[管理番号:8738]
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性入管癌
症状:
投稿日:2020年7月14日
宜しくお願いします。
昨年、アメリカで左乳房温存手術を受け、ホルモン治療中です。
術後10ヶ月でマンモグラフィーを撮影したところ、手術痕の近くに微細石灰化が写りました。
その時点では、BI-RADS 4B悪性の可能性は10-15%と言われ、ST-MMTで調べることになりました。
しかしST-MMTの当日に石灰化の位置確認をしたところ、大胸筋を刺さなければいけないので、今日はマントーム生検は出来ないと言われ、中止になりました。
後日、執刀医からの説明で大胸筋の中に石灰化があるようです。
執刀医は、石灰化のある場所は腫瘍のあった真下にあり、その部分の乳腺組織は大胸筋ぎりぎりまで取っているので局部再発の確立はごくわずかなので、6ヶ月の経過観察になりました。
手術後病理結果
Invasive ductal carcinoma
腫瘍サイズ 15mm
グレード 1
ステージ 1
Ki-67 <10%
ルミナールA
断端 陰性
深部マージン 5mm
1.大胸筋に石灰化が起こる事はあるのでしょうか?
2.このまま6ヶ月の経過観察でいいのでしょうか?
MRIは意味がないと言われました。
何卒宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「手術痕の近くに微細石灰化」「ST-MMTの当日に石灰化の位置確認をしたところ、大胸筋を刺さなければいけないので、今日はマントーム生検は出来ない」「執刀医からの説明で大胸筋の中に石灰化」
⇒実際にマンモを見ていない私の判断ですが…
この石灰化は大胸筋内ではなく、(そこに)ギリギリ接した乳腺内にあると思います。
★(大胸筋に接しているから)①「ST-MMTでその部分に針を刺すと、針先が大胸筋内に刺さってしまう」ことと②「石灰化が大胸筋内に存在する」こととは全く異なります。
つまり事実は①であり、それを担当医は②として説明しているように思います。
それは「石灰化のある場所は腫瘍のあった真下にあり、その部分の乳腺組織は大胸筋ぎりぎりまで取っている」という、まさに「乳腺の断端部そのもの」なのだと思います。
「1.大胸筋に石灰化が起こる事はあるのでしょうか?」
⇒マンモで要精査となるような微細石灰化はおこしません。
「2.このまま6ヶ月の経過観察でいいのでしょうか?」
⇒胸壁(大胸筋)に近すぎて(ST-MMTが)できないという判断なのであれば、外科的生検すべきでしょう。
担当医自身が、「腫瘍のあった真下でぎりぎりまで取っている部位=(つまり)断端部位」となると、『そこ』こそ、乳房内再発高リスク部位なのです。
「 MRIは意味がないと言われました。」
⇒これは、その通り。無意味