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ホルモン療法を遅れて開始することについて

[管理番号:6505]
性別:女性
年齢:37歳
田澤先生、こんにちは。
毎日このQ&Aを拝見しています。
こちらのサイトでも術後ホルモン療法と妊娠出産についてはよくテーマにあがっているとは思いますが、ホルモン療法を延期等することについて教えていただき、不安を払拭できればと思っています。
先日病院にて全摘手術を行いました。
以下病理の結果です。
病理結果
ステージ1
浸潤性乳管癌
浸潤径5ミリ
ホルモン受容体陽性(おそらくルミナールA)
(Estrogen90%、Progesterone70%)
HER2 (1+)
Ki67 30%
核グレード2
リンパ節転移無し
脈管侵襲無し
主治医はタモキシフェン5年を勧めています。
このQ&Aを見て、妊産出産は予後に影響を与えない、授乳はリスク低減になるということは分かりました。
これからのことを考える上で、微小転移の可能性を抱えて妊娠することについて気になっています。
(質問1)
術後の微小転移が体のどこかにあった場合、妊娠期のホルモンの著しい上昇により(エストロゲンは通常時の約400倍にもなると)、体内に残っている可能性のあるがん細胞に短期間に膨大なえさを与えるようなものとなってしまい、体にがん細胞が一気に広がることにならないでしょうか。
(質問2)
そのような状態になることで、産後にホルモン療法を行っても効果がない、ということにはならないでしょうか。
もちろん、術後すぐ開始するのと産後開始とでは違いがあると思いますが、妊娠すること自体が悪化の要因になるかどうかという意味で。
こう考えると、短い期間であっても術後ホルモン療法(2~3年、もしくはたとえそれより短くても)を行い、少しでも微小転移(の可能性)の段階で、芽が小さいうちに治療・根絶をしておく方が良いものなのか、と悩んでおります。
(質問3)
田澤先生の言うホルモン治療に緊急性はない、という所の仕組みがなぜなのか分かれば、きっと自分としても納得がいくのだと思いますが、この点についてもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。
(質問4)
1. ホルモン療法を2年またはそれより早く中断し、産後に残りの年数分を開始
2. 妊娠出産をしてから、産後ホルモン療法を5年
3. ホルモン療法5年を行い、妊娠出産
それぞれの場合において、その後の転移再発リスクという観点から、違いを教えていただけないでしょうか。
(質問5)
私の場合でも、安心して妊娠出産を優先し先行させても良いものでしょうか。
先生が実際に見てきた中での再発率についても、やはり聞いておきたいです。
(質問6)
そもそもホルモン療法自体は、開始が遅れるケースというのはあまりないのでしょうか。
例えば副作用で中断、または考え直してやはりやることにした等。
主治医に聞いたところ、
そのような例はない、ときっぱり言われたことも不安です。
体に散らばっているものがあると、それが餌になる可能性があるからどうなるか分からないとも。
主治医の言っていたこ
とから、妊娠出産後にホルモン療法を行う、ということが「もしかして間違った選択なのでは」「ホルモン療法を後にすることで、転移再発リスクがその分だけ高くなって後々困るのでは」と考えて怖くなってしまうのですが、この点についてはどのように考えられますか。
(質問7)
自分がどのタイプなのか不明ですが、「術後ホルモン療法に効果があった群」であった場合でも、産後遅れてホルモン療法を開始することは、リスクを高めないでしょうか。
(質問8)
5%ほど転移再発の可能性があったとして、もしその悪い方だったら、と考えるとホルモン療法を後にして良いのか、心に不安が圧しかかります。
この点について、どのように捉えたら良いのか、考え方という点でアドバイスいただけないでしょうか。
微小転移があるかないか分からない、というのがおそらく自分にとって最大の不安なのだと思います。
微小転移などない、ということが分かれば自信を持って決断できるのですが。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メールを読んでいての素直な感想は…
物事を頭でっかちに考えることなく、「妊娠出産は再発リスクを高めない」その事実を受け入れるkとです。
(そもそも)質問者は勘違いされていますね。
「微小転移が云々」というのは、「癌が癌である以上、再発リスクはゼロにならない」ことの裏返しであり、何も特殊な考え方ではありません。
(乳癌に限らず)「癌を(再発の可能性があるという意味で)悪性腫瘍と定義」したことに始まっているのです。(再発とは どこかに潜んでいた癌細胞が可視化すると言う意味では全ての癌に共通なことです)
「体にがん細胞が一気に広がることにならないでしょうか。」
⇒ありません。
 (そんな理屈ではなく)エビデンスがあるのです。
「田澤先生の言うホルモン治療に緊急性はない、という所の仕組みがなぜなのか分かれば、きっと自分としても納得がいくのだと思います」
⇒ 単純に、「妊娠出産が再発リスクを高めない」それだけの話です。(頭でっかちになっても仕方がないことなのです) 
 質問者が、それに「納得するか、どうか?」は(私には)関係ないことです。
「違いを教えていただけないでしょうか。」
⇒殆どかわらないでしょう。
「私の場合でも、安心して妊娠出産を優先し先行させても良いものでしょうか。」
⇒勿論。
「ホルモン療法を後にすることで、転移再発リスクがその分だけ高くなって後々困るのでは」と考えて怖くなってしまう」
⇒そう考える人が多いですが…
 そのエビデンスはありません。
「術後ホルモン療法に効果があった群」であった場合でも、産後遅れてホルモン療法を開始することは、リスクを高めないでしょうか。」
⇒勿論。
「考え方という点でアドバイスいただけないでしょうか。」
⇒頭でっかちにならないことです。
 事実は事実なのです。
「微小転移があるかないか分からない、というのがおそらく自分にとって最大の不安」
⇒全くの勘違いですね?
 癌である以上、(乳癌にかかわらず)「全ての癌患者さんは、再発リスクがゼロ出ない以上、全ての癌患者さんに微小転移=再発リスクがある」というだけの話です。
 ☆もしかして「微小転移」という考え方を「乳がんに特別なこと」だと考えていますか?
  再発とは「再度、癌細胞が身体のどこかから湧き上がる」ことをいうのではなく、「どこかに潜んでいる=これを微小転移と表現」癌細胞が可視化することなのです。

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