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非浸潤性乳管癌

[管理番号:6076]
性別:女性
年齢:45歳
こんにちわ。
毎年うけている検診で石灰化のため
要検査になり、針生検の結果、
非浸潤癌と言われました。
範囲が広いため全摘になるようです。
1、針生検で非浸潤の場合、
1センチ以上の浸潤部分がある可能性はどのくらいですか?
2、抗ガン剤をしたくないのです。
5㎜を越えた場合、抗ガン剤は考慮するという表現のようですが、田澤先生はどのサブタイプでも抗ガン剤をすすめますか?
3、考慮するというのは、無治療でも再発率低いから考慮するなのですか?
4、1センチ以内の場合、
無治療の場合、治療した場合の再発率を教えてください。
5、ガイドラインをみるとルミナールBのみオンコタイプで高リスクの場合、抗ガン剤が必須になるようですが、
トリネガや、ハーツーよりも再発しやすいということが明らかなだからですか?
その場合、ルミナールタイプですが、Bのため早い時期の再発なのですか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容読みました。
「もしも浸潤していたら!」という心配ばかりが先行して、重要な事が欠落しています。
○浸潤径5mm以上なら(サブタイプに応じた、全身薬物療法を)考慮する。という意味であり、「5mm以上なら、(サブタイプと無関係に)化学療法を考慮する」という意味では全くありません。
「1、針生検で非浸潤の場合、1センチ以上の浸潤部分がある可能性はどのくらいですか?」
⇒石灰化でST-MMTにより非浸潤癌という診断の場合は
 浸潤癌である可能性は10%以下であり、(更に1cm以上となると)5%以下と考えていいでしょう。
「2、抗ガン剤をしたくないのです。」
⇒現時点で「非浸潤癌の診断」なのに、抗癌剤を今から心配することは、いくらなん
でも考え過ぎでしょう。
 「非浸潤癌」⇒①「浸潤癌」⇒②「浸潤径5mm以上」⇒③(更に)「サブタイプがルミナールA以外」
 質問者に抗癌剤の適応がでるには、上記の様な「3段階」の壁があるのです。
「どのサブタイプでも抗ガン剤をすすめますか?」
⇒ルミナールAで抗癌剤を勧めることはありえません。
「3、考慮するというのは、無治療でも再発率低いから考慮するなのですか?」
⇒その通りです。
「4、1センチ以内の場合、無治療の場合、治療した場合の再発率を教えてください。」
⇒幾らなんでも今の段階で「たら」「れば」で回答はできません。
「トリネガや、ハーツーよりも再発しやすいということが明らかなだからですか?」
「その場合、ルミナールタイプですが、Bのため早い時期の再発なのですか?」

⇒とんでもない勘違いをしているようです。
 ルミナールBが「激しい性格」という理解は誤りです。
 そもそもサブタイプで予後を語ることはありません。
 あくまでも「サブタイプに応じた治療(効果が期待される治療法という意味です)」を行えばいいのです。(術後病理で5mm以上の浸潤癌が有った場合に)