[管理番号:6298]
性別:女性
年齢:37歳
田澤先生はじめまして。
昨年7月に単行性血性分泌に気付き、慌ててクリニックに駆け込むもなかなか乳管造影にこぎ着けず、しかし田澤先生のアドバイスをもとにしつこく訴え続けたところ、今年2月にようやく紹介状を書いてもらい、
そこからは迅速に3月に乳管造影・腺葉区域切除を受けることができました。
いろいろな情報が溢れるネットの中で信頼できる貴重な情報を分
かりやすくご提供いただき、心より感謝申し上げます。
手術の結果は残念ながら非浸潤癌でしたが、その後受けた造影MRIでは
その他の病変は認められず、また病理結果はグレードⅠとのことでした。
断端も陰性とのことですが、マージンはあまりとっておらず、また局所麻酔下での手術であったことが気にかかっています。
なかなか執刀医にしか分からないこととは存じますが、このような場合の局所再発リスクはどの程度とお考えになりますか?
いろいろ調べていると、再発の場合は浸潤癌となることも多いという記述も目にし、その理由も気になっています。
例えば半年に一度エコー、一年に一度マンモ等を受けていてもそのような結果となるのでしょうか?
順当にいけば今後は放射線治療となり、来週スケジュールを決めると言われていますが、できる限り局所再発をなくしたいという思いも強くあります。
今後の精神的な安定なども考慮すると、全摘でもいいかなとも考えていますが、現段階での全摘は過剰治療になりますでしょうか?
現時点では私はどこか別に浸潤癌がある可能性を考える必要はなく、全摘してしまえば根治と考えて大丈夫でしょうか?
まだ告知より日が浅く、早期発見と理解しつつも不安が募っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私は「局麻下での乳管腺葉区域切除」には反対の立場です。
そもそも(適当に切るのではなく)「染色された乳管を末梢まで完全に切除」するには、局麻で邪魔されながら(局麻自体、視野の妨げとなるし、患者さんの「痛い」という訴えが切除範囲の制限となるのです)の手術では「あくまでも診断目的」と考えるべきです。
♯全麻できちんと末梢まで切除すれば、(病理結果次第では)治療も兼ねることも多い
「このような場合の局所再発リスクはどの程度とお考えになりますか?」
⇒上記コメント通り…
(私には)診断目的と割り切るべきではないかと思います。
「例えば半年に一度エコー、一年に一度マンモ等を受けていてもそのような結果となるのでしょうか?」
⇒乳房内再発(非浸潤癌)の時点で見つける事ができるので、(その場合には)「全摘」すればそのような事態にはなりません。
「現段階での全摘は過剰治療になりますでしょうか?」
⇒そうは思いません。
「根治」を優先するなら、至極当然な選択です。
「 現時点では私はどこか別に浸潤癌がある可能性を考える必要はなく、全摘してしまえば根治と考えて大丈夫でしょうか?」
⇒ほぼ間違いないでしょう。
質問者様から 【質問2 血性乳頭分泌で発見された非浸潤癌】
性別:女性
年齢:37歳
お忙しい中、迅速なお返事を頂きましてありがとうございます。
主治医に局麻下の腺葉区域切除の結果に不安があると訴えたのですが、
取り切れているので大丈夫とのことでした…。
腺葉区域切除はあくまでも診断目的だとしても、私のように断端が陰性だった場合は追加切除等の検討をすることは難しいのでしょうか?
もう1点不安なことは、手術前に主治医は他院で撮影したマンモ画像と乳管造影のみで判断されており、術後に造影MRIを撮ったことです。
手術時にきちんと拡がりが把握されてたのか、と考えると心配が募りますが、この点は気にしなくても問題ないのでしょうか?
主治医からは、今後ブースト5回プラス25回の放射線治療を受けることで局所再発率は5%以下になり、したがって対側よりも理論的にはリスクが下がるのだから全摘は必要ないと言われました。
果たして本当に局所再発率はその程度と考えていて大丈夫でしょうか?
十分に初期の状態で発見された非浸潤癌と理解はしていますが、やはり不安があり再度質問させて頂きました。
お忙しいところ恐れ入ります
が、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「手術前に主治医は他院で撮影したマンモ画像と乳管造影のみで判断」
「手術時にきちんと拡がりが把握されてたのか、と考えると心配」
⇒問題ありません。
私は乳管腺葉区域切除の際には(術前どころか)術後にもMRIは撮影しません。
「本当に局所再発率はその程度と考えていて大丈夫でしょうか?」
⇒それは誰にも解らない事ですが…
皆さんが考えている程には(一般的に)局所再発は少ないのです。
それよりも、質問者が心配ならば…
きちんと(乳房内再発があっても、対処できるように)きちんと超音波で経過をみてもらうことが重要です。