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非浸潤がん全摘後にホルモン治療の必要性について

[管理番号:5477]
性別:女性
年齢:52歳
初めまして、質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上上げます。
2017年3月に健康診断を受けて、左の乳房に石灰化が見つかり、乳がんの疑いがあると診断されたため、A病院で精密検査を受けました。
検査のの内容は下記となります。
・超音波検査:石灰化のある部位に、しこりは見つかりませんでした。
・マンモグラフィー:点々の石灰化部分があります。
・マンモトーム:組織検査の結果は、非浸潤がんのステージゼロでした。
がんの顔つきが大人しくて、増殖のスピードが遅いと言われました。
ただ、大きさは2cmほど、部位は乳頭の近くにあるので、全摘手術を勧められ、受ける時期は急がなくてもよいと言われました。
7月にB病院でセコンドオピニオンを受けて、非浸潤がんで診断されて
も、実は浸潤がんの可能性もあり、早めに手術を受けたほうがよいと言われたためわれたため、手術を受けることを決断しました。
8月に全摘手術を受けて、下記のような病理検査ができました。
Tis N0 Mo Stage0
Ki67(増殖スピード):74%
核異型度:3
組織異形度:3
ホルモン感受性:あり
HER2/neu:なし
断端:陰性
大きさ:2cm
質問1:
「がんの顔つきが大人しくて、増殖のスピードが遅い」というA病院の組織検査結果に対して、B病院の病理検査結果は異形度3で(がんの顔つきが悪い)、増殖スピードは74%という進行がとても速い結論になりました。
なぜこのような違いがあったのでしょうか?増殖スピードの74%はどのようなはどのような意味を持っているのでしょうか?手術の時期をもう少し遅らせたららせたら、浸潤がんになる確率は高くなるのでしょうか?
質問2:
非浸潤がんなら、全摘してからホルモンの治療をしなくてもよいとの認識ですが、Ki74%でもホルモン治療を受けなくてもよいのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は全く無駄な心配をしています。
その全く無駄な心配の元凶が主治医にあるとしたら、「その罪は極めて大きい」と思います。
実際には「非浸潤癌で全摘=根治」です。 再発率はゼロです。
非浸潤癌だった以上、「グレードなど、全く気にする必要がない」(そもそも非浸潤癌でKI67を測定する事自体が誤り=適応外)
♯考え方としては、「グレード3の非浸潤癌だった⇒(このまま放っておいたら)比較的、早期に浸潤を起こした可能性がある=早期発見早期治療で本当に良かった」というだけの話です。
「なぜこのような違いがあったのでしょうか?」
⇒あくまでもサンプリングだから、当然ありえることです。
「増殖スピードの74%はどのようなはどのような意味を持っているのでしょうか?」
⇒非浸潤癌では全く無意味(そもそも測定する事自体誤り:前述したとおり)
「手術の時期をもう少し遅らせたららせたら、浸潤がんになる確率は高くなるのでしょうか?」
⇒「高くなる」ではなく「高かった(過去形)」でいいのです。
 つまり、全摘した質問者にとっては「過去の話にすぎない=どうでもいいことで、今更気にする必要もないこと=忘れましょう」ということです。
 ☆根治なのです。
「質問2:非浸潤がんなら、全摘してからホルモンの治療をしなくてもよいとの認識です」
⇒1000%その通りです。
「Ki74%でもホルモン治療を受けなくてもよいのでしょうか?」
⇒全くナンセンス。
 忘れましょう。