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[管理番号:4524]
性別:女性
年齢:49歳
お忙しい中、このようなQ&Aページをありがとうございます。
いつも励まされております。
先月末に左乳房部分切除とセンチネルリンパ節生検術をし、病理結果がでました。
こちらで勉強させていただいていたのですが、抗がん剤が必要か否か自分では判断できず、田澤先生のご意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。
以下が病理組織診断結果です。
(HER2が2+だった為、FISHの結果待ち状態です)
組織診断
1) Invasive lobular carcinoma, pleomorphic variant, left breast
2) Left axillary lymph node, no metastatic
carcinoma(0/4)
[Sentinel:0/3(H157340), Level Ⅰ:0/1]
組織所見
左乳房 部分切除材料
検体の大きさ:8.5×6×2.5cm
腫瘍占拠部位:左乳腺C領域
腫瘍径(浸潤癌):0.8×0.7cm
腫瘍径(乳管内成分含む):1.2×0.5cm
組織分類:浸潤性小葉癌(pleomorphic variant)
組織学的波及度:g(+), f(+)
脈管侵襲:ly(-), v(-)
切除断端:浸潤成分:陰性、乳管内成分:陰性
参考所見:核グレード2(核異型スコア2点、核分裂像
スコア2点(5個/10HPF))
ER:(PS)5+(IS)3=8,PgR:(PS)4+(IS)2=6,HER2 score2+
(10%以上の腫瘍細胞に不完全な弱陽性像がみられる)ki-67 index:高い所では25%程度
リンパ節:pNO[Sentinel:0/3(H157340),Level Ⅰ:0/1]
UICC(7版):pT1bNOMx StageⅠA
検体の割面では10×9×9mm大の灰白色調充実性腫瘍がみられます。
組織学的には、胞巣状や索状ないし個細胞性に増殖・浸潤する浸潤癌がみられます。
腫瘍細胞の核は腫大し、核クロマチンは粗造となり、核形不整が認められます。
腫瘍には充実性に増殖し、乳管ないし腺房に進展する乳管内成分がみられます。
浸潤癌辺縁にはリンパ濾胞の形成がみられます。
腫瘍細胞はE-Cadherin陰性であり、浸潤性小葉癌と考えられます。
腫瘍のHER2スコア2+と判定され、HER2 FISHを検討中ですので、追って報告いたします。
肉眼的に上記の浸潤癌の近傍には1cm大の結節様の病変が認められますが、組織学的には良性腫瘍といいうる、
境界をもつ病変は確定できませんでした。
背景乳腺は小型の管腔の集簇や、嚢胞状に拡張した管腔、アポクリン化生がみられます。
病理組織診断報告は以上です。
担当の先生はFISHの結果を2週間後に聞きに来るようおっしゃったのみで、今後の治療方針は話しませんでした。
術前には部分切除ののち、放射線とホルモン療法でとの事でした。
FISHが陽性ならば、抗がん剤治療を受けようと思っていますが
浸潤径や浸潤内容、ki67の数値、核グレードのスコアなど、どれも微妙に思え、FISH結果が陽性でも陰性でも抗がん剤治療を行った方が良いのだろうか?と悩んでいます。
先生なら、FISH陽性の場合と陰性の場合で、どのような治療方針となりますでしょうか?
また、FISHが陽性の場合の(ホルモン療法単体の再発率と10年生存率、ホルモン療法+抗がん剤の再発率と10年生存率)確率と陰性の場合の(ホルモン療法単体の再発率と10年生存率、ホルモン療法+抗がん剤の再発率と10年生存率)確率を教えて頂けませんでしょうか。
また、先生は何%の上乗せがあれば抗がん剤治療をする価値があると思われますでしょうか?
以上、長々と申し訳ありません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
FISHが陽性ならば「抗HER2療法は考慮」(浸潤径8mmだから必須でさえな
い)しますが、(質問者は微妙としていますが)私なら「FISH陰性ならば抗ガン剤を勧めることは絶対にありません。」
「浸潤径や浸潤内容、ki67の数値、核グレードのスコアなど、どれも微妙」
⇒どこが微妙なのでしょうか?
 「8mmの浸潤径」「Ki67=25%」「核グレード2」どれも抗癌剤を勧める根拠には程遠いところにあります。
「FISH結果が陽性でも陰性でも抗がん剤治療を行った方が良いのだろうか?と悩んでいます。」
⇒私には悩む理由がわかりません。
 (FISH陰性ならば)ルミナールAとして文句なく「ホルモン療法単独」でしょう。
「先生なら、FISH陽性の場合と陰性の場合で、どのような治療方針となりますでしょうか?」
⇒「FISH陽性」なら、(浸潤径8mmだから)強くは勧めませんが、「抗HER2療法の話」は当然行います。
  その場合は「low riskレジメンとして非アンスラサイクリンレジメン」とします。(TC+HERもしくはweeklyPTX+HERなど)
 「FISH陰性」なら、「文句なし」で「ホルモン療法単独」です。
「また、FISHが陽性の場合の(ホルモン療法単体の再発率と10年生存率、ホルモン療法+抗がん剤の再発率と10年生存率)確率と陰性の場合の(ホルモン療法単体の再発率と10年生存率、ホルモン療法+抗がん剤の再発率と10年生存率)確率を教えて頂けませんでしょうか。」
⇒HER2陽性の場合は3年での数値しかないことを了解ください。
 FISH陽性の場合     3年再発率    3年生存率
ホルモン療法単独        6%       99%
ホルモン療法+抗HER2療法  3%       100%
 FISH陰性の場合     10年再発率   10年生存率
ホルモン療法単独        11%      95%
ホルモン療法+抗癌剤       7%      96%
「また、先生は何%の上乗せがあれば抗がん剤治療をする価値があると思われますでしょうか?」
⇒8%前後です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、先日はご回答下さり誠にありがとうございます。
先生のお言葉を胸に検査結果を聞きに病院へ向かいました。
FISHの結果は陰性でしたので、ホルモン療法のみでと伝えました。
担当医からはki67 25%である事とグレードが2である事からオンコタイプ検査を勧められました。
担当医にオンコタイプ検査はルミナルAの人こそ受ける検査と言われました。
また、Ki67が高い所で25%なので平均はもっと下がりますよね?とお訪ねしたところ、高い所で考えるものだとおっしゃいました。
ルミナルAの人こそと言われ、戸惑いましたが
田澤先生から「FISH陰性なら絶対に抗がん剤は勧めない、悩む理由がわかりません」とご回答いただいた事、
コラムに掲載されていたオンコタイプ結果の表でki67
25%の私は80%の確率で高リスクにならない事実を信じて、オンコタイプ検査も断りホルモン療法単独と決める事ができました。
担当医に術前には放射線とホルモンと言われてましたので、針生検の結果はHER2は陰性だったのだろうと思い、
針生検の結果を見せて頂きました。
HER2 0でした。
これも抗がん剤を断る強い後押しになりました。
担当医は「術後の検査こそ信憑性があります」との事でしたが、こちらで田澤先生の見解を読んでおりましたので、針生検HER2 0の結果に安心する事ができました。
ホルモン療法はタモキシフェン5年から10年との事で、
先週よりタモキシフェン20mgの服用を始めました。
オンコタイプ検査を断ったものの日が経つにつれてオンコタイプ検査をした方が良かったのだろうか?と悩み始めました。
田澤先生でしたら、わたしの場合に田澤先生からオンコタイプ検査を勧めますでしょうか?また、
HER2陰性で、田澤先生からオンコタイプ検査を勧める事があるとしたら、どの様な場合でしょうか?
また、ホルモン療法についてですが、主治医に閉経半年ほどなので閉経前のホルモン療法を5年ののち、閉経後のホルモン療法を5年しましょうと伝えられました。
閉経前を5年が長く感じたので主治医に聞いたところ、その方が良いと思いますとの事でした。
田澤先生も同様に思いますでしょうか?
お忙しいところ、申し訳ありません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「田澤先生でしたら、わたしの場合に田澤先生からオンコタイプ検査を勧めますでしょうか?」
⇒勧めません。
 Ki67=25%であれば、(OncotypeDXを行っても)「high riskとなる=化学療法の上乗せがある」可能性は低いからです。
「HER2陰性で、田澤先生からオンコタイプ検査を勧める事があるとしたら、どの様な場合でしょうか?」
⇒『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』を読んでください。(全て書いてあります)
「田澤先生も同様に思いますでしょうか?」
⇒違います。
 
 ○閉経前のホルモン療法中に閉経となった場合には、閉経前のホルモン療法を何年間行おうとも(その時点で)「閉経後のホルモン療法」へ変更して(それから)5年です。
  ♯閉経とは「最終月経から1年後」を指します。
  
 具体的には
 タモキシフェン⇒(最終月経)⇒(1年間はタモキシフェン継続)⇒E2低値を血液検査で確認⇒アロマターゼ阻害剤へ変更(5年間)





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