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肝臓、腰椎への遠隔転移、今後の治療について

[管理番号:7026]
性別:女性
年齢:61歳
病名:左乳房湿潤性乳管癌からの骨、肝転移
症状:

  
 田澤先生こんにちは。
いつも拝読しています。
大変参考となりこころ強いです。

 本日は先生のご意見をいただきたく存じます。

 私の乳がんの経過は次のとおりです。

 28.3 左乳房湿潤性乳管癌発覚 ステージⅡb T2 ER+ PgR+   
     HER2- Ki67 63% 高 グレード3
 28.4 EFC4クール終了後 ドセタキセル4クール
 28.9 部分摘出 断端検査陽性のため追加除去
 28.11 放射線療法開始 2グレイ/25日
 29.1 ホルモン療法 アナストロゾール1mg/日服用開始
 30.10 CT 骨シンチの結果 肝臓及び腰椎に影あり。

確定診断できないため後日、PET MRI-EOBで再診査
骨→腰椎1番2番3番 肝臓→10か所(微量・10%)の遠隔転移を認めるとの診断でした。

 30.11イブランス125mg・レトロゾール2.5mg・デノタスチュアブル/日、ランマーク/月での対処となりましたが、イブランス休薬1週間後の白血球数が1500と上昇しないため、第2クールからは25mg×4錠の投薬となりました。

田澤先生への質問です。

① 肝転移が微量であれば初めから抗がん剤で縮小させ、そのあとイブランスという選択はありませんか。

② イブランスが奏効したとして既にホルモン療法を継続しているので、無増悪生存期間は概ね1年程度でしょうか。

③ イブランスから抗がん剤へ切り替えた後、耐性化したがん細胞を縮小させ、またイブランスに戻れるものですか。

④ 乳がんの肝転移に放射線療法は困難でしょうか。

⑤ 標準治療以外に、肝転移の代替治療も視野に入れています。
候補は次のとおりですが、先生でしたらこのような療法をどのようにお考えでしょうか。

・温熱療法 ・高濃度ビタミンC点滴 ・エタノール注入療法
・自家がんワクチン療法 ・抗PD-1抗体検査 ・肝動注化学療法 ・がん遺伝子パネル検査による抗悪性腫瘍剤治療
     
 ご教授よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「① 肝転移が微量であれば初めから抗がん剤で縮小させ、そのあとイブランスという選択はありませんか。」
→あります。
 eriblin4サイクルもしくはbevacizumab+paclitaxel3サイクル(どちらも3か月間)をしてから分子標的薬(palbociclib もしくはabemaciclib)でいいと思います。

「 ② イブランスが奏効したとして既にホルモン療法を継続しているので、無増悪生存期間は概ね1年程度でしょうか。」
→それは解りません。
 ①のように「先にケモで叩く」ことにより、その期間は「かなり伸びる」ことが期待できます。

「 ③ イブランスから抗がん剤へ切り替えた後、耐性化したがん細胞を縮小させ、またイブランスに戻れるものですか。」
→勿論!

「 ④ 乳がんの肝転移に放射線療法は困難でしょうか。」
→その場合にはTomTherapyがいいでしょう。

「 ⑤ 標準治療以外に、肝転移の代替治療も視野に入れています。候補は次のとおりですが、先生でしたらこのような療法をどのようにお考えでしょうか。」
→私は全く使いません。