[管理番号:1382]
性別:女性
年齢:55歳
はじめまして。いつもQ&Aを拝見し、考えさせられ元気を頂いています。
今回は田澤先生の見解を頂きたく、宜しくお願いいたします。
8月末日(術後43日)です
左乳房温存手術+腋窩廓清術を行いました。センチネルリンパ節生検で2個転
移が見つかりました。そのためレベル1 廓清し、そちらに転移はありませんでした。
病理レポートは次の通りです。
ER+100% PR+70% HER2 score1
組織型 硬癌 腫瘍の大きさ 浸潤部9×6mm
浸潤の範囲 g,f 脈管侵襲 ly1,v0
核グレード グレード1 組織形態 low
切除縁 断端露出なし
ki67表示はありませんでした。 針生検の時は19%でした。
現在ホルモン療法(レトロゾール)を開始しています。放射線療法はもうすぐ始まります。
病理組織診のコメントより異型細胞が見られることから、補助療
法として、主治医より抗がん剤(TC療法)を勧められました。思いもよらず、
提案されたのでその場で質問などかんがえられず悩んでしまいました。
医師からは他の病院でも(医師間)でも意見が半々になるでしょうといわれました。
できるなら化学療法したくありませんが、再発、転移を考えると不安になります。
ホルモン剤と放射線だけでは不十分でしょうか?
田澤先生ならどのような治療を提案しますか?よいアドバイスを頂けましたら
ありがたいです。
お忙しいところ大変申し訳ありませんが宜しくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容を見ました。
明らかなルミナールA しかも浸潤径が9mm 「ホルモン療法が有効」です。
○それでは「ルミナールAで化学療法を加える」基準は?というと
St.Gallen 2015では
「リンパ節転移が1-3個では抗がん剤は不要」65%
「リンパ節転移が4個では抗がん剤すべき」91%
この事から、「質問者はホルモン療法単独」でいいと思います。
回答
「ホルモン剤と放射線だけでは不十分でしょうか?」
⇒不十分ではありません。
十分だと思います。
「田澤先生ならどのような治療を提案しますか?」
⇒わたしであれば、抗がん剤はせず(全身療法としては)「ホルモン療法単剤」とします。
勿論「温存術だから、局所療法としての放射線照射は行います」
つまり「ホルモン療法(全身療法)+術後照射(局所療法)」となります。
質問者様から 【感想2】
自分の気持ちが整理できる方向へとお力を頂きました。
今、できる事、やるべき事(ホルモン療法、放射線療法)をしっかり治療して行きたいと思います。
一歩前進できたこと事をありがたく思います。
先生の助言を励みに今後の治療に生かしたいと思います。
心より感謝申しあげます。