[管理番号:3126]
性別:女性
年齢:39歳
初めて質問させていただきます。
よろしくお願いします。
右乳房切除術およびセンチネルリンパ節生検をしました。
術後の補助療法について、お伺いします。
病理の結果
・浸潤性乳頭腺管がん
・浸潤径 8mm その他に1mm程度の浸潤部が2か所
・リンパ節転移 なし
・ER、PgR 共に強陽性
・HER2 1+(陰性)
・脈管侵襲 軽度
・核グレード 2(核異形度2、核分裂像2)
Ki-67は、測定されていません。
主治医は、核グレードが2なので、抗がん剤を考慮に入れてもいいリスクだと言っています。
ただ、抗がん剤の上乗せは数%で、その数%をどう捉えるかは患者さんごとに違うから、抗がん剤をやるかやらないかは患者さんの意志が尊重されるべきとのことでした。
主治医個人の考えとしては、抗がん剤をしない方にやや振れるというような表現でした。
ホルモン療法については、タモキシフェン5年とリュープリン2年(延長もあり)と説明されています。
抗がん剤をやるのであればCEF(3週毎4回)のようです。
Ki-67の数値が測定されていないので、ルミナールAなのかBなのか分かりません。
仮にルミナールBだったとしても、田澤先生の「今週のコラム20回目lumianl Bでは抗ガン剤の適応があるとはいえ、十分な早期では「必要がない」ことは統計データが物語っているのです」にあるように、ルミナールBでも早期であれば、抗がん剤は必要ないことに、私の場合はあてはまるのでしょうか。
また、生存率と再発率(ホルモン療法、抗がん剤の上乗せ率も併せて)を教えていただけないでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, luminal, NG2
十分な早期癌です。
○私から見ると問題点がいくつか見られます。
①Ki67を測定していない。
これは、一般常識として問題があります。
luminalAでは「術後化学療法による上乗せ効果がない」ことが解ってきています。
NG2を「化学療法の根拠」とするなど、「全く問題外」です。
②タモキシフェン5年とLH-RH2年
これも、非常に古い考え方(10年前?)です。
質問者が30歳代だから「LH-RHagonistを勧める」のはいいとしても、現在は「5年間」が一般的(質問者が30歳代であることを考慮すれば尚更のこと)
③CEFを4クール
「アンスラサイクリン」と「タキサン」のうち、どちらを使うかですが、「TC>AC」という結果が出ている以上(2007 SABCS)CEFを4回というのは「如何にも前時代的」と言えます。
「仮にルミナールBだったとしても、田澤先生の「今週のコラム20回目 lumianl Bでは抗ガン剤の適応があるとはいえ、十分な早期では「必要がない」ことは統計データが物語っているのです」にあるように、ルミナールBでも早期であれば、抗がん剤は必要ないことに、私の場合はあてはまるのでしょうか。」「 また、生存率と再発率(ホルモン療法、抗がん剤の上乗せ率も併せて)を教えていただけないでしょうか」
⇒
質問者様から 【質問2】
前回は、回答をいただきありがとうございました。
(管理番号3126)
抗がん剤の上乗せも僅かと分かり、
タモキシフェンとリュープリンによる治療を始めています。
ただ、Ki-67が測定されていなかった(ルミナールAかBか分からない)ことが気がかりです。
きちんとKi-67を測定してもらって、ルミナール
Bだったら抗がん剤をやった方が良かったのでは、と今更ながら考えてしまいます。
そんな中、管理番号3224:「術後の治療法について」で質問された方が私の状況に良く似ていて、その質問への田澤先生の回答「pT1b、luminalであれば余程Ki67が高いとしても化学療法は勧めずにむしろLH-RHagonistの併用を勧めるでしょう」を心のよりどころにしています。
このまま、タモキシフェンとリュープリンによるホルモン療法のみを継続して良いのでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「このまま、タモキシフェンとリュープリンによるホルモン療法のみを継続して良いのでしょうか。」
⇒そう思います。
Ki67を測定していない以上、「データ」からは「ホルモン療法単独が当然」です。