[管理番号:4286]
性別:女性
年齢:43歳
2年程前に左乳頭から血性分泌物が出てクリニックを受診しました。
マンモ、音波、分泌物の細胞診をしたところ乳管内乳頭腫と診断され、
6か月毎の経過観察をしてきました。
昨年10月に生検をしたら非浸潤性乳管癌の診断でした。
実績のある病院を紹介してもらい、その病院で手術前の診断は非浸潤性乳管癌、ステージ0でした。
手術は12月に行いました。
病巣が乳頭に近く5.2センチの大きさが
あった為温存は出来ず皮下乳腺全摘、乳頭切除、同時再建をしました。
切除した細胞診の結果は浸潤癌は見つからず
・非浸潤性乳管癌
・リンパ節転移なし
・ステージ0
・タイプ ルミナルA
の結果になりました。
その後の診察で受けた説明で、病巣が皮膚の近くまであったと言われました。
心配で細胞は悪い細胞は取れているか、再発の可能性はあるのかと聞いたところ、病巣は取れている(まあ大丈夫という感じの答え方でした)、でも再発の可能性は無いとは言えないとのことでした。
本当に取れているか念を押して聞くことが出来ませんでした。
また通常であれば全摘することでホルモン治療の必要はないが
私の場合は病巣が5.2センチと大きかった為、ホルモン治療という選択肢がある、でもホルモン治療はやってもやらなくても良く自分で決めるように言われました。
ホルモン治療をすれば再発のリスクが下がるのならばやりたいと思う気持ちになるのですが、副作用の事を考えるとなかなか決める事が出来ません。
先生にお聞きしたいのは
・非浸潤性乳管癌で全摘しても再発の可能性はあるのか
・ホルモン治療をやれば再発予防になるのか
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えなくてはなりません。
「腫瘍の大きさ」等は、(非浸潤癌で全摘すれば)全く無関係な話です。
「通常であれば全摘することでホルモン治療の必要はないが私の場合は病巣が5.2センチとセンチと大きかった為、ホルモン治療という選択肢がある」
⇒不要です。 (大きくても)非浸潤癌で全摘なのだから(手術だけで)根治なのです。
「・非浸潤性乳管癌で全摘しても再発の可能性はあるのか」
⇒ありません。 根治です。
「・ホルモン治療をやれば再発予防になるのか」
⇒不要です。
質問者様から 【質問2】
再発?
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生、前回は回答していただきありがとうございました。
皮下乳腺全摘から10か月が経ちました。
現在は無治療で3か月に一度の
の経過観察中です。
4月にエキスパンダーからインプラントへの入替も終終えました。
術後、主治医から病巣の一部が皮膚に接近していたと聞いていました。
手術が全て終わり改めて細胞診の結果を見直したところ
・断端 unknown
皮膚剥離断端 in situで腫瘍接近、<1㎜.
となっていました。
数日前にふと再建した胸を触ったところ、皮膚に接近していたと言われた場所から1~2cm位離れている場所に小さいですがポコっと何かが触れているのがわかりました。
前回は8月上旬に血液検査とエコー検査を
してもらいましたが異常は指摘されませんでした。
エコーは主治医がやってくれています。
前回の検査から2か月も経過しておらず、短期間で
で触れてわかる位の大きさになっているの物があることがとても心配でなりません。
この触れている物の診断確定をする場合、インプラントで再建済みなの
で針は刺すことが出来ないと思うのですが、エコーのみで診断確定出来るのですかるのですか?エコー以外の方法はあるのでしょうか?
心配しすぎるのも良くないと思うのですが、病院の予約が2週間先まで取取れなかったので、診察を受ける時にきちんと主治医と話が出来るように、仮に悪性だった場合として教えていただきたい事があります。
・場所から考えて局所再発ではなく取り残しによる再発と考えられるのでしょうか?
・元々は非浸潤癌だったのですが浸潤癌の可能性はあるのでしょうか?
・術後に再発したらどうすれば良いか聞いたら切除すれば大丈夫だと言われたのですが、切除すれば大丈夫なのでしょうか?
・インプラントにて再建終了しているのですが切除は可能のでしょうか?
手術を受けてからこちらのサイトで勉強していたつもりでしたが勉強不足のようで申し訳ございません。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「この触れている物の診断確定をする場合、インプラントで再建済みなので針は刺すことが出来ないと思うのですが、エコーのみで診断確定出来るのですか」
⇒どの程度のものか解りませんが…
画像だけで確定診断とはなりません。
本当に怪しければ…
1.局麻で摘出(外科的生検)
2.組織診(再建済でも可能なケースはあります9
「・場所から考えて局所再発ではなく取り残しによる再発と考えられるのでしょうか?」
⇒そんな短期間で局所再発の可能性はかなり低いと想像します。
インプラントに入れ替えた方が「局所再発??」として受診されるケースもしばしばありますが、(私の経験上)「その殆どが、皮下の縫合糸もしくはインプラントの表面の皺」でした。
「・元々は非浸潤癌だったのですが浸潤癌の可能性はあるのでしょうか?]
⇒こんな短期間では「ありえません」
「・術後に再発したらどうすれば良いか聞いたら切除すれば大丈夫だと言われたのですが、切除すれば大丈夫なのでしょうか?」
⇒その通りです。
局所再発は「切除すればいい」のです。
是非『今週のコラム 84回目 「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。』をご参照を。
「・インプラントにて再建終了しているのですが切除は可能のでしょうか?」
⇒主治医が「切除すれば大丈夫」と言っているのだから信じてあげましょう。
実際に、通常は「その部分の皮膚のみを切除」するだけで事足ります。
ただ、あまりにも広範囲な場合や裏に再発した場合にはインプラントを摘出しなくてはならない事もありえます。(きちんと経過観察していれば、そのような事態には陥りませんのでご安心を。