせていただけたらと思います。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「やはりマンモトーム生検も針生検などと同じく技術の差が出るものなのですね。」
⇒それは当然です。
所謂「バネ式」が最も差が小さいと言えます。(最も簡単)
それより細い「細胞診」は「より精度が要求される」手技であり、(全く逆の)
「太くて組織が採取できる」マンモトームは「太い針で刺す事自体に抵抗がある(怖い)」という医師が多いようです。
「胸や脇周辺の痛みがあること」
⇒ストレスが原因です。(前回、コメントしたとおり)
「マンモトーム生検で腫瘍全てを切り取ってしまっても乳がん手術の際には腫瘍があった場所がわかる」
⇒瘢痕ができるから解ります。
その医師は「実際にやったことがない」からイメージが湧かないのでしょう。
「右と左に散らばっている石灰化達も胸の痛みには関係しているのでしょうか?」
⇒物事は整理して考えましょう(何もかにも、ごちゃ混ぜにすることは真実から目を逸らすこととなります)
おそらく、「両側微慢性の石灰化」はホルモンバランスの影響などで起こる石灰化(乳腺症に伴う石灰化ということ)だろうと確信しています。
「石灰化が痛みを起こす」などという「全くナンセンスな考え」をしてはいけません。
○原因と結果が「真逆」なのです。
原因「ホルモンバランス」⇒乳腺の「線維化や(それに伴う)乳管の閉塞」⇒
結果「乳房痛」や「石灰化(閉塞乳管の中で分泌液の中のカルシウムが沈着」となるのです。
原因はあくまでも「ホルモンバランス」であり、「乳房痛や石灰化は結果」なのです。
♯これを理解すれば、「石灰化をとることが痛みの解消には全く繋がらない」ことを理解することができますよね??
「こちらも一緒に切り取ってしまったほうが良いのでしょうか?」
⇒全く無意味です。
(しつこいようですが)石灰化は(結果として起こっているだけであり)「何の原因にもなっていない」のです。
「担当医が言っていた『水分?液体が溜まっている?水分?液体の塊?かもしれない。もしかしたらほっておいたらそのまま無くなる可能性もある』というのは田澤先生はどう思われますか??」
⇒そのような想像よりも…
単に「その針生検が上手く当っていないのでは?」ということを心配します。
「そんなことはあるのでしょうか?また、あるとしたらよくあることなのでしょうか?」
⇒上記通りです。
その針生検の精度が「どの程度が解らない」以上、コメントはできません。
「田澤先生でもこの場合やはり同じ診断を下されますか?」
⇒私が組織診をする場合には(最近はバネ式は殆ど選択しませんが)「マンモトームにしろ、CELEROにしろ」100%確定診断のために行います。(そうでなければ、せっかく「痛い思い」をした患者さんが可哀想です)
生検をしておきながら「○カ月後、経過観察」などあり得ません。
○結局は「針生検の精度」なのです。
(他院の針生検で良性とされながら)「当院でマンモトームをして癌と診断された方」を数多く診てきた私には、これ以上のコメントはできません。
♯誤解しないでほしいのは、(他院の針生検で良性とされたが心配で当院のマンモトームを希望し)「当院でマンモトームをして良性と確認した方」も、同数以上はいらっしゃいます。
私の個人的な感想としては前回と全く同様となります。
(以下、抜粋)
『ホルモンのバランスを崩す位悩むようなら…
マンモトームで100%確定診断をつけるといいでしょう。』