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化学療法は必要ですか?

[管理番号:3334]
性別:女性
年齢:41歳

化学療法が必要か迷っています。
閉経前41歳
主治医の説明が専門用語すぎて中々理解ができてないので組織診の報告
書を見ながら相談しています。
腫瘍は乳頭近くの浅部、深部に2か所有
るとの事で5月中旬に右乳房切除術(全摘)、腋窩リンパ節郭清をしました。

病理の結果2か所ではなく実際には連続した腫瘍でセンチネルリ
ンパ節に転移が2個あったので腋窩リンパ節の切除を行ったとのことでした。
病理結果でKi-67が50%と高かったのでオンコタイプDXを行い再発スコア20と中間リスクで出ました。
ホルモン療法単独の場合5年平均率(再発+死亡)13%(95%CI:8%-20%)
ホルモン療法+化学療法の5年平均率(再発+死亡)12%(95%CI:8%-18%)
でした。

中間リスクに入った場合は化学療法をやろうと覚悟していましたが、5年平均率が1%しか変わらないのにやる必要はあるのか迷っています。
主治医はオンコタイプの結果は昔の抗がん剤の集積結果で出ているから今の抗がん剤を使用した場合はもっと効果があり再発リスクが抑えられると思うので最初に決めていたとおり化学療法をする方向で行こうということになりました。

最終的に決めるのは自分だとわかってはいますが、センチネルリンパ節に2個転移があったこと、病理結果でKi-67が50%で出たこと、でもオンコタイプの結果は化学療法をやっても1%しか変わらないこと、迷いに迷っています。
それとルミナールBでしょうか?ステージはⅡでしょうか?

主治医との信頼関係が築けてない事、ステージやルミナールの説明もない事、今までの診断が二転、三転したこと、触診が1度もなかったことが悩む理由だと思います。

田澤先生ならどの治療法で行くか、田澤先生なら化学療法をやるかを教えていただきたいです。
ご指導宜しくお願いします。
組織診の結果は以下のとおりです。

所見
乳腺割面浸では乳頭近くに不整形の淡褐色腫瘤を認め、組織学的にはそ
れ以外にも浸潤巣が認められる。
標本23などで腫瘍が浅ぶ、深部の2か所に分かれて見えるが深切り標本では両者に連続が見られ、浸潤巣の最
大径は22mm、腫大した類円形核を持つ立方状の腫瘍細胞が小胞巣状に
増殖し間質へ浸潤している。
脈管侵襲は明らかな像は認めない。

浸潤性
増殖が主体だが乳管内進展も少数みられる。
乳頭や、皮膚への進展はない。
乳腺外脂肪識への浸潤を認め、深部では胸筋とかなり接しているが
明らかな筋肉への浸潤は見られない。
非腫瘍部では嚢胞、乳管過形成、
繊維線種症、線維症などの乳腺症の所見有り。
浸潤性乳管癌(硬癌)、組織学的異形度はグレード2「線管形成(3)+
核異型(2)+核分裂像(1)=6」です。
切除断端は陰性
術中診断に提出された3個のリンパ節の凍結戻し標本では1個のリンパ
節に7mm大の転移が見られ追加郭清されたリンパ節では1個に転移が見られ 「レベルⅠ 1/5、レベルⅡ0/9、レベルⅢ0/4」上記と合わせて計2個に転移を認める。
その後病理の結果で標本23のうち
浸潤巣1(22mm大、標本23の深部)
ER:J-score 3b(90%程度の陽性)
PgR:J-score 3b(90%程度の陽性)
HER-2:1+
MIB-1(Ki-67)50%程度
浸潤巣2(6mm大、標本23の浅部)
ER:J-score 3b(90%程度の陽性)
PgR:J-score 3b(90%程度の陽性)
HER-2:0
MIB-1(Ki-67)20-30%程度
腋窩リンパ節転移巣(術中診断の戻し標本)
ER:J-score 3b(90%程度の陽性)
PgR:J-score 3b(90%程度の陽性)
HER-2:0
MIB-1(Ki-67)20-30%程度
 

田澤先生からの回答

今日は。田澤です。

「主治医はオンコタイプの結果は昔の抗がん剤の集積結果で出ているから今の抗がん剤を使用した場合はもっと効果があり再発リスクが抑えられると思う」
⇒これは明らかに誤りです。
 Oncotype DXがよりどころとしているデータは
 ①リンパ節転移無しでは NSABP B-20であり、「タモキシフェン単独群vs タモキ
シフェン+CMF/MF群」
 ②リンパ節転移陽性では SWOG 8814であり、これは「タモキシフェン単独群vs タ
モキシフェン+CAF群」
 
 ○お解りでしょうか?
  ①であればCMF(昔の抗ガン剤)ですが、②はアンスラサイクリンを用いた
データです。担当医のいうところの『今の抗ガン剤』そのもののデータです。
  質問者は②ですから『今の抗ガン剤のデータ』なのです。

「中間リスクに入った場合は化学療法をやろうと覚悟していましたが、5年平均率が1%しか変わらないのにやる必要はあるのか迷っています。」
⇒化学療法の必要はありません。
 中間リスクでは「化学療法のベネフィットは殆ど無い」ことは証明されてきています。
 因みに「質問者の数字」は上記②SWOG 8814でのデータをよりどころにしており、
「アンスラサイクリンを用いた(今の抗ガン剤)もの」です。

「最初に決めていたとおり化学療法をする方向で行こうということになりました」
⇒全く意味不明です。
 何のために「Oncotype DXをやった」のか?
 「膨大な検証データが揃っているOncotype DXのエビデンス」と「担当医の印
象??」とどちらを信頼するのか? そういうことです。

「それとルミナールBでしょうか?ステージはⅡでしょうか?」
⇒ステージはpT2(22mm), pN1, pStage2Bとなります。
 ○ルミナールタイプについて
  これについては 「管理番号3301[抗がん剤治療『 「OncotypeDXによる分類」と「ER, PgR, HER2, Ki67の免疫染色による(簡易的)サブタイプ分類」と「本来のサブタイプ分類(intrinsic subtype)」の関係』]」をご一読ください。
  ポイントは
   ・本当のサブタイプ(496遺伝子発現により定義)を調べることは不可能
   ・ER, PgR, HER2, Ki67の免疫染色だけを用いた(簡易的)サブタイプでは「ルミナールB」に相当する
   ・しかし、Oncotype DXを用いて(21遺伝子の発現を調べた)ことで「化学療法による上乗せ効果が殆ど無い=ルミナールA」であることが判明した。
  つまり「一見ルミナールBに思えたが、OncotypeDXにより21遺伝子を調べた結果、(ルミナールBではなく)ルミナールAだった」と理解してください。
センチネルリンパ節に2個転移があったこと」
⇒上記②の臨床試験、病理結果でKi-67が50%で出たこと
「主治医との信頼関係が築けてない事」「触診が1度もなかった」
⇒すごいですね!
 「私の想像を遥かに」超えています。まさにモンスター。
 思い出しましたが…
 東京の某有名?大学病院で手術した患者さんから(術前のエコーも、マーキングさえも!)「全て技師さんが行い、執刀医は一度も診察した事が無かった」と聞いて耳を疑った記憶があります。
 明らかに「何かが間違っている」
 そのような「常識的な感覚」を持ってもらいたいものです。

「田澤先生ならどの治療法で行くか」
⇒ホルモン療法単独です。(上乗せ効果が無い抗ガン剤など当然行いません)
 新しい(2016)ASCOのガイドラインから『タモキシフェン+LH-RHagonistの併用』とします。

「田澤先生なら化学療法をやるかを教えていただきたいです。」
⇒(当然)やりません。
 1%の上乗せで希望しますか?
 担当医と私の感覚は「色々な面」で異なるようです。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

江戸川病院は受信できますか?
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

2017年に手術し、ホルモン療法(タモキシフェン)をおこなっています。
3ヶ月に一度、地元病院にて診察を受けています。
特に異常はなく術後安定した状態です。
田澤先生の外来は大変混雑すると伺っております。
緊急性の無い経過観察の患者が田澤先生の予約をしてもかまいませんでしょうか?
2021年(来年)4月に江戸川に引っ越し予定です。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「緊急性の無い経過観察の患者が田澤先生の予約をしてもかまいませんでしょうか?」
⇒市川だと電話で「新患でも外来予約」できますよ。

 (他院)術後の定期診察を「江戸川の予約外」で受診するのは主旨に反しているとは思います。

メディカルプラザ市川駅



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