[管理番号:4685]
性別:女性
年齢:44歳
初めてご相談させて頂きます。
毎年健診は受けており、一昨年の12月のマンモグラフィーでは異常なししでしたが
今年2月に胸のしこりに気づいた為、健診ではなく乳腺外科を受診しました。
マンモグラフィー、超音波検査、造影MRI、麻酔下針生検を経て、2月末に乳がんの診断を受けました。
3月上旬に大きな病院に転院し、CT、骨シンチ検査、血液検査をし異常なしの結果。
4月上旬に左乳房の乳房温存術を受けました。
現在はタモキシフェンの服用を始めたところです。
放射線治療は順番待ちの都合で、6/(上旬)より25回照射の予定です。
担当医からは早期であり、乳がんでは軽い方だとの説明を受けております。
顔つきは、そんなに悪くないと言われています。
また、病院で実施される乳がん患者対象の説明会では
『乳がんは大変予後の良い癌であり、ほとんどの人が根治できます。
早期発見し病気の早い段階で治療する事が大切ですが
遠隔転移した場合には早期発見してもしなくても、その後の予後に関係ない事が分かっています。
なので初期治療が終了したら、健診日以外は、くよくよせずに普通に過ごすと良いです。』との説明を受けました。
今回の質問は放射線照射の回数に関してです。
田澤先生の病院では放射線照射は25回に加えて5回照射の30回とのことですが
25回と30回での乳房内再発率にはどの程度の差がありますでしょうか。
また5回プラスした場合の副作用について教えて頂けたらと思います。
ご助言頂けましたら、きちんと治療を受け、その後は心安らで健康的な生活を心掛けたいと思います。
早期がんであまり心配はない事は頭では分かっておりますが、癌の宣告を受け、心に不安がありますので
思い切ってご質問させて頂きました。
お忙しいところ、申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。
病理検査は以下の通りです。
切除術:部分切除(Bp)
占拠部位:左C 個数:単発
腫瘍の大きさ:1.4cmx0.9cm(浸潤巣) 乳管内進展:あり
組織型:Invasive ductal carcinoma , pa
papillotubular carcinoma
核グレード分類 :NA2、MC2、 NG2
波及度:f
切除断面:陰性
UICC:pT1c
リンパ節:SLN32(-)
術前治療:なし
ER 陽性
PgR 陽性
Ki-67 LI は5%程度
HER-2 score 1
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「田澤先生の病院では放射線照射は25回に加えて5回照射の30回」
⇒これは私の希望ではなく(私は普通に25回でいいと実は思っています)放射線科医の信念で行っています。
「25回と30回での乳房内再発率にはどの程度の差がありますでしょうか。」
⇒もともと「温存乳房内再発」はめったにないことですから、それ程の差はでないと思います。
「また5回プラスした場合の副作用について教えて頂けたらと思います。」
⇒これは実感していることですが…
当院はトモセラピーなので30回やってても「全く問題なし」です。
私は江戸川に来るまでは通常の「リニアックで25回」だったので、「トモセラピーの副作用の少なさ(例え30回でも)」を実感しているのです。
○逆に言えば…
当院は「トモセラピーだから、全例30回が許容される」ということだろうと考えています。
当院の症例数で「放射線肺臓炎が(私が来て3年間)全くない」ことは、実は大変なこと(これこそが、トモセラピーの優位性)だと思います。