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術前化学療法と今後について

[管理番号:1053]
性別:女性
年齢:53歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1099「dose-dense化学療法

 
 
乳ガンで関東地方で検査と告知を受けて、実家のある関西で現在治療を受けております。
関東では3b、関西では3aとの告知を受けて、現在パクリタキセルとハーセプチンの術前療法を12回の予定で受けております。
関東の病院でも腋のリンパ節への転移があり、乳房に拡がっているので、すぐに手術が出来ないので、術前化学療法を勧められ、関西でも同じ手順となりました。
2回目の治療の後から、乳房や腋の張りが引いて来てくれて、少しホッとしています。
今後6回目終了後、エコー12回目終了後MRIでチェックを行い、その後アンスラサイクリン系の化学療法を2週間に1回で4回実施する予定と説明を受けております。
田澤先生が考えられるステージは3aでしょうか?
化学療法で乳房内の拡がりが改善されれば手術が出来るということでしょうか?
術前化学療法で目に見える腫瘍が消失した場合は温存手術も可能でしょうか?限られた情報で色々と質問して申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
「関東では3b、関西では3aとの告知」「関東の病院でも腋のリンパ節への転移があり、乳房に拡がっているので、すぐに手術が出来ないので、術前化学療法を勧められ」
⇒この内容から状況がはっきりしました。
(関東の病院での評価である)ステージ3B:腫瘍により「皮膚が赤みを帯びたり、浮腫状になっている」という判断
(関西の病院での評価である)ステージ3A:腫瘍には「皮膚所見はない」と」判断、「リンパ節転移高度」という判断
 ○上記のように「皮膚に対する判断が関東と関西の病院で異なっている」事が、関東と関西で『ステージ判断が異なっている理由』です。
 実際に、診察していないので「どちらが正しいのかは判断できません」

回答

「田澤先生が考えられるステージは3aでしょうか?」
⇒冒頭で示したように、実際に診察していないので不明です。
 「抗がん剤前の時点」で「皮膚に赤みや浮腫みがあったのであれば「ステージ3b」となります。
 
「化学療法で乳房内の拡がりが改善されれば手術が出来るということでしょうか?」
⇒乳房内の拡がりは「手術できるかどうか」とは関係ありません。
 あくまでも「皮膚に赤みや浮腫みが無ければ」手術が可能となります。
 
「術前化学療法で目に見える腫瘍が消失した場合は温存手術も可能でしょうか?」
⇒(状況からすると)温存はリスクがあり、勧められません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
早速のご回答ありがとうございます。
現在5回目のパクリタキセルとハーセプチンが終了し、浮腫み、赤みとも解消しています。今後は更に残りの化学療法7回と2週間に一度で4回のアンスラサイクリン系の化学療法とハーセプチンが予定されています。病理組織診断の結果はER+60%、PgR-0%,HER2score3,ki80-90%です。田澤先生であれば術前化学療法は同じ手順を選択されますか?またその後の手術、術後はどのような治療を考えられるかお教えいただければと思います。出来るだけ主治医と納得出来る治療を話し合いたいと思います。田澤先生のご意見を参考にさせていただけますと、大変安心出来ます。
また私の場合、術前、術後含め治療をしっかり行う事で、根治を目指せるかどうか、再発率などについても先生のご意見をお聞かせいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「浮腫み、赤みとも解消しています」という表現からは「術前抗がん剤をして、手術可能となった」ということですね。
 これは正しい「術前抗がん剤」の使い方です。

回答

「田澤先生であれば術前化学療法は同じ手順を選択されますか?」
⇒同意見です。
 効果の早くでる「weekly PTX(パクリタキセル)」を先行させることで、「腫瘍の早急な制御」を計り、その後アンスラサイクリンを行います。
 ただ「2週間に一度で4回のアンスラサイクリン系の化学療法」という記載が気になります。
 質問者の勘違い、(実は3週間に1回)でなく『本当に2週間に1度の投与間隔』であれば、「dose-dense化学療法」となります。
 Dose-dense化学療法は「副作用がかなり、きつく」特に輸血などの可能性まであるので一般病院で行っているのは聞いた事がありません。
 もし行うとすれば、大学病院でしょう。
 大学病院は「データをとるために」そのような事を行います。(それが大学病院の存在理由といえば、それまでです)
 当然、私であれば(無理してdose-denseなどせずに)3週間に1回のECを4回行います。
 
「またその後の手術、術後はどのような治療を考えられるか」
⇒手術は「乳房切除術(全摘)
 そして、その後は「放射線照射(胸壁+領域リンパ節)」そして、その後はハーセプチン単剤で9カ月(術前の3カ月と合わせて1年間投与となります)です。
 
「術前、術後含め治療をしっかり行う事で、根治を目指せるかどうか」
⇒根治を目指せます。
 抗HER2療法が鍵となります。
 
「再発率などについても先生のご意見をお聞かせ」
⇒不明です。
 腫瘍径やリンパ節転移の個数など不明な要素が多いので解りません。
 とにかく「きちんとした治療」を行う事です。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
いつも質問にご回答ありがとうございます。術前化学療法でウイークリーパクリタキ
セルとハーセプチンが6回の折り返しを終了し、エコーによるチェックをしていただ
きました。腫瘍は化学療法前の28ミリ×27ミリから18ミリ×8ミリになっており、横
にもうひとつあった腫瘍も少し後があるだけ、リンパ節は黒から、真ん中が白くなっ
ており、薬の効果が良い形で出ていると言われました。また今後さらに小さくなるよ
うならチップを入れることも検討すると言われました。これは化学療法が良い形で進
んでいると考えて良いのでしょうか?またチップの目的やどのような形で入れる事に
なるのかをお答えいただければと思います。主治医に確認したいと思いますが、田澤
先生のご意見をお聞きできればと思います。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
術前抗癌剤をして「小さくして温存」となるようなら正しい使い方と言えます。
抗がん剤は「術前に行っても、術後に行っても効果は同じ」なのです。

回答

「これは化学療法が良い形で進んでいると考えて良いのでしょうか?」
⇒「腫瘍が小さくなっている」のですから、「目的通り」と言えます。
 ただし、敢えて苦言を呈するとすれば、(もしかして、効果が無くて増大するかも
しれないのに)6週間もエコーで評価していなかったことは如何なものか。
 「術前抗がん剤がリスクの有る治療である」と言う意識が必要です。
 
「またチップの目的やどのような形で入れる事になるのか」
⇒抗がん剤が有効で「腫瘍が小さくなり、その場所が解らなくなる」ことがありま
す。
 その場合でも、最低限「もと腫瘍が有った部位を中心とした」乳腺の部分切除をす
るわけですが、その場合には「何処を摘出したらいいのか不明」という事態となりま
す。
 その時の目印(つまり、ここを中心に部分切除するというマーカー)となるよう
に、「マーカー(チップ)」を入れるようです。
 私は、そのようなケースでは「マーカーなど入れずに」乳頭からの計測をして「座
標として記録」しておいていました。(手術時には、その座標を目印に温存手術をす
るのです)
 「チップは針生検のようにエコーで見ながら針を腫瘍の部位まで誘導して置いてき
ます」
 
 

 

質問者様から 【質問4】

いつもありがとうございます。タキソールとハーセプチンの12回投与のうち8回目が
終了し、主治医から現在の効果と今後について説明がありました。化学療法は非常に
よく効いており、12回目終了後MRIとエコー、マンモを行い、アンスラサイクリンを3
週間に1回で4回、副作用を見ながら2週間に1回という方向もあると言われました。副
作用があまり強いのは不安であると伝え、今後相談して決定の予定です。また場所が
わからなくなる場合を考慮してチップを置く可能性があることも再度話がありまし
た。以前の田澤先生のご意見で温存手術はリスクが高いとの事でしたが、チップを置
くという事は、部分切除を想定しての事でしょうか?再発のリスクが温存の場合どの
くらいあるかによって正しい判断をしたいのですが、田澤先生のご意見をいただけれ
ばと思います。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
そのままでは「手術ができない状態」だった筈ですので「抗がん剤が奏功している」
ことは何よりです。
状況的には「現時点で手術が可能」なようですが、これから「アンスラサイクリン」
に移る際には「注意が必要」です。
ハーセプチン+パクリタキセルが有効だったからといっても「アンスラサイクリンが
有効とは限らない」のです。
せっかく「手術可能」となったのに、「アンスラサイクリン中に悪化して、元の状態
に後戻りした」ということがないように注意が必要です。
具体的には「頻回に評価」を行い、「悪化するようなら」手術に切り替える意識が重
要です。
○私であれば「乳房切除の方針であれば、」現状で手術をしてしまって、術後に「ア
ンスラサイクリン」を行います。(その後に放射線+ハーセプチン単剤となります)
 そうすれば、「アンスラサイクリン中に再増大してします」リスクを負う必要が無
いからです。

回答

「チップを置くという事は、部分切除を想定しての事でしょうか?」
⇒そう思います。
 
「再発のリスクが温存の場合どのくらいあるかによって正しい判断をしたいのです
が、田澤先生のご意見をいただければと思います」
⇒温存すべきではないと思います。
 最初の状況からすると「画像診断で小さくなったからと言っても」乳腺内に広範囲
に「点状に残存している」リスクがありそうです。
 勿論、そもそも画像所見を見ていない私の意見なので、参考程度にしてほしいので
すが、
 「術前化学療法による温存手術」の原則は「腫瘍が元あった部位は切除する」こと
です。
 
○術前化学療法で「画像上、小さくなったからと言って」温存する事は「リスクが高
い治療」であることの認識は重要です。
 是非、後悔の無い治療を選択してください。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

いつも質問に答えていただき、ありがとうございます。本日術前化学療法のパクリタ
キセルとハーセプチンの最終回の予定でしたが、先週から微熱があり、血液検査の
CRPの値も高かったため中止になりました。せっかくここまで頑張って来たのにとて
も残念です。予定通り来週MRI等を行い、再来週からはFEC療法を3週間に1回で、4回
の予定です。田澤先生にお訊きしたいのは、12回目のパクリタキセルにハーセプチン
ができなかった事で治療の効果にどのくらい影響があるのかという事と、次の化学療
法について、以前田澤先生にご相談した時に田澤先生であればEC療法をされると回答
いただいていたので、FEC療法との効果等の違いを教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
12回のうちの1回が中止になったとしても「ほぼ影響無い」と考えていいと思います
(当然データの無い話ですが)
「EC療法をされると回答いただいていたので、FEC療法との効果等の違い」
⇒FEC(6回)とAC(4回)が同等の効果であることがNSABP B-36試験で2014年11月に
発表されました。
 
 FECとFACが同等(つまりエピルビシンとアドリアマイシンは同等と考えられる)な
のでFEC6回とEC4回は同等と考えている訳です。
 そうするとFECを6回やるよりもECを4回やった方が「負担も少なくて合理的」だと
思います。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

いつもありがとうございます。
術前12回の予定でしたパクリタキセルとハーセプチンが微熱のために11回目で終了となり、最終投与日より2週間後にエコー、MRIの検査がありました。
乳房の約三センチの腫瘍は痕跡のみになり、横にあった2センチほどの腫瘍も消えており、皮膚の近くに拡がっていた結束の小さな腫瘍も消えていました。
脇のリンパや他のリンパにあったぼこぼこしたものも、1ヶ所の一番大きかった所以外は消えていると主治医から説明がありました。
今後はFEC療法をしてから手術か、さきに手術かの選択肢があるとの事で、先ず1回目の化学療法を行い、効果と副作用を見て、継続か、手術への切り替えかを判断することになりました。
脇のリンパが化学療法終了後、2週間後位から少し触るとグリグリして痛みが出てきています。
一旦は痛みや、グリグリは感じなくなって来ていたのですが、これはまだ残っている腫瘍が勢いを盛り返してきているのでしょうか?
自分としては、次の化学療法で脇のリンパの腫瘍も見えなくなるまで小さくして手術に望みたいと思います。
理由は化学療法で完全にガンが消えた場合は予後がよく再発率も低いと聞いたからです。
私のように皮膚の所見があった場合は、ステージが3bとなり、無病生存率は10年で10%とネットで見たため、健康に生きられないという不安を少しでも軽減したいと思うからです。
田澤先生はどのように思われますか?
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
「脇のリンパが化学療法終了後、2週間後位から少し触るとグリグリして痛みが出て
きています。一旦は痛みや、グリグリは感じなくなって来ていたのですが、これはま
だ残っている腫瘍が勢いを盛り返してきているのでしょうか?」
⇒その可能性はあります。
 化学療法が「永遠に効果がある」訳では無いのです。
 
「次の化学療法で脇のリンパの腫瘍も見えなくなるまで小さくして手術に望みたいと
思います。理由は化学療法で完全にガンが消えた場合は予後がよく再発率も低いと聞
いたからです」
⇒質問者は勘違いしています。
 「化学療法で完全に癌が消えた場合=完全寛解と言います」の場合に予後がいい⇒
当たり前の話です。 それだけ「化学療法の効果が良かった」ということを意味しま
すから。
 質問者の最大の「勘違い」は(その化学療法を)「術前に行うから予後が良くな
る」と考えている点です。
 『同じメニューを術後に行っても(同様に)予後が良くなる』のです。
 
「田澤先生はどのように思われますか?」
⇒私は(現時点で手術可能となったのだから)「直ぐにでも手術すべき」という考えです。
 「抗がん剤は術前でも術後でも、効果は全く同様」です。
 手術できるようになった以上、「癌を全身にばらまく可能性のある腫瘍本体」は早急に「取り去り」、落ち付いて(術後に)FECを行えばいいのです。
 わざわざ(危険を冒してまで)術前に行う意味はありません。

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