Site Overlay

補助療法について

[管理番号:5062]
性別:女性
年齢:38歳
初めまして。
2017年4月人間ドックのエコーで要検査。
2017年4月(中旬)日針生検実施。
2017年4月(下旬)日右乳癌宣告。
2017年5月(上旬)日初診、CT、骨シンチ、MRI
2017年6月(上旬)日左胸全摘。
針生検の結果
ER 80パーセント
PgR 30パーセント
Her  +++
ki67 30パーセント
6mmの腫瘍で、トリプルポジティブの乳癌との事でした。
温存可能ですと言われたのですが、その後のMRIの拡がり診断で、拡がりがあるとのことで全摘しました。
術後、補助療法の説明では、ACを4回、その後ハーセプチンを一年、ハーセプチンと合わせてホルモン療法を5年、生理が戻るようであれば卵巣機能抑制剤を注射します、との事でした。
病理の結果はいただけない、との事で、分かった事のみ以下にあげます。
右乳房上内側部乳癌
T1N0M0
Invasive ductal carcinoma
ER+++80パーセント
PgR+5パーセント
Her+++90パーセント
ki67 24.6パーセント
以上
ひとつ、主治医と話していてわからなかったのが、6mmの腫瘍と、その横に「17mm」と記載されていた事です。
MRIの拡がりのことかもしれません。
この「17mm」が何かで補助療法をどうするか変わってくるのかわかりませんが、以下の質問をよろしくお願いいたします。
①私が、この先、
1、無治療 2、ホルモン療法のみ 3、抗癌剤とホルモン療法を選択した場合の再発率を教えて下さい。
②ハーセプチンと一緒に行う抗ガン剤についてですが、以下の場合の抗ガン剤別の再発率を教えて下さい。
1、weeklyパクリタキセル+ハーセプチン12回→ハーセプチン
2、ドセタキセル+シクロホスファミド+ハーセプチン4回→ハーセプチン
3、AC4回のみ→ハーセプチン
③抗ガン剤の種類について、主治医から術後の補助療法の話を聞くまでは、漠然と「非アンスラサイクリン」でいくのかなと思っていました。
主治医に「ACで」と勧められた際に、「タキサンではないのですか?」
と確認すると、タキサンの「しびれ」があること、ACの方がスタンダードであることをあげられました。
また、ACのみでタキサンまではしなくてよい、その後ハーセプチンとのことでした。
私としては、ドキソルビシンの心毒性が引っかかっています。
副作用により、その後のハーセプチンの使用に影響が出ないかと思っています。
だからといって、仕事で細かい作業があるため、タキサンのしびれなどもとても気になっています。
3歳の子供がいますので再発はしたくないとは思いますが、補助療法をした後に、再発しなくてもQOLを下げてしまうのではないか、不安に思います。
このあたりは、どのように考えて(整理して)いくべきでしょうか。
また、もう一度、主治医と相談させていただく機会をお願いしようと思っていますが、今後治療を考えていく上で、どのようなことを聞けばよいでしょうか。
先生なら、こういった状況でどうお考えですか?
すみませんがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
焦点は「6mmの腫瘍」という点です。
実際には再発低リスクなので(当然)「ホルモン療法単独」という選択肢があります。
NCCNのガイドラインでも「予後良好群なので、副作用とのバランスで考えるべきで安易に勧めるべきではない」という範疇となります。
○担当医は「若いから、できるだけの治療で再発率を1%でも少なく」という気持ちもあるとは思いますが「何事にもバランス」があります。
  もしも(本当に)「1%の効果」を(其の10倍の)「(経済面、心毒性などによる)不利益」があるとしたら、それはバランスしないでしょう。(実際に其の程度を図るのは困難です)
  
○「適応内」なので、「治療を勧める事自体が悪い」と言っている訳ではないのですが、きちんと「どの程度の推奨度」なのか説明されるべきだと言っているのです。
(そして、選択権は間違いなく質問者ご本人にあるのです)
「1、無治療 2、ホルモン療法のみ 3、抗癌剤とホルモン療法を選択した場合の再発率を教えて下さい。」
⇒この大きさでは、正確な数字とはなりません。
 再発低リスクとして私の中では
 1.10%
 2.5%
 3・4%?
 ♯抗HER2療法は一般的には「再発率を半分にする」となっていますが(それは事実だと思いますが)6mmでは…(勿論、その大きさだけの臨床試験を組む事は不可能、そして無意味なのです)
「②ハーセプチンと一緒に行う抗ガン剤についてですが、以下の場合の抗ガン剤別の再発率を教えて下さい。1、weeklyパクリタキセル+ハーセプチン12回→ハーセプチン2、ドセタキセル+シクロホスファミド+ハーセプチン4回→ハーセプチン3、AC4回のみ→ハーセプチン」
⇒そもそも「直接比較」は存在しません。
 おそらく殆ど全て同じ(誤差範囲)となると思います。
「このあたりは、どのように考えて(整理して)いくべきでしょうか。」
「また、もう一度、主治医と相談させていただく機会をお願いしようと思っていますが、今後治療を考えていく上で、どのようなことを聞けばよいでしょうか。」

⇒ずばり、「本当に抗HER2療法が必要と思うのか?」です。
 ただし、質問者が最初から「抗HER2療法をするもの」だと認識し決意しているのであれば、(勿論)それはそれでいいのです。
 その場合には「最も楽(副作用や通院)な治療は?」と聞いてみましょう。
「先生なら、こういった状況でどうお考えですか?」
⇒無理に抗HER2療法を勧めることはありません。