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術前化学療法について

[管理番号:6855]
性別:女性
年齢:31歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:

術前化学療法について、
しこりの大きさ2.1cmリンパや他の臓器等に転移は今の所なし。
の浸潤性乳管癌と診断されました。

医師からは進行が早い乳がんと言われています。

31歳で結婚していないことから卵巣凍結の予定です。

ですがエコーで大きさを確かめながら卵巣凍結していく予定です。
大きくなったりしたら卵巣凍結は諦め化学療法に入る予定。

術前化学療法を勧められ、先に卵巣凍結してから化学療法に入る予定なのですが、先に手術しないでいいのか心配です。

主治医に進行が早い癌なので先に手術はダメなのか聞いたところ術前化学療法のほうがいいとのことです。

エコーで大きさを確かめながら進めていきましょうとのことですが、
私の場合、術前化学療法が最適なのでしょうか?
また術前化学療法でなくて良い場合、主治医は先に手術してくれそうにないためセカンドオピニオンになるのでしょうか?
今はしこりが痛み心配です。
しこりが痛いと転移のリスクが上がるとかあるのでしょうか?
針生検の結果は以下の通りです。

NSAS Grade3
nucleara score3 mitosis8/10HPF(22F.N)
score2

M-SBR GradeI ( II )
Tubule formation score2
Nuclear pleosmorphism score3
Mitotic counts score 1

ER:0% PgR:0% HER2:+1+(2+〈10%)
MIB-1 index:80%
先生の意見をお聞きしたいです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

結論からいうと、「術前化学療法を行う理由がない」

「術前抗がん剤ありき」の医師達が世の中に存在することは(このQandAをやっていると)身に沁みて解ります。
それらの「術前抗がん剤好き」達が、それらを行う理由として
 1.リンパ節転移がある。
 2.トリプルネガティブである。
 3.HER2陽性である。

 上記3つのどれかに当てはまると「術前抗がん剤をしたがる」ようです。(質問者は2に相当します)

しかし、本来の抗がん剤の目的は「再発率を下げる(生存率を上げる)」ためにあります。
 抗がん剤は「術前に行っても、術後に行っても」再発予防効果は一緒(差が無い)なのです。
 つまり、「本来の抗がん剤の目的」から「術化学療法をゴリ押し」することは全くの誤りなのです。

★そして(抗がん剤の本来の目的ではありませんが)「術前に行う(術前化学療法)」唯一の目的は「(術前に)小さくして温存」なのです。
それ以外の(上記1~3などの)理由は、誤りです。

★質問者は「2.1cm」なのだから「小さくして温存を狙う」理由もない(そのままでも温存できる)わけだから、当然「手術先行」でいいのです。