[管理番号:2580]
性別:女性
年齢:51歳
非浸潤ガンの日帰り手術をしました。
標準治療のセンチネルリンパ節生検をしないのかと尋ねたら、エコーを見せながら大丈夫だからとそのまま手術となりました。
手術前の検査はマンモ・エコー・MRI・簡単な血液検査のみでした。
乳がんの専門医で、認定関連施設にも登録されているので信用しているのですが、本やネット書かれている標準治療と違うので不安になっています。
これでいいのでしょうか。
パンフレットにはセンチネルリンパ節生検や針生検のことも書いてあったので、当然やってくれるもと思っていました。
患部切除だけで何も治療が始まっていない状態でも転院は無理でしょうか。
MRIは外部のMRI専門施設で受けました。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「非浸潤癌の日帰り手術」と、ありますが診断は「針生検」でしょうか?
「標準治療のセンチネルリンパ節生検をしないのかと尋ねたら、エコーを見せながら大丈夫だからとそのまま手術となりました」
「本やネット書かれている標準治療と違うので不安」
⇒(外科的生検により)「病変全体の評価での」非浸潤癌の診断でも無い限り、「センチネルリンパ節生検」は行わなくてはなりません。
♯もしも、後で「浸潤癌が見つかった場合」に「リンパ節転移の可能性」を考慮しなくてはならないからです。
「これでいいのでしょうか」
⇒(術後の)病理結果を確認しましょう。
もしも「全体が非浸潤癌」であったならば、「結果オーライ」で、「センチネルリンパ節生検を後で追加する」必要はありません。
ただ、「一部でも浸潤部分が見つかった」ならば、後日「センチネルリンパ節生検の追加」を検討すべきです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生
お忙しい中のご回答ありがとうございます。
手術の結果がでました。
以下の通りです。
臨床的診断 左乳がん
病理的診断 intraductal carinoma (cribriform)
占拠部位 CA
病変部大きさ 0×0×0cm=浸潤癌部(4.5×4×2cm=病変全体)
脈管侵襲 1y0 v0
乳管内進展 (+)
組織的悪性度 核異型 スコア2 核分裂像 スコア1
リンパ節 提出されず
切除断端 内側、腋窩、頭側、尾側、深部断端、皮膚 すべて陰性
病理学敵的コメント
追加切除された標本内に乳管内病変を認める(標本0)が、切除断端への露出はみられない。
HER2 などの項目がなっかたのでもっと詳しく知りたいと言ったら、検査会社に問い合わせるとでした。
針生検ではなく日帰り手術です。
診療費請求明細表には
手術 乳腺悪性腫瘍(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない)
麻酔 静脈麻酔(十分な体制で行われれる長時間)(単純な場合)とありました。
クリニックに入ってから帰るまで3時間程だったと思います。
電車で1時間の道のりを帰ってきました。
(もちろん付添はいましたが)我慢できないような痛みはなく、処方されたボルタレン(25m)1錠飲んだだけです。
抗生物質は処方されませんでした。
金曜日に手術して月曜日から普通に働いています。
胸の傷さえなければ癌の手術をした
なんて信じられないくらいです。
その点は感謝しているのですが、あまりにも標準手術と違うので不安です。
手術前にセンチネルリンパ節生検をしないのかと尋ねたら、ちょっとエコーをみせながら大丈夫とのでした。
(手術前検査時は技師の人がやりました。
田澤先生のように検査時からやったわけではありません。)
乳癌の専門医で認定施設です。
パンレットには、センチネルリンパ節生検や針生検のことが書いてあったので当然やってくれるものと思っていました。
上記の検査結果においての先生のご意見を頂きたいと思います。
拙い文章で申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
pTis, cN0
病理結果、本当に良かったですね。
前回の回答で「⇒(術後の)病理結果を確認しましょう。
もしも「全体が非浸潤癌」であったならば、「結果オーライ」で、「センチネルリンパ節生検を後で追加する」必要はありません」
と回答しましたが、その通りになりましたね。
大変良かったです。
「HER2 などの項目がなっかたのでもっと詳しく知りたいと言ったら、検査会社に問い合わせるとでした。」
⇒非浸潤癌だから「HER2は適応外」となります。不要です。(勿論Ki67も適応外です)
ER, PgRは測定してもいいですが「ホルモン療法はそもそも不要」に思います。
「上記の検査結果においての先生のご意見を頂きたいと思います。」
⇒冒頭で記載した通りです。
結果的に「全てが非浸潤癌だった」わけですから、「結果オーライ」です。
あとは「術後照射だけ」となります。
質問者様から 【質問3 非浸潤癌の標準治療が行われなった。】
性別:女性
年齢:53歳
病名:非浸癌再発?
症状:
田澤先生こんにちは
以前田澤先生にご相談した者です。
毎日不安の中にいて、先生のご回答を何度も読み直し、励まされました。
ありがとうございました。
残念ながら、また先生にご相談することになってしまいました。
2016/3 手術
2016/5~6 放射線26回照射。
ホルモン治療はしておりません。
4か月1度エコー検査、1年1回マンモグラフィーを行っています。
(前回マンモグラフィー 2018/3月中旬 エコー 2018/7月下旬)
12/(上旬)のエコー検査で、左乳頭上に硬いものがり非浸潤癌の疑いがあることから、MRI
をうけてきました。
4か月前の検査では異常なし。
右乳房はホルモンの影響があるが、左はきれいだとおっしゃていました。
4か月前どう違うのか質問したら、4か月前は見つからないと言われました。
①再発でななく、新たに発生したものと思っていいでしょうか?
以前はグレードが低いものでしたが、今回は進行が早いものなでしょうか?
②いつもは技師がエコー検査をするのですが、今回は主治医が検査しました。
技師が見逃していたのでしょうか。
③全摘手術になるかと伺いましたが、その必要はないとおっしゃいました。
全摘すれば根治となると考えていいでしょうか?
放射線治療を受け、開腹手術痕があると再建手術は時間がかかります?
主治医は経験も長く、1年間の手術件数も多乳腺専門医ですが、
エコーだけで癌を識別できるのでしょうか?(今回はマンモなし)
放射線後に癌ができていたとしても、4か月でエコー識別できたとういことは、
急に成長する非浸潤癌(浸潤癌)を、田澤先生は経験されたことありますか?
今頭の中が???で充満して、まとまりのない文章でもうしわけありません。
お忙しいところ恐縮ですがご回答お願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「①再発でななく、新たに発生したものと思っていいでしょうか?」
→不明です。
病変の位置が参考にはなります。
「②いつもは技師がエコー検査をするのですが、今回は主治医が検査しました。技師が見逃していたのでしょうか。」
→判断できる根拠がありません。
「全摘すれば根治となると考えていいでしょうか?」
→非浸潤癌であれば、そうなります。
「 放射線治療を受け、開腹手術痕があると再建手術は時間がかかります?」
→再建術式次第です。(形成外科医と相談してください)
「エコーだけで癌を識別できるのでしょうか?(今回はマンモなし)」
→質的診断にマンモは不要
組織診は必須です。
「 放射線後に癌ができていたとしても、4か月でエコー識別できたとういことは、 急に成長する非浸潤癌(浸潤癌)を、田澤先生は経験されたことありますか?」
→癌なのかどうか根拠がありません。
まずは診断を、つけてもらいましょう。
質問者様から 【質問4 非浸潤癌の標準治療が行われなった。】
性別:女性
年齢:53歳
病名:非浸癌再発?
症状:
田澤先生
お忙しい中のご回答ありがとうございます。
MRIの結果がでました。
左乳房造影MRI
2016年2月(中旬)日の左乳房造影MRIと比較しました。
所見
左乳房術後です。
左乳房A/C領域の縦18.6mm、横12.2mmの範囲に多結節型の濃染病変がり、索状の造影効果が乳頭に連続しています。
拡散低下ははっきりしませんが、病変の一部が早期濃染パターンを呈しており、形態からも乳管内進展をきした再発病変を疑います。
上記の右上方、A領域4mm大の小結節が2つあり、娘病変を疑います。
右乳房A/B領域に認められるTI協調画像で高信号を示す円形結節は前回と変化ありません。
まとめ
左乳癌術後疑い。
主治医は手術は局所麻酔で行う予定だが、希望があれは全身麻酔、センチネルリンパ節生検は必要なし。
リンパも腫れていない。
他へいったら全摘だよ。
ウチではこのやり方で今まで何ら問題ない。
手術というより摘出生検と感じるのですが。
あまりにも標準治療と離れていると感じるのでので、他院の紹介状を頼んでいますが、
その際、摘出生検を行い確定して頂いたほうが良いですか。
もしも病変が微小の場合は全摘は避けることはできるのでしょうか。
全摘を覚悟していましたが、避けたい気持ちもあります。
田澤先生に診察、手術となるとかなり先になってしまうのでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですがご回答お願いいたします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「摘出生検を行い確定して頂いたほうが良いですか。」
→針生検で確定診断してもらいましょう。
「もしも病変が微小の場合は全摘は避けることはできるのでしょうか。」
「全摘を覚悟していましたが、避けたい気持ちもあります。」
→温存術後(術後照射もしている)なのだから、原則「全摘」です。
ただし、「それ(リスク)を承知の上での」再温存(無論、術後照射は2度できません)は「病変が小さければ」可能です。
「田澤先生に診察、手術となるとかなり先になってしまうのでしょうか。」
→手術は1か月半後が目安。
診察は「それに合わせた」案内となります。