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ハーセプチン・パージェタ治療を所定回数完遂すべきか

[管理番号:8659]
性別:女性
年齢:52歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:しこりの大きさ3.5センチ、ステージ3A リンパ節転移9/14、レベル2の範囲まで郭清済。
軽度のリンパ浮腫。
エストロゲンレセプター陽性、プロゲステロンレセプター陽性、HER2レセプター3+
グレード1、Ki67 15%
投稿日:2020年6月19日

分子標的薬の治療を、主治医に提案されている17回完遂すべきか悩んでいます。

昨年6月右全摘手術、7月初めにCVポートを入れ、3日後から術後化学療法開始。
仕事をしながらEC三週間ごと3回、ドセタキセル・パージェタ・ハーセプチン三週間ごと4回、パージェタ・ハーセプチン三週間ごと9回まで終了したところです。

ドセタキセル終了後に放射線25回完遂済。

副作用があまりに辛く、ECは4回予定のところ3回で切り上げました。
主治医はここまでで投与量は十分足りている(エピルビシン130ミリ×2回、副作用が強いことを訴え3回目は110ミリに減量)から大丈夫、これ以上投与量を下げるより次に進んだ方がいい、とのことでした。

ワイパックスも出して頂きましたが、感受性が強いのか意気地がないのか、私は匂いや色など治療を連想するものを見たり想像したりするだけで吐き気がする日々。
ドセタキセルと併せて始めたパージェタ・ハーセプチンの初回治療時は点滴中に嘔吐してしまいました。
鬱々とした気持ちを抱え、当初に比べ副作用は軽くなっているものの、治療に対するモチベーションは下がる一方です。
何とかパージェタ・ハーセプチン13回までたどり着きましたが、軽い吐き気と爪のもろさ、皮膚のかゆみ、乾燥や関節痛、不眠など、地味な副作用に悩まされ続けてなお、全てやり切る必要はないのではないかと強く感じるようになりました。
罰当たりかもしれませんが、完治させることへの執着はありません。

タモキシフェン服用が放射線終了後始まりましたが、副作用と女性性を失う恐怖から飲んだり飲まなかったり。
現在は主治医指示の元で服用を休止(分子標的薬が終わってから再開の予定)しています。

ECもドセも放射線もやり切りました。
パージェタ・ハーセプチンは八割までやりました。
娘も主人も職場も十分すぎるほど協力してくれていると感じていますが、治療を受けると必ずパフォーマンスは落ちます。
これ以上周囲に迷惑をかけたくありません。

もう十分だと思うのです。
時間とお金を犠牲にし、副作用に悩んでまで、残り4回を完遂する価値が果たしてあるのでしょうか。
心臓の異常は今のところありません。
副作用について主治医に相談し軽減する薬を処方していただくなど工夫していますが、薄紙を剥ぐ程度にしか改善を実感できません。
家族はもう止めていいよと言ってくれています。
その言葉に甘んじて良いものか、この病気になったからには腹をくくるべきなのか。
また、治療を中途で止めた場合、患者との関係性において何か不具合は生じるものでしょうか。

先生の見解をお教えくださいませんでしょうか。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

物事はシンプルに考えましょう。
今出ている副作用は「ドセタキセルの名残」と「(休止したようですが)タモキシフェンによる鬱」です。

Trastuzumab+pertuzumabを辞めても、その状況に何ら変わりはありません。
それなら、続けるべきでは?

「先生の見解をお教えくださいませんでしょうか。」
⇒上記通り。
 Trastuzumab+pertuzumabを中止しても、「何も良くならない」ですよ?(ドセタキセルとタモキシフェンの副作用は「時間」でしか抜けていきません)