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術後の治療について

[管理番号:3249]
性別:女性
年齢:49歳
田澤先生 はじめまして。
10年前に豊胸(シリコンバッグ)した胸が乳がんになり
6月中旬に乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘手術を受けました。
シリコンバッグはそのまま残しています。
針生検では非浸潤がんでしたが、術後の病理は浸潤がんトリプルネガティブでした。
幸い浸潤径1.5mmでしたがまだ治療も始まらず気持ちが落ち着かず日に日に悪いことばかり考えてしまい夜も眠れません。
術式は本当にこれでよかったのかという疑問と再発に対する不安でいっぱいです。
田澤先生のご助言をいただきたくメールさせていただきました。
長文になりますがどうぞよろしくお願いいたします。
<経緯>
10年前に豊胸手術(シリコンバッグ)をしてからずっと乳がんの不安がありました。
豊胸後はマンモグラフィ検査も受けられず(バッグ破損の恐れがあるから検査できないと言われました)
エコーではよく見えないから正確な判断ができないと言われ、きちんと検査をしないまま今に至ります。
自業自得とは思いますが乳がん検査できないことはずっと不安だったので検診を受けるためにもシリコンバッグを抜去することを考えていた矢先の今年4月上旬、右胸にしこりを見つけたのです。
ずっと恐れていたことが現実になり恐怖でそれから眠れなくなりました。
マンモができないので豊胸術を受けた美容外科の先生の紹介でMRI専門クリニックでMRIを撮りました。
結果は右乳腺B領域に腫瘤が2か所あり一つは悪性の疑いありで要針生検、もう一つは悪性を疑わずでした。
MRIの画像データと検査報告書を持って美容外科の先生に紹介された大学病院で針生検を受けました。
エコーしながら太い針で4か所組織を取りました。
バシッと音がする検査です。
針生検の結果は非浸潤がんでした。
エコーで3センチくらいのしこりと言われていたので非浸潤の結果は信じられない気持ちでした。
今まで乳がん検診を受けていなかったので乳がんが見つかったその時は進行した状態を想像していたからです。
<針生検の病理診断結果>
臨床診断   右乳Carの疑い
組織診断   Adequate, malignant
Non-invasive ductal carcinoma of the right breast, biopsy
組織所見   右乳腺生検. 高度の核異型低頻度の核分裂像を示す腫瘍細胞が、乳管内に充実性に増殖する像を認める。
標本上間質浸潤は認められない。
非浸潤性乳管がんである。
(核グレード2)
リンパ転移なし、ホルモン感受性は陰性、HER2陰性、Ki67は2 – 3%でした。
トリプルネガティブでしたが田澤先生がいつも非浸潤がんのサブタイプは関係ないと言われているので気にしないようにしていましたが浸潤部分があったときのことを考えるとやはり不安はありました。
そして6月中旬、乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘を受けた結果、浸潤部分があったのです。
主治医は「乳腺全摘してよかった」と言いますが、私は浸潤、非浸潤にかかわらず乳腺全摘しても乳頭温存したことを安心することはできませんでした。
              
それはしこりの位置が乳頭のすぐ内側にあったこと、皮膚のすぐ下だったことがあるからです。
乳頭はできれば残したいですが再発リスクがあるのならやはりリスクはなくしたいという思いで主治医に放射線をかけたい希望を伝えましたが、主治医の回答は「術中に断端にがんがあれば切除するががんはなかったから乳頭を残しても問題ないし、放射線は不要。」とのことでした。
それでも私がしつこく希望すると放射線科の先生と話すように言われ、放射線科の先生に相談したところ乳輪温存皮下乳腺全摘術後でも照射に賛成していただけました。
放射線科の先生は私のようなケースは医師によって意見が分かれるだろう、医師の中には照射不要の考え方もあるが僕は過剰治療とは思わない、と言っていただきホッとしました。
照射範囲についてはエビデンスがないので乳頭だけではなく温存手術後の照射と同じく乳房全体にあてるそうです。
これから放射線治療が始まりますが今になって思うのはもしかしたら私は乳頭切除するべきではなかったのか?という疑問が湧いてきて…もう何がベストの治療なのか考えれば考えるほどわからなくなりました。
田澤先生のご意見をお聞かせいただきたいです。
○乳房全体に放射線照射するのはもしかしたら過剰診療なのでしょうか?放射線をかけた場合、少しでも再発リスクは下がりますか?
○本当は乳頭切除をするべきだったのでしょうか?もしそうならばこれから追加切除したほうがいいですか?
<術後の病理結果>
組織診断
Additional Report
Right Breast cancer, mastectomy
-invasive ductal carcinoma (papillotnbular carcinoma), locus BE, about 5.0 × 1.5cm in size (invasive lesion 1.5mm), pt1, -mastopathy, moderate
組織所見
浸潤巣の最大径は脂肪浸潤部で1.5㎜大です。
pt1に相当します。
上記診断内容に浸潤巣の大きさおよびpt1を追記しました。
右乳頭乳輪温存皮下乳腺切除術
検体は12.8×9.0×0.6cm大、皮膚の付着はみられない。
肉眼的に乳頭直下とされた縫合糸部からB領域に及ぶ役2.7×1.6×0.8cmの範囲で境界不明瞭な腫瘍がみられる。
割面は灰白色調で黄色顆粒状の部分が散見される。
Daughter nodule疑いとされた部分では、径4mm
大の白色結節を認める。
組織学的には別紙図に示す領域に腫瘍を認める。
腫瘍の広がりはおよそ
5.0×1.5cm。
乳管内にて節状?や充実性、comedo状をなして増殖する
部分が主体であるが、部分的には間質浸潤像が認められる
(papillotnbular carcinoma)。
アポクリン化生様の好酸性の胞体を有する腫瘍細胞も見られる。
核異型スコア2点  核分裂像スコア1点 核グレード Grade 1
f (+)(#11),ly (-) , v (-) , surgical cut end (-) LNs /2 (#16,17) (肉眼的にdaughter noduleが疑われたのはリ
ンパ節である。
リンパ節には遺物反応が目立ち、豊胸術後の反応として矛盾しない)
非腫瘍部の乳腺組織には cyst apocrine metaplasiaを認める。
(mastopathy, moderate)
ホルモン陰性、HER2陰性、ki67はまだ聞いていません。
○申し訳ありませんが病理結果の解説をお願いしてもよろしいでしょうか。
○脂肪に浸潤しているという意味がわからずとても不安です。
深く浸潤しているんでしょうか? f (+)(#11)の#11とは何でしょうか?
○田澤先生なら今後の治療はどうお考えになりますか?
田澤先生、私は怖くて再発率、生存率を聞くことが出来ません。
根治はできるのか教えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非浸潤癌ではなかったとはいえ、pT1a(1.5mm)の浸潤癌は(殆ど)非浸潤癌と同等に考えて大丈夫うです。(勿論全身療法は不要です)
放射線照射の是非というよりも、「乳頭乳輪温存の適応だったのか」という問題だと思います。
「しこりの位置が乳頭のすぐ内側にあった」とありますが、本来「乳頭乳輪温存の適応」は(ガイドライン上)「乳頭と腫瘍との距離が十分ある」となっています。
その意味では「断端陰性」とはいえ、「術後照射は適切」だとは思います。
 
「○乳房全体に放射線照射するのはもしかしたら過剰診療なのでしょうか?放射線をかけた場合、少しでも再発リスクは下がりますか? 」
⇒過剰診療とは言えないと思います。
 局所再発のリスクは下がるとは思います。
 
「○本当は乳頭切除をするべきだったのでしょうか?もしそうならばこれから追加切除したほうがいいですか?」
⇒最初から「適応だったのか?」という問題はありますが…
 結果として「断端陰性で照射もする」のであれば問題ないと思います。



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