[管理番号:8221]
性別:女性
年齢:36歳
病名:非浸潤性入管癌
症状:
投稿日:2020年1月20日
こんにちは。
2019年10月に非浸潤性入管癌がわかり、12月皮膚温存乳房切除術を受け、
現在ティッシュエキスパンダー挿入中です。
先日手術検体の病理結果が出て、以下がわかりました。
(田澤先生は非浸潤の場合はこの情報は必要ないとお考えと思いますが念のため記します)
・断片陰性
・核、組織の異型度 グレード2
・非浸潤部の広がり 2.2cm×1.9cm×0.6cm
・ホルモン感受性 ER80% PgR70%
・Ki-67 50%
過去のQ&Aを拝見し、田澤先生は「非浸潤で全摘の場合は根治」とお考えでホルモン治療もいらないということは理解いたしました。
今回お伺いしたいのは、皮膚温存乳房切除が、先生のおっしゃる「全摘」に当たるかということです。
私はてっきり乳頭乳輪まで切除した場合は全摘であると思い、最終病理結果が非浸潤で確定した場合はホルモン治療をしないつもりでした。
しかし、先日、DCISでの全摘、温存についてエビデンスを踏まえて書かれている○○病院の記事に
「(DCISの場合)原則として乳房全摘術を勧める(中略)ちなみに乳頭と皮膚を完全に温存する手術を皮下乳腺全摘と呼称するがこれは全摘手術ではなく、部分切除の一種であるとする」
「乳房全摘をしても、乳頭温存、皮膚の温存を行ったときは、部分切除として扱う」
「部分切除の場合、術後、放射線は必須、ホルモンレセプター陽性であればホルモン剤は使用する」」
とあり、愕然としています。
以前のQ&A(管理番号261)で先生は、「皮膚温存乳房切除の安全性はデータが信頼できるものである」とおっしゃっていますが、
皮膚温存乳房切除=(先生のおっしゃる)全摘、即ちホルモン治療必要なし、と考えてよろしいでしょうか。
主治医は、ホルモン感受性が高く、広がりも小さくない、さらに年齢も考慮し、対側再発予防のためにもホルモン治療をしたほうがいいと言っています。
放射線治療とホルモン治療を避けるために「全摘」を決意して手術に臨んだのに、本当の「全摘」ではないなんて、と途方に暮れています。
手術前主治医には「全摘」でお願いします、と言ったのですが、
同時再建を望んだために全摘=皮膚温存乳房切除になったのでしょうか。
対側再発の心配だけでも気が遠くなりそうなのに、そこへ、全摘をしたらほぼ100%心配いらないと思っていた患側への局所再発の心配まで加わりました。
今すぐにでも皮膚もできる限り切除する再手術を受けたいぐらいです。
自分の無知さが悔やまれます。
どうかご解答をお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「乳房全摘をしても、乳頭温存、皮膚の温存を行ったときは、部分切除として扱う」
→この一文の解釈は「乳頭と皮膚の両方」という意味では?
どちらにしても、以下のことをよく考えてもらうといいでしょう。
非浸潤癌は乳管の中の癌なのだから、(乳管の先端である)乳頭には病変が進展している可能性はあるが、(乳管がそもそも存在していない)皮膚に病変が進展している可能性は全くない。
つまり(非浸潤癌にとって)乳頭切除をしている「皮膚温存乳房切除は(通常の)乳房切除と同等」です。
当然、ホルモン療法は不要
「主治医は、ホルモン感受性が高く、広がりも小さくない」
→これが、ホルモン療法を勧める理由になりますか???
非浸潤癌が「どれだけ広がりがあろうと、乳腺を全摘しているのだから無関係」ですよ??(乳腺をきちんと全摘しているという自信があれば、全くおかしな理屈です)
「さらに年齢も考慮し、対側再発予防のためにもホルモン治療をしたほうがいい」
→このようなことを言う医師はQandAでも頻繁に登場しますが…
Risk/benefitの観点からナンセンス!
子宮体癌を含めた有害事象や、経済的負担、身体的副作用とバランスしませんよ。
質問者様から 【結果2 】
非浸潤性入管癌(皮膚温存乳房切除手術)のホルモン治療について
性別:女性
年齢:36歳
病名:
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
田澤先生
お忙しい中、ご丁寧なご回答を頂きありがとうございました。
ホルモン治療はしないことに決めました。
半年後の再建手術、頑張って参ります。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問3 】
江戸川病院でのインプラントによる一期再建について
性別:女性
年齢:36歳
病名:非浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年3月4日
田澤先生
以前は質問にお答え頂きありがとうございました。
非浸潤性乳管癌で全摘、現在皮下にエキスパンダー挿入中の者です。
今夏に広背筋での自家再建を予定しております。
今回お伺いしたいのは(形成分野のお話で恐縮ですが)江戸川病院ではインプラントでの一期再建をされているとのことですが、
200ccの大きさの胸でも一期再建は可能か、ということです。
同時再建時、自家再建を決めて臨んだため、大胸筋下ではなく皮下にエキスパンダーを挿入しました。
しかし最近思うところあり、やはりインプラントによる再建を望んでおります。
形成の主治医に相談したところ
100ccまでのシリコンなら全くスペースのない大胸筋下に入れることが可能だが、
200cc以上は大胸筋からはみ出る状態になるため、
本当にインプラント再建にしたいのなら、再度エキスパンダーを大胸筋下に入れる手術をしなければならないとのことでした。
自分でも調べたところ、いくつかの病院ではBカップ以下ほどの場合はインプラントによる一期再建も可能、とありました。
乳癌プラザのHPには「・インプラント一次一期的再建『皮膚が十分にある場合に行います』」とありますが、具体的にはどの程度の大きさまで可能でしょうか。
また、他病院でのエキスパンダーが入っている状態で江戸川病院を受診する場合はセカンドオピニオンの手続きをとる形になるのでしょうか。
形成の分野の質問で恐縮です。
お答え頂ける範囲でかまいませんのでお聞かせ頂けたらと思います。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「乳癌プラザのHPには「・インプラント一次一期的再建『皮膚が十分にある場合に行います』」とありますが、具体的にはどの程度の大きさまで可能でしょうか。」
⇒これは私の権限では回答できません。
「また、他病院でのエキスパンダーが入っている状態で江戸川病院を受診する場合は
セカンドオピニオンの手続きをとる形になるのでしょうか。」
⇒これは純粋に形成外科の診療となるので、セカンドオピニオンではなく病院代表から「形成外科受診案内」を受けるといいと思います。(乳腺外科が関与することではないようです)