Site Overlay

術後の全身治療について

[管理番号:8002]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生はじめまして。
本日は治療のことで悩んでおり相談にのっていただきたくご連絡いたしました。

私は今年40歳になり、出産経験はありません。
先日結婚いたしました。

今年になり6ミリの浸潤がんが左胸に見つかり、9月に部分切除で手術を受けました。
本日から放射線治療に入ります。

以下、私の病理検査結果です。

センチネルリンパ 転移なし
断片近くにIDC←この部分は集中して放射線をあてるそうです。

浸潤がんのサイズ 6mm
グレード1
脈管侵襲 リンパ管0 血管0
ハーツー 0
ER+90% PR+90%
Ki67 8.2%

治療方針についてですが、私は全身治療があるものと思い込んでおりました。
(6mm程度の浸潤がある方は、情報を探す限り全身治療を受けられている方しか見つけることができなったからです。)
最初に主治医に病理検査結果をうかがった際、ホルモン療法は△だといわれました。
「ホルモン療法は強く勧める結果ではないし、新婚さんで妊娠娠を希望するなら年齢的にも放射線治療後は無治療という選択肢でよいと思う。
私の娘だったら出産しているから、ホルモン療法をやらせてみて、きつかったらやめたら?という程度だ。
ホルモン療法をする場合は、ノルバデックスを服用するだけで注射はなくてよい。だから、考えてみて。」とのことでした。
私たち夫婦はそれを受け、妊娠を希望するかどうかで治療方針が変わってくると理解し、話し合った末、40歳での妊娠自体が基本的に難しいこと、妊活をするとその後の定期検査でCTなど受けられない、せっかく早期に乳がんが見つかったのだから再発を少しでも防ぐために全身治療を行う、とのことでホルモン療法を受けることに決めました。
その際、ki67の数値をうかがったところ、核グレードが1だったから調べてないけど気になるなら調べると言われ、後日また診察に伺い、ki67が8.3%であると告げられました。

 その後日の診療日に、ホルモン療法を行いますと言おうとした矢先、
次は半年後の診察でよいといわれ、ホルモン療法は?と聞くと、必要ないといわれました。
ki67の数値が低かったからなのか、急に先生のおっしゃっていることが変わった気がして、食い下がってみたのですが、「あなたがホルモン療法をしたいというのなら保険を使ってやる権利はあるけど、僕はこの結果なら必要ないと思うし、仮に出産している方に対しても同じことを言うと思う。」ということで、今のところ放射線治療後は無治療ということになりました。
12月半ばに術後3か月を迎えますので、その時までにもう一度考えを整理して、ホルモン療法を希望する場合は先生にその旨をお伝えしたいと思っています。

 田澤先生は、私の病理検査結果をご覧になってどのように判断されますか?
微小転移、タンポポの綿毛のように~、といったような単語を色々なところで見てしまい、そう考えたときに6mmの浸潤がんが全身治療をしなくてもいいくらいの小さなものとは思えずにいます。
0.12mmというクラスだと主治医に無治療だと告げられた方もいるようですが、それでもその方は無治療でよいのか悩まれておられたみたいです。

 選択の期限が迫っております。
ご教授くださいますよう何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

6mmの浸潤癌で『断片近くにIDC』というのは??(質問者の書き間違い?)

6mmの浸潤癌の周りに「非浸潤癌の拡がりが周囲に広範囲であり、非浸潤癌で断端陽性」なら理解はできますが…

「せっかく早期に乳がんが見つかったのだから再発を少少しでも防ぐために全身治療を行う、とのことでホルモン療法を受けることに決めました。」
→という結論に達している患者さんに「ホルモン療法はしません」というのは如何なものか?

 確かに6mmでは「遠隔転移再発率は低い」とは思いますが、医師としては勧めるべきでは?(私の場合には5mm以下で「省略するオプションありますよ」程度にしています)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

術後の治療方針等について(管理番号8002の続き)
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生、管理番号8002で6mm浸潤癌の全身治療について質問をした者です。
ご丁寧にご回答いただきありがとうございました。
また質問をさせてください。

先生より、「6mmの浸潤癌で、『断片近くにIDC』というのは?(質問者の聞き間違い?)」とありましたが、病理検査結果を記載した用紙に主治医の字で、「断端近くにIDC(12°)」と書いてありましたのでそのように書きました。

ところがその後の放射線治療で、放射線科の先生から左胸全体に25回+断端付近にがんがあった箇所にブースト照射5回の計30回(総線量60?)で治療すると説明あった際、唐突に「がんが偶然もう1つとれたんだね」と言われ、現在非常に混乱しています。
紹介状に入っていた病理検査結果の紙をPCで見ながら説明を受けたので、自分のデータだと無理を言いその紙のコピーをいただきました。
以下、転記します。

(印刷の状態が悪いため、誤字等ありましたら申し訳ありません。)

#1 Invasive ductal carcinoma,left breast
#2 No metastasis,lymph node n(-) [SLN 0/2(0SNA)]
Tubule forming type,浸潤部腫瘍径 6mm 脂肪浸潤なし
Nuclear grade 1(nuclear atypia score 1,number of mitotio figure score1); Histological grade:Grade Ⅰ(tubule formation score 1, nuclear atypia score 1,mitotic counts score1)
Ly(-),v(-) (ly0,v0)
ER(+:90%以上) PgR(+:90%以上)、HER-2(スコア0)
中心部の病変は6×4mm大(標本4,5)で、拡張乳管を中心とする小葉状構造を示しています。
筋上皮細胞は保たれており、悪性の所見はありません。
断端近くの標本1に4×6mmの結節性病変があり、筋上皮細胞を欠いたinvasive carcinomaの所見でした。
乳腺外方向(1時方向)の断端は不明です。
他の断端は非腫瘍性です。

質問です。

①上記には、「中心部の病変は~悪性の所見はありません」「断端近くの~invasive carcinomaの所見でした」とあるのですが、結局癌が2個あったということなのでしょうか?それとも中心部の病変は癌ではなく、癌は断端近くのもの1つだったということでしょうか。

②断片近くの癌について、断端不明とは、断端陽性とも言えないがマイナスとも言い切れないということでしょうか?(主治医と放射線科の先生は断端マイナスと言っていました。)非腫瘍性というのは、断
端に浸潤癌があったかどうかは不明だが非浸潤がんはあったという意味でしょうか?
③もし癌が2つだった場合、6×4mm、4×6mmの浸潤癌、ということは、合計すると1センチです。
これでホルモン療法なしの選択は通常あり得るのでしょうか。
また、同じ性質の癌と考えてよいでしょうか?
私のステージはⅠのままなのでしょうか?
④私はすでに、部分切除→放射線治療を行っている最中ですが、断端不明と知って本来は追加切除すべきだったのか、最初から全摘するべきだったのか、非常に不安です。
主治医からは断端陽性にならないように、術中に病理検査?にかけて癌を切除できていると連絡があってから手術を終わらせていると聞いています。
乳房温存術の大前提として『もし乳房内再発したら、乳房を全摘することで(最初から全摘を選択した場合と)予後は変わらない』と先生に教えていただきましたが、仮に今回取り残しがあり放射線治療で根絶できなかった場合、いきなり転移としてどこかに現れるのではなく、乳房内再発→(残存)
「乳房全摘」を行うことで足る、と考えてよいでしょうか。
また、取り残しがあったとして、ホルモン療法を行っている場合と行っていない場合の再発の有無は関係するのでしょうか?
⑤もし癌が2つあった場合、術前検査は何だったのだろう、断端不明の癌だけでなく実は他にもあるのではないか、温存でよかったのか等不安が尽きません。
他にも癌があった場合、ホルモン療法を行うことで根治または進行を抑えることはできますか?
⑤田澤先生は、この経過と結果をご覧になり、どのようなご判断をされますか?(再手術か、ホルモン療法か(その場合は飲み薬だけでよいのか、注射も必要か)、全身治療なしか。)

お忙しいところ色々と伺って申し訳ありませんが、何卒ご教授くださいますようよろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①上記には、「中心部の病変は~悪性の所見はありません」
「断端近くの~invasive carcinomaの所見でした」とあるのですが、結局癌が2個あったということなのでしょうか?それとも中心部の病変は癌ではなく、癌は断端近くのもの1つだったということでしょうか。」

→たしかに、文面をみると「中心部の病変は癌ではなく」断端近くが本物のようです。

「②断片近くの癌について、断端不明とは、断端陽性とも言えないがマイナスとも言い切れないということでしょうか?(主治医と放射線科の先生は断端マイナスと言っていました。」
→断端陽性の所見はないが、「本物の腫瘍(浸潤癌)が、あまりにも端にある」ので、「そちら方面に本当に癌が無いのか?」判断がつかないというニュアンスなのでは(病理医としては)

「③もし癌が2つだった場合、6×4mm、4×6mmの浸潤癌、ということは、合計すると1センチです。」
→そもそも、ステージは「最大浸潤径であり、足し算ではない」ので全く当て嵌まりません。
 ただし、今回のケースでは中心部は癌ではないように(記載からは)読み取れますが…(どちらにしても最大径6mmは不変です)

「仮に今回取り残しがあり放射線治療で根絶できなかった場合、いきなり転移としてどこかに現れるのではなく、乳房内再発→(残存)「乳房全摘」を行うことで足る、と考えてよいでしょうか。」
→その通りです。

「また、取り残しがあったとして、ホルモン療法を行っている場合と行っていない場合の再発の有無は関係するのでしょうか?」
「他にも癌があった場合、ホルモン療法を行うことで根治または進行を抑えることはできますか?」

→無関係。(局所「治療(この場合は手術)」の借りを全身「治療」で返すという発想は止めましょう)

「⑤田澤先生は、この経過と結果をご覧になり、どのようなご判断をされますか?(再手術か、ホルモン療法か(その場合は飲み薬だけでよいのか、注射も必要か)、全身治療なしか。」
→まず物事を複雑にこね回すのは止めましょう。

 シンプルに、局所は局所であり(つまり、この場合にはホルモン療法をどうするのか?は無関係)
 
 ★やるとしたら「乳腺外方向(1時方向)の断端は不明です」の部分を追加切除したらいいのでは?(そのことと、ホルモン療法は無関係)
  もしも、やらないのであれば、定期的にエコーしてもらえばいいでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

術後の病理検査結果と全身治療について
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生こんにちは。

管理番号8002で6mmの浸潤がんについて質問した者です。

病理検査結果の内容を詳しくお教えくださりありがとうございました。

田澤先生からがんが1つと言っていただけて非常に安心し、後日放射線科の医師にも診察中にがんは1つでしたと訂正もありました。

局所、全身を分けて考えなければならないことがよくわかりました。

お教えいただきありがとうございました。

再度質問させていただきます。

①手術で切除された箇所ですが、なぜ「標本の真ん中にがんと同じ大きさの良性のしこり?があり、端に本丸のがんがあった」のか不信感でいっぱいです。
部分切除は難しく肉眼では分からない、病巣が広がっていた等よく聞きますが、それではなぜ、標本の真ん中にしっかりと良性のしこりがあったのか不思議です。
放射線科の先生は、結果的に間違ってはいましたが、「中央の病変を取ろうとして偶然端の方にも1つ取れたような感じ」とおっしゃっていました。
そのように感じるような標本だったのだろうと思いますし私も不自然に感じています。
まるで真ん中のしこりが切除すべきものであったかのような取り方に思えます。

私の主治医(執刀医)は経験豊富な方ではありますがお忙しく、乳房全体のエコーはエコー技師さんが、病変周辺のエコーは主治医でないB医師がしており、術前のマーキングもB医師がしました。
(ただ、私のがんを最初に見つけてくださったのもB医師です)
主治医は私の知る限り術前エコーをしておりませんので、もしかして、同じような位置なある同じ大きさの良性のしこりをがんと間違われてB医師にマーキングされた?と考えるようになりました。

断端マイナスと言われ安心していたところで、放射線科の診察から断端不明と知るところとなり、前ほど病院を信頼できる状況にありません。

田澤先生はこの標本の結果を見て不自然に思われますか?こういうこと(とってみたら真ん中に良性のしこりがあって、端の方にがんがあった)はよくあることなのでしょうか。

②この標本が不自然だったとして、主治医に言ってみたところで手術の文句になりますので、私が追加切除を望まない限り、言えば関係悪化になるだけだと感じています。
断端近くにがんがある説明は受けましたし、放射線のブースト照射も行っている最中、再びメスを入れることにも躊躇しておりますのでこのままいこうかと思っています。
この点について田澤先生はどのように思われますか。

③話変わって全身治療の件です。
当初ホルモン療法を行うつもりでおりましたが、主治医にいらないと言われ、悩む過程において楽な方向に気持ちが傾いてしまいました。
また、主人も実は子供が欲しいと思っていることがわかり、再発低リスク群であることを考えてホルモン剤を飲まずに半年から1年くらい妊活を頑張ってみてダメなら再発が怖いからすぐにホルモン剤を飲むのはどうかという話を夫婦でしているところです。
私の病理検査結果でこのような選択をすることについて、田澤先生はどのように考えられますか?半年~1年後でも飲まないよりは飲んだ方が再発率は下がるでしょうか?
私の場合、手術で再発率が10~20%→放射線治療後5%→期間内にホルモン療法を開始すれば2.5%になると聞いています。

お忙しいところ色々お伺いして申し訳有りませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「田澤先生はこの標本の結果を見て不自然に思われますか?こういうこと(とってみたら真ん中に良性のしこりがあって、端の方にがんがあった)はよくあることなのでしょうか。」
→勿論、通常はあり得ないことです。(質問者と同様の想像をしてしまいます。
 無論真実は解りません)

「放射線のブースト照射も行っている最中、再びメスを入れることにも躊躇しておりますのでこのままいこうかと思っています。
この点について田澤先生はどのように思われますか。」

→ご本人が納得の上であればいいでしょう。(その替り、きちんと責任をもってエコーをしてもらうことです)

「ホルモン剤を飲まずに半年から1年くらい妊活を頑張ってみてダメなら再発が怖いからすぐにホルモン剤を飲むのはどうか」
→妊娠出産希望なら…

 当然そうなるし、私も賛成します。



質問者を『応援しています!』 / 田澤先生の回答が『参考になりました!』
という方はクリックしてください。
0
Scroll Up