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経過観察について

[管理番号:5402]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生はじめまして。
約8か月前に左胸にエコー画像で少しモヤっとしたもの(6mm×4mm)が写っていると言われました。
しかし、気にするほどではないとのことで、
3か月後に再診になりました。
3か月後の再診時にも、エコー画像にはやはり同じものがあるとのことでしたが、触診でその部分にしこりと確認できるものはなく、先生も判断に迷った様子でしたが、また3か月経過観察になりました。
そして、先日診察に行くと、まず触診でしこりはないことと前回のエコー画像を確認して、また3か月後に経過観察になりました。
この時はエコーはしませんでした。
私は右胸を全摘しているので、3か月ごとに病院に行っています。
血液検査では特に異常はありません。
生検は必要ないかと主治医に尋ねましたが、どうしても心配で生検してほしいというのであれば今するけど、そうでなければ今する必要はないとのことでした。
悪性が疑われたらすぐ生検しましょうと言いますからと言われました。
この言葉から、悪性は否定できないがほぼ良性だと判断しているということでしょうか?
田澤先生ならこのような時はすぐ生検しますか?
主治医曰く、最新鋭の医療機器で今までよりもよく見えるので、もしかしたら組織のしわや影みたいなもの(木目のようなもの)が怪しく見えてしまっているだけかもしれないとのことでした。
そういう場合もよくあることなのでしょうか?
次回3か月後は、右胸の術後検診でマンモとエコーを行う予定です。
今回触診だけでエコーを取らなかったのが少し気になりました。
安心の為にエコーをとってもらえば良かったのに、(今回生検しましょうと言われると覚悟していた私は)触診で大丈夫でしょうと言われて、安堵してしまい、そのまま帰ってきてしまいました。
非浸潤癌だとエコーに写ってもしこりに触れない場合があるのかと思いまして、そういうことも考えられますか?
主治医曰く次回の診察で生検をして、悪性だったとしても、命に関わるような事態にはならないからと言われました。
8か月前からエコー画像上大きさの変わらないもの(直近はエコーなしですが)は、3か月後にいきなり大きく進行したりはしないですよね?
6mm×4mmの悪性の腫瘍は、触診でも医師であればしこりを普通見つけられるものですか?
主治医はベテラン医師で、右胸の時もしこりを触っただけで大体の腫瘍の大きさを(エコー画像で測った大きさと同じくらいで)答えていました。
主治医の言葉を信じているのですが、家で不安になることもあり、田澤先生の見解を教えていただきたいと思いました。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
そもそも「触診で触れるか?」を基準に考える事自体、誤りです。(まぁ、最悪の自体だけは避けるというリスクマネージメントにはなりますが…)
「小さいから(万が一)癌だとしても、大事にはいたらない」という消極的な発想ではなく、「できるだけ小さいうちに見つけるべき」という積極的発想としなければ本当の意味の「早期発見」とはなりません。
「この言葉から、悪性は否定できないがほぼ良性だと判断しているということでしょうか?」
⇒(良性よりだとは考えているとは思いますが)むしろ「この大きさなら、(万が一)癌だとしても大事には当らない」というような判断に思えます。
「田澤先生ならこのような時はすぐ生検しますか?」
⇒画像所見次第ですが…
 可能性が少しでもあれば「躊躇する必要」は全く感じません。
「非浸潤癌だとエコーに写ってもしこりに触れない場合があるのかと思いまして、そういうことも考えられますか?」
⇒6mmであれば「浸潤癌でも触れない」可能性は否定できません。
「主治医曰く次回の診察で生検をして、悪性だったとしても、命に関わるような事態にはならないからと言われました。」
⇒これが(冒頭で指摘した)『消極的発想』です。
「8か月前からエコー画像上大きさの変わらないもの(直近はエコーなしですが)は、3か月後にいきなり大きく進行したりはしないですよね?」
⇒それは、そうだと思います。
「6mm×4mmの悪性の腫瘍は、触診でも医師であればしこりを普通見つけられるものですか?」
⇒それは誤解です。
 (小さい腫瘍は)触診を頼りにしては絶対にいけません。(勿論、「小さいのに硬く触れる」というのは、癌を疑う参考にはなりますが、その大きさならば「触れなくても乳がん」も十分ありえます)