[管理番号:1884]
性別:女性
年齢:44歳
8月に検診で見つかり、10月に手術で左乳房全摘しました。
現在FISHの結果待ちをしています。
浸潤性乳管癌
大きさ 35×25mm
断端陰性
エストロゲン受容体 陽性
プロゲステロン受容体 陽性
HER2 2+ →FISHの結果待ち(針生検では陰性)
リンパ節転移 陰性(0/1)
ki67 30% (針生検時では70%)
ステージⅡA
担当の先生からは
ホルモン療法(リュープリン2年+ノルバデックス5年)を実施、
ホルモン強陽性であるため化学療法は実施しない、
FISHはおそらく陰性であろう、
と言われています。
2点、先生のお考えをお聞かせいただけないかと思うことがあります。
1.リュープリンは35歳以下あるいはハイリスク群とのことですが、私はハイリスク群に該当するのでしょうか?
ルミナールAとBの境界?B?にいるため、化学療法も適応範疇であることからハイリスク群に該当するのでしょうか。
化学療法をしない私の場合は、リュープリンもやっておいた方がいいと思われますか?
2.ホルモン療法の開始時期は術後どれくらいまで猶予がありますか?
すぐに始めないといけないものなのでしょうか?
年齢的に難しいことは分かっているのですが、ホルモン療法を始めてしまえば妊娠はもうできないと思うとどうしても迷ってしまいます。
45歳の誕生日まであと7か月、そこまでに妊娠できなければ諦めてホルモン療法を始める、というのは危険なことですか?
とりあえずの命の危険が去ったと思ったら欲張りになっている、と自分でも思いますが…
先生ならどのような治療を勧められますか?
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT2, pN0, pStageⅡA, luminal
回答
「1.リュープリンは35歳以下あるいはハイリスク群とのことですが、私はハイリスク群に該当するのでしょうか?」
⇒ハイリスク群ではありません
「Ki67=30%」はSt.Gallen 2015では「中間ゾーン」に相当します。
その意味では、もともと「化学療法をしない」選択肢も存在するため、当て嵌まりません。
そもそも「ルミナールBが化学療法の適応」というのは「ハイリスクだからではなく、化学療法が効きそうだから」という考え方です。
「ルミナールAとBの境界?B?にいるため、化学療法も適応範疇であることからハイリスク群に該当するのでしょうか」
⇒「化学療法も考慮される意味での、中間ゾーン」は「ハイリスク」とは意味合いが異なります。
「化学療法をしない私の場合は、リュープリンもやっておいた方がいいと思われますか?」
⇒私であれば、「タモキシフェン単剤」とします。
「45歳の誕生日まであと7か月、そこまでに妊娠できなければ諦めてホルモン療法を始める、というのは危険なことですか?」
⇒全く問題ありません。
「妊娠希望」の方には「出産後(授乳をする場合には卒乳後)にホルモン療法開始」としています。
○ホルモン療法は「いつ始めるか?」ではなく、「いつまで続けるか?」なのです。