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皮膚の状態

[管理番号:4307]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
乳がんと診断されてから毎日こちらのサイトを拝見させていただき、正しいことを学び不安な心を落ち着かせています。
本当にありがとうございます。
私は47才。
子ども一人、授乳は一年半。
15年くらい前から今までほぼ毎年婦人科健診を受け、エコー検査はしていました。
異常なしです。
他に乳腺関係では
2011.3 右乳房の乳腺が痛みAクリニック乳腺外科を受診→マンモとエコー検査、結果は年齢の割に乳腺がたくさんあり、乳腺症の診断。
2015.9 市の乳がん健診の触診で右下外側乳腺が外れている感じがするとのことで念の為再検査。
マンモは異常なし→再びAクリニックを受診。
すべて異常なし。
2016.10 Aクリニックにて触診→異常なし。
このときマンモ、エコーは予約が取れずにまとめて診察できるとのことで翌年受診予約。
2017.1 マンモ異常なし、エコーにて悪性発見。
今に至ります。
針生検結果
浸潤性乳管がん【右外側】
脂肪組織に浸潤あり
大きさ 2センチ弱
リンパ節 エコー、CTでみる限り転移なし
ホルモン、どちらも90パーセント以上
her2 +1
MIB 20
グレード 1【2+1】
ルミナールA
手術は温存予定で、二週間後の予定です。
診断がくだり主治医は若いドクターからベテランドクターにかわり、
診断結果も心配症な私に丁寧に説明してくれて「大人しいがんです。」と仰られていました。
そして「最初の2011年の受診ときから恐らくがんはあった。
もっと前からあったはず。
マンモに写らないのが残念でした。」とも言われていました。
私もせめて2015年のときに組織検査をしておけば良かった、最初からベテラン先生に診てもらっておけば良かったと悔やみました。
質問なのですが、
数日前より患部【しこり】に近い場所の皮膚が1センチ位の薄いピンク色になっていることに気づきました。
ジュクジュクはしてなく表面はデコボコもない感じです。
肌の色が白いため、余計目立つ感はあります。
しこりはそんなに皮膚に近い場所でもないように思います。
これは皮膚転移または皮膚浸潤にあたるのでしょうか。
よくみなさんが皮膚は赤くないですと言われていますが、どういう状態を指すのか分かりません。
これがあることによりステージが上がったり手術が出来ないとかあるのでしょうか。
告知され1ヶ月経過し、絶望的な日々から徐々にがんを受け入れて前向きに頑張ろうと思っていましたが、恐ろしくてたまりません。
また3週間前の生検後からしこり付近が大きくなった感じです。
これは生検の影響でしょうか。
大人しいがんでも時が経てば広がっていくということで最低6年前から
【主治医は約十年前と言っていました】右胸にあったがんは相当広がっているのでは?と考えてしまいます。
お忙しいところ恐縮ですが、教えていただけたらと思います。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「患部【しこり】に近い場所の皮膚が1センチ位の薄いピンク色になっている」「しこりはそんなに皮膚に近い場所でもない」
⇒生検の影響だと思います。
「これは皮膚転移または皮膚浸潤にあたるのでしょうか。」
⇒絶対に違います。
「これがあることによりステージが上がったり手術が出来ないとかあるのでしょうか。」
⇒ありません。 ご安心を。
「また3週間前の生検後からしこり付近が大きくなった感じ」「これは生検の影響でしょうか。」
⇒その通りです。
 「しこりそのもの」というよりも周囲の組織の「浮腫み」や「皮下出血」の影響です。
「右胸にあったがんは相当広がっているのでは?と考えてしまいます。」
⇒全くの誤解です。
 癌は「一つの癌細胞」が誕生してから、画像で写るまでに5年位はかかり、そこから増大するわけです。
 最初から広い範囲にあるわけではありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
以前4307でお世話になったものです。
先生からのお言葉で心がスーッと楽になり、無事手術に臨めました。
本当にありがとうございました。
今回は術後の不安だらけな状態にご助言いただけると助かります。
現在術後3か月。
別病院にて照射25回が終了して次の診察待ちです。
●右乳腺部分切除+センチネルリンパ節生検
●浸潤性乳管がん【硬がん】右CD 
術前 → 術後
・大きさ 18ミリ → 20ミリ
・リンパ節転移 0 → 1/5【術中も陰性。
サンプル的に取った中に転
移あり】
・ホルモン ERおよびPGR 90% → 70%
・HER +1 → +1
・グレード 1【2+1】→ 2【2+2】
・K1-67 20 → 測定なし
病理にて
・f(+),ly(+),V(-),S(-),断端陰性
以上の事からステージ2Aとの結果でした。
 
質問は以下のことについてです。
・リンパ節転移について。
QAの1399の方と全く同じ状況だと思うのですが、
術後の病理でたまたまとったリンパの中に転移があったことを告げられ驚いてしまいました。
やはりリンパ節生検の失敗ということでしょうか。
奥にもっと沢山の転移がったのでは?と思うとたまりません。
主治医は画像上も転移は無かったし、このリンパが頑張ってくれたはず!と根拠のないことを仰り、益々不安です。
そのようなことから浮腫は恐ろしいですが、放射線を腋下にあてました。
もう一度リンパ節生検の手術をした方が良いのでしょうか。
また、リンパ節生検の傷が私にはないのですが、これも大丈夫なのでしょうか?
・K1-67
この病院は術後の数字は出さないようで、術前の20でルミナールAとしています(30を境界線としているそうです)
これも不安なので(グレードも1から2に上がったのもあり)オンコDXをしたいと申し出ましたが、必要なしと言われそれきりです。
抗がん剤はできればしたくはないのですが、本当にこれでよいのか不安です。
・ホルモン
術後3か月以上経過しますが、いまだにホルモン剤を服用していません。
2週前に放射線が終わり現在無治療です。
こんなにのんびりしていて大丈夫でしょうか。
・術後の痛み
術後からずっと手術した右乳房の左下(右CDの部分切除なのでB領域でしょうか)が痛みます。
走っても少し当たっただけでも酷いときは寝ているときも痛みます。
照射後はさらに痛みが強いです。
術後はこんなものなのでしょうか?それとも何か別のところが悪くなっているのでしょうか。
更にこれは照射後からなのですが、右の胸骨がズキーンと痛みます。
これは放射線の影響でしょうか?
最後になりますが、主治医は術前術後一度もエコーも触診もしてくれません。
今後は一年に一度の造影CTとマーカーと言われました。
上記のような結果なので(本当にステージ2なのかも不安です)
大変申し訳ないのですが、田澤先生の診察を市川で予約してしまいました。
出来れば先生のところへ転院したいと思っています。
もしも転院した場合、それからオンコDXは依頼できますか?
もう遅すぎますでしょうか?
長々と申し訳ありません。
今の病院にいたら不安で押し潰されそうです。
本当に田澤先生に手術をしていただきたかったと後悔しております。
 

田澤先生から 【回答2】

今日は。田澤です。
「リンパ節転移 0 → 1/5【術中も陰性。サンプル的に取った中に転移あり】」
⇒これは「微小転移」ですか?
 肉眼的転移(>2mm)の場合は、術中迅速診断で見逃すことは殆ど無いと思います。
 それとも…
 「たまたまとったリンパの中に転移があった」という表現が正確ならば、
 「センチネルリンパ節」として(術中迅速病理診断に)提出したリンパ節には転移はなく、(術中迅速病理診断に提出せずに)「ついでに取った(術中に気になったから?)リンパ節に転移が見つかった」ということなのかもしれませんね。
「やはりリンパ節生検の失敗ということでしょうか。」
⇒(もしも後者だとしたら)そういうことになります。
 ♯前者ならば、病理医側の問題となります。
「奥にもっと沢山の転移がったのでは?と思うとたまりません。」
⇒結果的に5個とって1個だけであれば、その確率は「かなり低い」と考えて結構です。
「そのようなことから浮腫は恐ろしいですが、放射線を腋下にあてました。」
⇒結果的に「腋窩郭清をしていない」という意味では(もしも肉眼的転移ならば)選択肢として入るのでしょう。(私なら腋窩に照射することは避けますが)
「もう一度リンパ節生検の手術をした方が良いのでしょうか。」
⇒不要です。
 さすがに腋窩照射までして、今更「腋窩郭清」は不適切です。
 それよりも、(担当医に)「きちんと3カ月に1回超音波してもらう」ことの方が重要です。(3カ月に1回通院しているのだから)
「また、リンパ節生検の傷が私にはないのですが、これも大丈夫なのでしょうか?」
⇒乳腺の傷から行っているのだと推測します。
「この病院は術後の数字は出さないようで、術前の20でルミナールAとしています(30を境界線としているそうです)」
⇒術前の数値はあくまでもサンプリングなので、本来は術後の病変全体で評価すべきでしょう。(結局ルミナールAとなる可能性は高そうですが)
「術後3か月以上経過しますが、いまだにホルモン剤を服用していません。2週前に放射線が終わり現在無治療です。こんなにのんびりしていて大丈夫でしょうか。」
⇒放射線とは併用しても構わないものですが…
 ただ、全く慌てる必要はそもそもありません。
「術後はこんなものなのでしょうか?それとも何か別のところが悪くなっているのでしょうか。」
「更にこれは照射後からなのですが、右の胸骨がズキーンと痛みます。これは放射線の影響でしょうか?」

⇒手術に関連した痛みのようです。
「最後になりますが、主治医は術前術後一度もエコーも触診もしてくれません。」
⇒理解の域を超えています。
「今後は一年に一度の造影CTとマーカーと言われました。」
⇒CTなんか撮る前にやることがあるでしょう。
「もしも転院した場合、それからオンコDXは依頼できますか?もう遅すぎますでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 OncotypeDXやると不安も解消されることでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

皮膚の状態
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生、こんばんは。
管理番号 4307 で2度ほど質問させていただきました。
さらに 7月1日に市川でも直接診ていただいた ID○○ ○○ です。
その節は大変お世話になりました。
診察時は診て貰えることに舞い上がってしまい、うまく説明できずにすみませんでした。
以後、今までの悩みが全てなくなり、乳がんということを忘れて生活できるようになりました。
ありがとうございました。
今回は新たに不安が生まれたため教えて下さい。
先日より皮膚の傷のすぐ下にできものができて、固くコリッと表面はつるっとしています。
大きさは米粒より小さい程度でしょうか。
色もピンクのような違うような曖昧なのですが。
場所は乳房内でなく丁度ブラジャーのカップとの境目あたりです【当方の傷は温存ながらセンチネンタルの傷がなく乳輪から腋までながい一直線です】
よく傷に近い出来物やニキビ様のものは再発【局所再発?】を表すと聞いたりしますが、これもそうなのでしょうか。
術後半年足らず、放射線終了して3ヶ月で再発などあるのでしょうか。
次回いま通っている病院にいくのは1か月後です。
それより早く診てもらった方がよいでしょうか。
田澤先生の予約は12月頭にとっています。
万一再発【局所再発】であった場合で手術が必要ならば田澤先生にお願いしたいです。
この場合はどのような手術になるのでしょうか?
お手間を取らせてしまい申し訳ございません。
ご助言いただけると幸いです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
皆さんが「皮膚転移」を気にする気持ちも解りますが(皮膚は見た目で認識しやすいからでしょう)実際の皮膚転移はかなり特殊な状況(術前に腫瘍が皮膚に顔を出している状態で2-3年放置した)で無い限りは、そう簡単にはでません。
♯そのような(そもそも)「(手術時に)皮膚に広範囲に残存していた」場合か、
(不幸にも)数年経って(血行性に)全身再発した際に血行性転移のひとつとして出現することが殆どなのです。
 ○質問者のような(普通の)早期乳癌の術後早期に心配することは全くありません。
「次回いま通っている病院にいくのは1か月後です。」
⇒それで十分です。
 それまでは毎日見ていればいいのです。
☆通常の早期乳癌の早期に起こりうるのは(皮膚転移ではなく)「手術時に取り残したもの(純粋な局所再発)」であり、それは「創部そのもの」にできるのです。