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12年間の経過観察の不安と不信感

[管理番号:6673]
性別:女性
年齢:56歳

はじめまして。

56歳 主婦です。

12年前から左胸にシコリがあり、マンモとエコーを半年ごとに受けて経過観察してきました。

6年前にシコリが大きくなり細胞診を受けカテゴリー3だったので生検したら良性とのことでした。

その後も経過観察で半年ごとの検診を続け、3年前にまた大きくなったので細胞診をしましたが硬すぎて針が刺さらず細胞が取れませんでした。
石灰化したシコリが他にもいくつかあるという理由で念の為にMRIを受けましたが異常なしでした。

その後の半年ごとの検査で左胸のシコリは少し小さくなったので今回から1年に1度の検査となり、昨日が1年ぶりの検査でした。

MRIを受けて3年が経過しています。

マンモは相変わらず石灰化が多いけど去年とあまり変わってないとのことでしたが、エコーは去年は13ミリだったシコリが10ミリと小さくなったが、いびつな形になりデコボコしているとの事でした。

先生は、ホルモンの変化でシコリが縮んでいびつな形をしているだけかも知れないけど、ガンの疑いもあるから生検を受けた方が良いと仰い、
来週また生検の予約を入れました。

そんな事ってあるのでしょうか?
12年も経過観察してきて良性と言われていたシコリが癌になることがあるのでしょうか?
そして、良性のものが縮んでデコボコすることはあるのでしょうか?
もの凄く不安です。
そして半年で行けばよかったという後悔でいっぱいです。

今56歳ですが春まで少量ですが生理があり、まだ生理が完全になくなったかわからない状態で、胸も張ったり痛かったりしていますがこの痛みが癌になってリンパが痛いんじゃないかとも思えて不安になります。

因みに5月の健康診断でCA19-9 の腫瘍マーカーを受けて10.5U/mLでした。
もしこの時点で乳がんでしたら数値はもっと高いのでしょうか?
CA19-9は消化器系だけのマーカーという意見と乳がんも数値があがるという意見があって困惑しています。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

重要なことは
1.良性は悪性にならない、もしも悪性だとしたら、それは(最初の診断が誤っていただけで)最初から悪性なのです。
2.線維腺腫は若いころは(そのホルモンの影響で)大きくなるが、(ホルモンが減ってきて)縮小(その際に歪になることはあります)
3.腫瘍マーカーは癌の診断には全く無効(癌の診断には全く無意味) 
   ♯腫瘍マーカーは術後の「遠隔転移再発」時には上昇しますが、初発(手術)時に異常値になる(上がる)ことは(そもそも)無いのです。

「先生は、ホルモンの変化でシコリが縮んでいびつな形をしているだけかも知れないけど、ガンの疑いもあるから生検を受けた方が良い」
「そして、良性のものが縮んでデコボコすることはあるのでしょうか? 」

→上記2のとおりです。
 確かに、「線維腺腫が縮小して歪となる」ことはありますが、「歪な腫瘍は癌を疑わなくてはならない」ことも、また事実なのです。(やはり確認したほうが安心です)

「12年も経過観察してきて良性と言われていたシコリが癌になることがあるのでしょうか?」
→上記1のとおり、「良性が癌に変わる」ことは絶対にありません。
 もしも癌なら「最初の診断に誤りがあった」ということになります。

「今56歳ですが春まで少量ですが生理があり、まだ生理が完全になくなったかわからない状態で、胸も張ったり痛かったりしていますがこの痛みが癌になってリンパが痛いんじゃないかとも思えて不安」
→それは1000%ありませんのでご心配なく。(あきらかに更年期のホルモン刺激症状です)

「因みに5月の健康診断でCA19-9 の腫瘍マーカーを受けて10.5U/mLでした。」
「もしこの時点で乳がんでしたら数値はもっと高いのでしょうか?」

→上記3のとおりです。

 そもそも「癌であっても癌でなくても腫瘍マーカーは正常」なのです。
 診断に腫瘍マーカーは全く無意味です。