Site Overlay

術後1年8か月全摘手術した胸の赤み

[管理番号:6674]
性別:女性
年齢:45歳

いつも乳がんプラザではどうもありがとうございます。

この度は田澤先生のお考えをお伺いしたくて質問をさせて頂きました。

【経緯】
2016年 9月 左胸外側下の中心部分に近い場所にしこりを見つける。
ずっと痛みがあり気になっていた。
(2015年10月まで2年程授乳)
2016年12月 左胸全摘出(腫瘍の場所が中心よりの為、温存しても形が崩れるとの事と、遺伝性の心配もあり全摘出を希望する)
2017年 2月 術後治療開始 リュープリン(3か月ごと)、ノルバデックス服薬
2018年 8月 左胸、傷の下の部分、胸の形に沿って2cm程の帯状の赤みを見つける

【病理結果】
ステージ:  1(1と2の間との事)
タイプ:   ルミナールA
リンパ節転移:無し
大きさ:   2.0cm×1.3cm
Ki67:    10.4%
脈管侵襲:  軽度
HER2:    -
ホルモン治療:ER(+)PgR(+)
核異型度:  2

2016年12月の全摘手術で切除したものの中に(左胸内側上部分)、術前の検査では発見されなかった小さな癌細胞が見つかり、全摘出にして良かったと言われる。

術後1年8か月が経ち、左胸患部、傷口より1cm位下の部分に、胸の形にに沿ってまあるく2cm程の帯状の赤みを発見する。
(初めて)
発見した翌日が丁度リュープリン注射の日だったので、担当医に相談する。
(薬だけの時は主治医ではない)翌週主治医の診察を入れて頂き相談すると、
赤みは引いていたので、様子を見ましょうという事になる。

脈管侵襲や、術前検査では発見されていなかった部分にも癌細胞があったとの事なので、取り残しや、リンパの方には行っていないのか等、左胸や、左のリンパのエコーもして頂きたいのですが、リンパにあった人しか検査はできないとの事で、半年ごとの右側のマンモとエコーしかしないとの事です。

今回の赤みについては、もしまた赤くなったり、皮膚が隆起してきたら、来てくださいというのですが、今の様な状態では様子をみるべきなのでしょうか。

心配し過ぎるのは良くないと言われましたが、安心する為にも何らかの検査をしてほしいのですが、症状がでないと検査はできないとの事です。

【質問】

・再発の際の赤みはこのように、出たり消えたりするものなのでしょうか。

・様子を見ていて大丈夫でしょうか。

・赤みがでたのが、3か月前のリュープリン注射の効き目がなくなってきたからで、また新たに注射をしたので今赤みが消えているという事はあるのでしょうか。
注射を打った翌日から赤みは出ていません。

・脈管侵襲が軽度なのですが、リンパに再発する事はあるのでしょうか。
それを調べる定期的な検査は必要ないのでしょうか。

・術前に発見されなかった、偶然取ったらその中にあったという小さな
癌は、元々あると思われてはいないので、十分な余裕を持って取り除かれているのか心配なので、左胸の検査は必要ないのでしょうか。

・もしリンパの再発や、取り残しの様な事があった場合、今回の様な皮膚の赤みは関係性があるのでしょうか。

お忙しい所恐縮でございますが先生のお考えをお伺いできればと思いますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「・再発の際の赤みはこのように、出たり消えたりするものなのでしょうか。」
→皮膚再発は、一過性であることはありません。
 違うでしょう。

「・様子を見ていて大丈夫でしょうか。」
→主治医の言う通りです。

「・赤みがでたのが、3か月前のリュープリン注射の効き目がなくなってきたからで、また新たに注射をしたので今赤みが消えているという事はあるのでしょうか。」
→それは、「考えすぎ」です。

 もしも「本物の皮膚再発」なら「リュープリンで簡単に消失する」ものではありません。

「・脈管侵襲が軽度なのですが、リンパに再発する事はあるのでしょうか。」
→今回の「皮膚再発?」とは無関係ですが…

 脈管侵襲とは無関係。
 センチネルリンパ節生検しているのだと推測しますが、「その際に、正しいセンチネルリンパ節生検が行われていれば(つまり、その時点で本当に腋窩に癌細胞が無ければ)その後に(どこかから)リンパ節再発するようなルートは無い」のです。

「それを調べる定期的な検査は必要ないのでしょうか。」
→腋窩をエコーすれば解ります。

「左胸の検査は必要ないのでしょうか。」
→乳腺は全摘していれば「多発だろうが無関係」全く問題ありません。

「・もしリンパの再発や、取り残しの様な事があった場合、今回の様な皮膚の赤みは関係性があるのでしょうか。」
→(一過性であれば)皮膚再発では無いと思います。