Site Overlay

術前抗がん剤について

[管理番号:5274]
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生のQ&A等の活動に心から感謝申し上げます。
初めて質問させて頂きます。
よろしくお願い致します。
今年4月に左乳がんを告知され組織診の結果が下記になります。
ER  80% 陽性
PgR 90% 陽性
HER-2 陰性
MIB-1 陽性率20%
ルミナールA 
腫瘍の大きさ 3.0cm×2.2cm
腋下リンパ節転移有り
腫瘍が乳頭に近いため術前抗がん剤+温存手術の治療を6月から始めました。
抗がん剤 EC療法 3週間ごと4サイクル+ドセタキセル 3週間ごと4サイクルで
現在EC療法3サイクルを終えたところです。
質問①抗がん剤1サイクル目から現在まで触診のみでエコーを行ってくれません。
    担当医は毎回「柔らかくなっているから大丈夫」と言うのみ。
    3サイクル目の診察で「腫瘍が小さくなっているのか判らないのでエコーを
    お願いしたい」と伝えたが「今やっても無駄。4サイクル目が終了したところで
    エコーしましょう」と。
    柔らかくなっている=腫瘍縮小傾向? 柔らかくなっているなら大きさは関係ないのでしょうか?
質問②術前抗がん剤は腫瘍を小さくして温存が目的ですが、例えば化学療法途中で
    腫瘍が小さくなり温存手術(見た目的に残して大丈夫)が出来るのであれば、
    抗がん剤途中で中止して、温存手術へ切り替えることは可能でしょうか?
    
    担当医に聞いたところ「それは出来ない。仮にEC療法4サイクル目で辞めたら65%の効果しか
    残らない。
保険(健康保険)で治療を受けているんだから最後まで抗がん剤受けて下さい」
    「ルミナールAですが抗がん剤の効果はあまりないのでは?」
    「ルミナールAでも効果は少なからず有るので受けて下さい」と言われました。
    
質問③腋下リンパ節に転移が有るのですがこの場合、術前でも術後でもどちらにしても
    抗がん剤は必要でしょうか?
    担当医は抗がん剤は必要というので、本来全摘手術が希望と伝えていましたが
    抗がん剤はすると言われ、それなら温存で治療をしていこうと考えを変えた経緯があります。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
以下の2点で私の診療とは全く異なっており、「コメントがまことに困難な状況」と言えます。
1.術前抗がん剤は「小さくして温存」が唯一の目的である。
2.ルミナールAであれば抗癌剤は行わない可能性が高い。
「腫瘍が乳頭に近いため術前抗がん剤+温存手術の治療」
⇒全く意味不明です。
 たとえ(小さくなっても)位置的に「温存できない」可能性があります。
 ♯画像上「見えなくなったから取らなくてもいい」など、とんでもないことだからです。
「柔らかくなっている=腫瘍縮小傾向? 柔らかくなっているなら大きさは関係ないのでしょうか?」
⇒それ程術前抗がん剤が好きなら(担当医に向けて、コメントしています)
 責任をもって「3週間に1回は自分でエコーで確認」が最低限のマナーです。

「腫瘍が小さくなり温存手術(見た目的に残して大丈夫)が出来るのであれば、
  抗がん剤途中で中止して、温存手術へ切り替えることは可能でしょうか?」

⇒可能です。
「腋下リンパ節に転移が有るのですがこの場合、術前でも術後でもどちらにしても抗がん剤は必要でしょうか?」
⇒腋窩リンパ節転移は「抗癌剤」とは無関係です。
 
 あくまでも「サブタイプ」で決めるのです。