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経過観察となりましたが、確定診断をお願いできますでしょうか。

[管理番号:2233]
性別:女性
年齢:38歳
初めまして。
毎日懸命にたくさんの患者さんを精神的にも物理的にも救っていらっしゃる田澤先生のお姿に感銘を受けております。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。
7年前に検診で右胸に8㎜の腫瘤がエコーで見つかり、近所のクリニックの乳腺外来で当時の細胞針の結果、カテゴリー2で良性、半年経過観察の後変化なく、1年ごとにエコー、マンモ経過観察で変化無しで、きていました。
2年前にそのクリニックの乳腺外来が閉鎖されたため、今回1年半後の診察となってしまいましたが、別の近所のクリニック、○○○○クリニック乳腺外来非常勤○○○○先生の診察を12/○○に受けました。
以前のクリニックでいただいたエコーデータを比較のためお渡しし、マンモ、エコーを行いました。
12/○○エコーで右胸に7年前からある腫瘤は大きさ形も変化なしでエコーカテゴリー3、右胸に新たに嚢胞ができておりカテゴリー2、そして、新たに左胸に18.4㎜の点状高エコーを伴う集簇性嚢胞(+)、嚢胞間血流(+)、shear wave伝搬速度最大4.67㎜/s、カテゴリー4a、乳管内病変を否定できないという病変が見つかりました。
また、マンモでも、その左胸の嚢胞辺りに石灰化があるので、嚢胞の中に癌があるかもしれないと、12/24に乳房MRI造影を実施しました。
MRIではなく、組織検査をされないのかを伺いましたら、MRIで的がどこかを把握しないと組織はとれないと言われました。
左胸石灰化はマンモに映っておりましたので田澤先生でしたらどのような検査をされるのかと気になりました。
1/○○に聞いて参りましたMRI結果では怪しんでいた左はただの嚢胞と思われるが、右胸下のほうに8㎜の不整形の新たな腫瘤が見え、4aの判定、もう一度右胸に腫瘤見落としがないかエコー技師さんに診てもらいましょう、と当日再度エコーチェックをしていただきましたが、腫瘤は見つかりませんでした。
MRIは大げさに映ることがあるから、今回は大丈夫だけど、油断せず、1年後にまた来てくださいと言われました。
田澤先生にご質問です。
この結果を信じて1年後の受診で良いのでしょうか。
マンモに映っている左胸嚢胞集簇辺りの石灰化(3~4ミリ位に見えました。)の組織検査もせずにおります。
また、技師さんがエコーで右胸腫瘤を見つけられなかった可能性も心配です。
油断せずに1年後と言われましたが、田澤先生が常におっしゃっていらっしゃる確定診断をいただきたく、メディカルプラザ市川に受診予約を入れてもご迷惑ではありませんか。
検査種類上、江戸川病院のほうがよろしいでしょうか。
もしご予約可能であれば、○○○○クリニックに依頼すべきものとして、マンモ、MRI結果をお持ちすればよろしいでしょうか。
エコーは田澤先生が直接みてくださるということでエコー画像は不要でしょうか。
できるだけ田澤先生にお手間をとらせぬよう準備してお伺いしたく存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非常に「興味深い」診療です。
注目すべきは「エコーは技師さん任せ」で「マンモグラフィーの石灰化(カテゴリーは?)や超音波での4aの診断をMRIだけで経過観察」としているところです。
全く「自分の手をかけずに行うスマートな診療?」ということでしょうか?
非常勤医ということから、「検査などに制限がある」可能性もありますが…
正直な感想から、「かなりリスクのある診療」と思います。
「画像診断に頼り過ぎ」ている半面「超音波の所見は最終的には無視(は、言い過ぎですが…)」して「MRIを免罪符」にしているように思います。(それでいて、MRI所見での確認は超音波技師任せにして、それはそれでOKというのは、どうも矛盾があるように思います)
 
「新たに左胸に18.4㎜の点状高エコーを伴う集簇性嚢胞(+)、嚢胞間血流(+)、shear wave伝搬速度最大4.67㎜/s、カテゴリー4a、乳管内病変を否定できないという病変」「マンモでも、その左胸の嚢胞辺りに石灰化があるので、嚢胞の中に癌があるかもしれない」
⇒かなり「気になる所見」です。
 MRIなど無意味です。
 私であれば、「腫瘤非形成性病変」として(超音波ガイド下)マンモトーム生検をするところです。
 ただし、「石灰化の所見の方が優位」であれば、(ステレオガイド下)マンモトーム生検を先行させるかもしれません(画像所見によります)
 
「右胸下のほうに8㎜の不整形の新たな腫瘤が見え、4aの判定、もう一度右胸に腫瘤見落としがないかエコー技師さんに診てもらいましょう、と当日再度エコーチェックをしていただきましたが、腫瘤は見つかりませんでした。」
⇒せめて、「こう言う時くらいは」自分でエコーするべきです
 
「この結果を信じて1年後の受診で良いのでしょうか。」
⇒確定診断付けるべきです。
 ターニングポイントとなるかもしれません。
 
「メディカルプラザ市川に受診予約を入れてもご迷惑ではありませんか。」
⇒勿論大丈夫です。
 ただ「かなり混んでいます」
 しかし、「1年後経過観察」よりは「この機会に確定診断すべき」と思います。
 
「検査種類上、江戸川病院のほうがよろしいでしょうか。」
⇒たしかに「ステレオガイド下マンモトーム生検」は江戸川病院にしかありません。
 ただし、「まずは超音波所見を優先(マンモでの石灰化は担当医はあまり気にしていない様に感じます)」して(もしもステレオガイド下マンモトーム生検が必要な際には)「その場で日程を予約」してもいいと思います。
  
「 もしご予約可能であれば、○○○○クリニックに依頼すべきものとして、マンモ、MRI結果をお持ちすればよろしいでしょうか。エコーは田澤先生が直接みてくださるということでエコー画像は不要でしょうか。」
⇒勿論、私自身がエコーしますが、(参考のために)エコー写真もあった方がいいです。