Site Overlay

針生検後の経過観察

[管理番号:3941]
性別:女性
年齢:50歳
こんにちは。
不安に感じている事がありますので質問させて頂きます。
昨年7月にエコーで1センチの黒く写るしこりがあるが「これは絶対、大丈夫。1年後の検診に」と言われました。
1年後の今年7月、同じしこりが大きさ、形に変化はないが1部グレーっぽく写るので念のため3回パチンと大きな音のする針生検をしました。
結果「脂肪」というだけで悪性所見なしでした。
11月に経過観察ということで先週、エコーを再受診しました。
「大きさは4ミリになり小さくなっている。
悪性なら大きくなっても小さくなることはないから
さくなることはないから大丈夫」ということで半年後にと言われました。
①針生検をして悪性所見なしで、しこりが小さくなっている場合は安心していて良いのでしょうか。
②小さくなったということは針生検で組織を取った分小さくなったのでしょううか。
生検のやり方によっては後から悪性だったということもあるようなので別の病院を受診した方が良いのか迷っています。
こちらのコーナーの田澤先生のご回答では針生検で良性ならば1年後の診察診察で良いとのことなので不安に思っています。
「しこりは何でしょうか」と聞いたら特に嚢胞とか線維腺腫とか言われずはっきり分からない感じでした。
③エコーで悪性か脂肪の塊か区別が付かないということもあるのでしぃうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
①「昨年7月にエコーで1センチの黒く写るしこりがあるが「これは絶対、大丈夫。」 ②「同じしこりが大きさ、形に変化はないが1部グレーっぽく写るので念のため」
⇒この記載内容からは①では「嚢胞」を疑い、
 ②では(嚢胞内のグレーの部分が、もしかして腫瘍?と考え)「嚢胞内腫瘍」を否定するために(念のために)「針生検を行った」
 ように解釈します。
「「大きさは4ミリになり小さくなっている。悪性なら大きくなっても小さくなることはないから大丈夫」
⇒正論ですが…
 強いて言えば、「嚢胞の部分が小さくなって」も(その内部の)「腫瘍の部分が小さくなったとは限らない」という可能性も否定できません。
「①針生検をして悪性所見なしで、しこりが小さくなっている場合は安心していてしていて良いのでしょうか。」
⇒上記コメント通りです。
 一般的には「小さくなる」ことは「心配ない」ことになりますが、「嚢胞内腫瘍」の場合には(腫瘍の周りの)「液体部分だけが小さくなった」可能性は残ります。
「②小さくなったということは針生検で組織を取った分小さくなったのでしょううか。」
⇒一般的に「バネ式」針生検は(マンモトームとは異なり)「それで腫瘍が小さくなる」ようなことはありません。(大した量は採れないからです)
「生検のやり方によっては後から悪性だったということもあるよう」
⇒本来、これではいけません。
 生検(組織診)は100%でなくてはいけません。
 ♯そもそも「バネ式」で100%確定診断とならないと予想されるのであれば、「最初からマンモトーム生検を行って100%確定診断をつけるべき」です。
「今年7月、針生検をしました。結果「脂肪」というだけで悪性所見なしでした。11月に経過観察」
⇒せっかく「組織診」したのに「4カ月後経過観察」では、「何のための、組織診なのか!!」
 そんなことでは(痛い思いをさせて、検査を受けていただいた)「患者さんに申し訳ない」と思います。
「針生検で良性ならば1年後の診察で良い」
⇒少し「勘違い」されていますね。
 私は「バネ式」にしろ「マンモトーム」にしろ、「100%確定診断」するので「経
過観察は不要」としています。
 「1年後の診察」とは(その病変の経過観察と言う意味ではなく)「1年に1回は検
診を受けましょう」という意味です。
「③エコーで悪性か脂肪の塊か区別が付かないということもあるのでしぃうか。」
⇒通常は(画像で)区別できます。
 ただ、画像上紛らわしいケースも存在します。その場合には「針生検で100%区別できる筈」なのです。