[管理番号:6005]
性別:女性
年齢:28歳
宜しくお願いします。
28歳で乳がんになりました。
乳がんが若年化しているとはいえ、20代で発症するのは、好発年齢で発症する事と原因の違いはあるのでしょうか?
食生活もごく普通にしてましたし、若年性乳がんのリスクもあてはまりません。
何故この年齢でなってしまったのか…と考えてしまいます。
(ルミナールタイプであったことから、遺伝性の検査はしていません)
過度なストレスは若年で発症させる要因の一つとなりますか?
また、再発予防として、「食事療法」は効果が得られるのでしょうか?
豆乳などは乳がんのリスクを減らす可能性がある事を目にしました。
これは乳がんも食生活によって癌になるリスクが変わってくるということですか?
糖分は良くないなど目にするとどこまで気を付けたらいいのか分かりません。
今まで通り「普通」に甘いものやお菓子を食べても大丈夫なのでしょうか。
また、食事療法で乳がんが小さくなったというブログを見ました。
今はエビデンスが無いだけで、将来的には食事療法も標準治療のひとつになる可能性もあるのでしょうか?
以上、宜しくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問者も理解されているように、「乳がんの若年化」は明らかです。
(何も、統計の発表を待つまでも無く)乳腺外科医として第1戦にいるとおのずから
(肌で)感じることなのです。
10年前までは「30歳代はかなり珍しい」という感覚でしたが、(現在では)「30歳代は、普通」となっています。
20歳代についても、「年間、数名は診療する」状況となっています。(10年前は10年で1人とか、そういうレベルでした)
これについては、間違いなく「生活環境(食事も含めた)の欧米化」⇒「ホルモン環境のダイナミックな変化」が影響しています。
「低年齢化」に絞ると…
食事の欧米化⇒体格の向上⇒初潮年齢の低下⇒(20歳代でも)「かなりの期間、高エストロゲン状態に曝される(特に幼少期に影響が大きい可能性あり)」⇒「乳がんの若年化」となるでしょう。
「過度なストレスは若年で発症させる要因の一つとなりますか?」
⇒要因の一つですね。
「また、再発予防として、「食事療法」は効果が得られるのでしょうか?」
⇒現時点ではエビデンスはありません。
「豆乳などは乳がんのリスクを減らす可能性がある事を目にしました。」
⇒あくまでも「可能性」であり、注意が必要なことは標準治療とは「桁が異なる」ことです。
「これは乳がんも食生活によって癌になるリスクが変わってくるということですか?」
⇒冒頭のコメントどおり、「大きな」意味では間違いなく関連があります。
「糖分は良くないなど目にするとどこまで気を付けたらいいのか分かりません。」
⇒そういう「○○が駄目」とか、そういう問題ではありません。
「今まで通り「普通」に甘いものやお菓子を食べても大丈夫なのでしょうか。」
⇒その通り
「また、食事療法で乳がんが小さくなったというブログを見ました。」
⇒これは忘れましょう。(このような情報が「どれだけ多くの乳がん患者さんの状態を悪くしたのか?」現場にいる我々は良く知っています)
「今はエビデンスが無いだけで、将来的には食事療法も標準治療のひとつになる可能性もあるのでしょうか?」
⇒それはないでしょう。
つまり、「もしも、本当にいい成分が見つかったとしたら…」⇒(それは食事としてではなく)「薬剤として生産される」ことになることでしょう。