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術後の治療について

[管理番号:6582]
性別:女性
年齢:59歳
初めて質問させていただきます。
皆さんの投稿と先生の回答を読み込みましたが
自分の不安の解消に至らず、投稿させていただきました。
18年前に乳房温存手術を受け、乳癌サバイバーだと信じていたところ
再度同じ乳房に発症してショックを受けました。
そのような中で、慌ただしく手術にて乳房切除をし
来週、病理検査結果を聞き、術後の治療方針について
相談しましょう、ということになっています。
いろいろと調べていく中で、術後の治療について
いわゆる、標準治療と言われているものに疑問を感じることと仕事の関係で、QOLを著しく下げる治療を避けたいことなどで悩み始めました。
以下、簡単に経緯を申し上げます。
《最初の乳癌》41歳のとき
乳頭からの出血としこりに自分で気が付いて検診を受け
2つのしこりが乳癌と診断されました。
2000年11月 温存手術 腋リンパ節郭清
リンパ節には3個と言われました。
術後の治療は、
放射線治療 25クール
ホルモン注射(リュープリン)5年
ホルモン剤(ノルバテックス)9年
その間、定期的に転移などの検査を受け続け特に異常がないまま、10年がたち
プライベートでの変化(離婚、再婚)と地方への引越しなどで
取り紛れて、この5年ほどは検診を受けていませんでした。
毎年、人間ドックは受けていましたので
転移(肺や肝臓を警戒していました)があれば、分かるだろうと安易に考えていました。
まさか、同じ乳房に癌が発症するなんて、想像もしていませんでした。
むしろ、自分は乳癌にはもうならない、と思っていたくらいです。
甘かったですね・・・
そんなことで、前の手術の傷の上あたりに、何かできていましたが元々、傷痛みする方なので傷跡が固くなってる、ケロイドっぽくなってきたと思っていました。
皮膚表面に飛び出したような感じになってきて、おかしいかも?と
おもって近所の乳腺クリニックで検査を受けました。
その時も、乳腺炎かな?と軽く考えていました。
受診した日に、マンモとエコーの検査を受け、しこりを確認、
組織生検を薦められました。
2018年5月(中旬)日に、組織検査
検査結果は下記の通りです(抜粋)
浸潤性の癌で、乳管内癌成分は目立たず。
浸潤性乳管癌、硬癌の可能性とともに、細胞相互の結合性が必ずしも
良好でないことより浸潤性小葉癌の可能性もあり。
再発性か新規発生かは断定できず。
手術できる病院に紹介していただき、
術前の検査として、CT,骨シンチ、MRIを受診したところ、
現状での転移は発見できない、
3cmのしこり、皮膚に出ているため、Ⅲ期との診断
CT,MRIなどの検査で、乳頭をはさんで下の方にも小さなしこりがあることがわかり
手術で全て切除しましょう、ということになりました。
2018年6月(中旬)日、右乳房切除術
マージンをとって切除できたとの報告を受けました。
(MRIで、しこりに奥行があり胸骨まで至っているかもしれない、と言われていました)
現在、ここまでで、病理検査の結果をみないと何ともわからないと思いますが
検査結果を聞いて、術後の治療方針を示されたときに
何をどのように考えるべきか、整理しておきたいと思った次第です。
また、再発か新規発生かは、治療にはあまり関係ない、と説明を受けていますが
それについても、納得できない思いがあります。
地方都市の病院で、乳腺外科にお願いしていますが、
標準治療を薦められる気がします。
その場合、放射線、ホルモン療法、抗がん剤というセットになるのかと思いますが
それぞれ治療の目的が違うということは、他の投稿で勉強させていただきました。
それらを提示された場合に、断るもしくは選択するということを
患者としてしたいと考えていますが、
考えるための方向性と指針が知りたくてご相談しました。
本来なら、病理検査結果を提示してお伺いするべきかと思いましたが
落ち着かなくて、先に伺ってしまいました。
全ての治療を受け入れた方がリスクは減るのかもしれない、と不安ではありますが
抗がん剤治療などの書籍を読むと、再発してからの治療でも生存率は変わらないと書いてあるものもあり、再発するかどうかもわからない段階で、身体に負担のある治療をすることの是非がわからなくなってしまいました。
一般論で結構ですので、検査値が〇〇だったら、絶対にしなくてはいけない治療、というのがあれば教えてください。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は何か勘違いしていますね。
このQandAに限らず「今週のコラムでしばしば登場する局所再発(この場合には温存乳房内再発)」では「局所治療のみ(この場合手術のみ)」でいいのです。『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。』をご参考に。
「一般論で結構ですので、検査値が〇〇だったら、絶対にしなくてはいけない治療、というのがあれば教えてください。」
→質問者は前回の「術後補助療法」としてホルモン療法と(温存乳房内)照射をしているので、同じものを再度する必要はありません。
 冒頭でコメントしたように、基本(全身療法は)無治療でいいのですが、「もしも、サブタイプがトリプルネガティブやHER2陽性だった場合(その場合には「温存乳房内再発ではなく、新規発生ということになります)」には
 初回術後には行わなかった治療
 1.TNなら 抗がん剤
 2.HER2タイプなら 抗HER2療法(抗がん剤+ハーセプチン)
☆物事はシンプルに考えましょう。