[管理番号:8336]
性別:女性
年齢:38歳
病名:左乳管拡張
症状:
投稿日:2020年3月2日
田澤先生
初めまして。
ご多忙の中、恐縮です。
38歳、会社の健診結果(2020年2月)が届きました:「乳房超音波検査の結果、左乳房に乳管拡張が認められます」。
生殖器がんの家族歴が濃厚のため心配になりました。
精密検査が必要かどうか、どのような検査を受けた方がよいかお聞きしたいです。
「家族歴」
乳がん、子宮がん、精巣がんを含め家族の中で生殖器がんの人が多いため、遺伝子パネル検査を予定しております。
昨年年末に検査を予定していましたが、大学病院側の体制整備が大分遅れたため、今年8月に延期されました。
「出産と授乳歴」
2017年1月出産、6月に右乳房(左ではありません)に乳口炎のため断乳。
断乳後、左乳房
の自覚症状として、強烈な痒みを時々感じます。
現在痒みはありません。
「直近の乳がん検診」
2017年8月、2018年1月、超音波検査では異常なし
「他のリスクファクター」
アッシャーマン症候群を経って、体外受精で子供を受かりました。
卵胞ホルモン剤投与は3-4年間続いていました。
今回の健診は医師の触診や結果説明がありませんでした。
家族歴のこともあり、乳管拡張の
原因が気にするので、メールさせて頂きました。
精密検査が必要かどうかアドバイス頂ければありがたいです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず「乳管拡張」は異常なことではありません。
乳管はいろいろな原因で拡張します。
その殆どは「ホルモンのバランス(ホルモンの刺激症状)により」線維化がおこり乳管が閉塞/狭窄することで(分泌液の流れが堰き止められ)拡張します。
稀に「乳管内に腫瘍があり、乳管が拡張する」ことがあります。
後者(乳管内の腫瘍により拡張)の場合にはエコーで、それ(腫瘍)が認識できるので、その場合の所見は(乳管拡張ではなく)「乳管内腫瘍(もしくは「腫瘍」疑い」特別されます。
☆つまり、ただの「乳管拡張」は前者(腫瘍が原因ではない)なので、気にする必要なし(要精査とはならない)のです。
「精密検査が必要かどうか」
⇒不要です。(実際、その検診結果では「要精査」とはなっていない筈です。「経過観察」となっていますね?)
「どのような検査を受けた方がよいかお聞きしたいです。」
⇒エコー以上の検査などありません(不要です)
「生殖器がんの人が多いため」
⇒とありますが…
実際に乳がんと関係あるのは「卵巣癌だけ」です。(子宮は乳癌とは全く無関係)
ご安心を。
「断乳後、左乳房の自覚症状として、強烈な痒みを時々感じます。」
⇒これは「ホルモンの刺激症状」です。
乳癌とは無関係
ご安心を。
「精密検査が必要かどうか」
⇒不要です。
ご安心を。
その検診結果には(おそらく)「要経過観察」となっているかもしれませんが、乳管拡張は経過観察するようなもの(異常)ではありません。
通常通り1年に1回の定期健診でいいのです。
ご安心を。