[管理番号:1996]
性別:女性
年齢:49歳
乳がんの再検査のお知らせが届いてからずっと、読ませていただいています。
とても分かりやすく一人一人に答えてくださっていることに、いつもありがたく感謝しております。
11月(下旬)日に温存手術をしました。
病理検査の結果を受けてMIB-1の数値が37%ということで
抗がん剤をしたほうが良いと言われたのですが・・・
浸潤径(腫瘍径)1.5cm×1.3cm
リンパ節:0/2
浸潤性乳管癌
核異型度:1
リンパ侵襲:0
p53:±
HER2:-
ER:2+(99%)
P?R:2+(99%)
手書きで頂いた病理検査は上記の数値でした。
主治医の医師は30%の再発率がホルモン療法により15%になり
化学療法で2%~最大で5%さらに減らせるか、ホルモン感受性が
強いので0%かも知れないと言われ、最後にまだ若いから化学療法はしたほうが良いと・・・。
その場では決めることができず一週間、考える時間をと帰宅しました。
0~5%の効果で抗がん剤は必要となるのでしょうか…。
自分では、子宮筋腫や高血圧などの不安材料がありすぎて化学療法をする決断ができずにいます。
少しだけ方向性を教えて頂きたくて質問させて頂きました。
お時間とり申し訳ありませんがこのような病理検査の場合、
抗がん剤はしないと自分で決めて良いものでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN0, luminalB
「主治医の医師は30%の再発率がホルモン療法により15%になり化学療法で2%~最大で5%さらに減らせるか、ホルモン感受性が強いので0%かも知れないと言われ、最後にまだ若いから化学療法はしたほうが良いと」
⇒一応、「luminalB」ということで「化学療法の適応」は出てきますが…
Adjuvant onlineで計算すると
再発率
無治療 : 23%
ホルモン療法単剤(-8%) : 15%
ホルモン療法+抗がん剤(併せて-13%) : 10%
つまり、化学療法の上乗せ効果は5%です。
私であれば、(僅か5%の上乗せでは)化学療法は勧めません。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、貴重な質問の一枠を使わせていただきますが
どうぞお許しください。
管理番号 1996 で質問させていただき、
その後の診察にて化学療法を受けたくないことを伝えました。
担当の先生からは『1%でも再発を防ぎたいからやりたいと言われる方もいらっしゃいますよ・・・』と言われましたが
『私はやりたくないんです』と伝えましたところ
『私たちは〇〇さんのような病理結果の方には
化学療法を話しています』といわれたので、
オンコタイプを申し込み4週間待って
リスク9でタモキシフェンで7に減らせる
化学療法は1%もないほど重なっている結果でした。
結果を見ながら
『低リスクでも再発は0では無いですから』と一言で
タモキシフェン(ノルバデックス)の一か月分を処方して下さりその日の診察は終わりました。
1か月服用し受診の日が来ました。
少量の性器出血・吐き気・首を絞められているような首の痛みと
服用して4~5時間後におきる目の充血を話しましたが
不正出血は婦人科へと言われ3か月分の処方をもらい帰宅しました。
4月の初めに子宮筋腫の経過観察のために通っています
婦人科で子宮頸部と体部のがん検査をいつもより
時期を早めていただき結果は陰性でほっとしました。
内膜は少し厚くなっていますが筋腫は大きくなっていませんでした。
現在の体の状態は
服用を始めて2か月生理がありません。
服用前は26~30の周期で毎月生理がある状態でした。
吐き気・首の痛み・下腹部のひきつる感じがひどい時には薬を飲めず、
飲まずにいると2~3日で吐き気や首(特に喉の痛み)は和らぎます。
本来ならまず受診している病院をたずね
担当の先生に話すべきだとわかっているのですが・・・
どうしても田澤先生にご意見をうかがいたくて質問
させていただきました。
先生のご意見をうかがうことができましたら
また頑張れそうな気がします。
いつも、こちらのQ&Aに救われています。
感謝です。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「無駄な抗がん剤」を回避することができて幸いでした。
それにしても「Oncotype DXの結果をみても」(担当医に)抗がん剤に未練があるとは…
「服用を始めて2か月生理がありません。」「吐き気・首の痛み・下腹部のひきつる感じがひどい時には薬を飲めず、飲まずにいると2~3日で吐き気や首(特に喉の痛み)は和らぎます。」
⇒タモキシフェンの副作用が強くでていますね。
一度休薬すべきです。
その上で「すっかり副作用が治まったら」ゆっくり再開すればいいのです。
質問者様から 【質問3】
管理番号 1996
田澤先生、いつも質問に対する先生のお答を読ませていただいています。
再発や転移の心配で動揺してしまう時にも、
質問されている方々と共に頑張っているような気持ちになります。
理解できることや安心をくださり、ありがとうございます。
タモキシフェンの副作用が強く服用を休止していますが
体調が良くなるのと同時に生理の周期が元にもどってきました。
担当の医師(先生)から、卵巣機能抑制のゾラデックスを試したらと言われました。
ホルモン強陽性の生理があるのはあまり良くないとの事でした。
Q&Aを拝見するとゾラデックス単独の治療は無いように思うのですがどう解釈すれば良いのだろうかと悩みます。
今回、先生にお訊ねしたいことは、
①ゾラデックス単独の治療はありますか。
②その治療を受けた場合、どのような効果と副作用が
あると思われますか。
③治療をする前にFSH値・LH値・E2値などの
血液検査はしなくてもいいのでしょうか。
④術後1年目の検診はマンモグラフィーとエコーですが
希望であれば全身のCTを撮ることも出来ますと言われました。
田澤先生は術後1年ではどのような検査をされますか。
こんなに遠方に住んでいないなら何としても田澤先生に診て頂きたい衝動が湧いてきます。
勝手に質問を送り先生を頼りにしてばかりで申し訳ありません。
いつもいつも感謝しています。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「①ゾラデックス単独の治療はありますか。」
⇒通常は行いません。(エビデンスがありません)
しかし、「タモキシフェンが(副作用等で)できない」場合には「LH-RHagonist単独」も行います。
「②その治療を受けた場合、どのような効果と副作用が あると思われますか。」
⇒効果:再発予防効果(エビデンスに乏しいですが)
副作用:のぼせ、関節痛
「③治療をする前にFSH値・LH値・E2値などの 血液検査はしなくてもいいのでしょうか。」
⇒不要です。
「④術後1年目の検診はマンモグラフィーとエコーですが 希望であれば全身のCTを撮ることも出来ますと言われました。」
⇒CTは不要です。
「 田澤先生は術後1年ではどのような検査をされますか。」
⇒マンモ(1年に1回) エコー(3カ月に1回) 採血(3カ月~6ヵ月に1回)です。
CTやシンチは止めましょう。(無駄な医療被曝です)
質問者様から 【結果4 2015年11月の手術後】
性別:女性
年齢:52歳
病名:浸潤性乳管癌(硬癌)
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
2015年9月 人間ドックにて要再検査
〃 11月 手術
乳癌をよく知らない状態で手術を終え、
その後色々な悩みが生じてきました。
田澤先生の乳がんプラザが無かったら
現在、こうしていられなかったと思います。
最後の質問の後、術後1年の検査をしていただき転院しました。
転院先にてリュープリンを2018年5月まで。
時々少量の出血があり、左下腹部の痛みも出ました。
3歳下のいとこが卵巣がんで手術した頃で心配になり、CTをお願いしましたところ
左の卵巣が腫れていて(卵巣嚢腫)と診断されリュープリンも中止になりました。その後卵巣の腫れは小さくなってきています。
子宮筋腫はリュープリンで小さくなりました。
自分の体の弱さに不安があったのですが、
こういう事ばかりおきて、無治療の状態に
時折、何とも言えない不安が出て落ち込みますが、現在はやれるだけの事はやったと思っています。このままちゃんと閉経が確認できたら閉経後の薬を服用予定です。
余裕で結果をお知らせしているように見えるかもしれませんが、田澤先生の乳がんプラザのQ&Aは私の御守りような気持ちです。
どれだけ助けられているか・・・。
心からありがとうございます。
手術をした私が言うのも・・・ですが、
いつも元気でいてください。
そして、先生にいつも感謝しています。
<Q&A結果>