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抗ガン剤なしのハーセプチンの単独投与の有効性について

[管理番号:8318]
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2020年2月25日

田澤先生どうかよろしくお願い致します。

2/(上旬)に左乳房切除術+エキスパンダーを挿入しました。

術前診断は非浸潤だったのですが、術後4ミリの浸潤が見つかりました。
サブタイトルはトリプルポジティブです。
ER85%、HER2
強陽性です。
センチネルリンパ節は9個とりましたが、転移はなく、脈管侵襲もありませんでした。
主治医は、補助療法として、
ホルモン剤療法と、抗ガン剤なしのハーセプチン単独投与を勧めてあります。
私自身はホルモン剤だけでお願いしようと思っていま
すが、正直、再発転移が怖いです。
(47歳で閉経しています)
果たして、ハーセプチン単独投与の有効性はあるのでしょうか。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「主治医は、補助療法として、
ホルモン剤療法と、抗ガン剤なしのハーセプチン単独投与を勧めてあります。」

⇒誤り。

 ハーセプチンの(抗がん剤と併用無の)単独療法に有効性は認めておらず、決して行ってはいけない治療です。

「果たして、ハーセプチン単独投与の有効性はあるのでしょうか。」
⇒ありません。

 そもそも質問者は「浸潤径4mm=抗がん剤の適応無=抗HER2療法の適応無」です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

トリプルポジティブ乳がんの再発転移の可能性について
性別:女性
年齢:49歳
病名:
症状:
投稿日:2020年3月2日

田澤先生、先日はありがとうございました。
どうぞよろしくお願い致します。
2/(下旬)に術後の病理結果を正式に聞きにいきました。
浸潤は4ミリ×3ミリあり、乳房内伸展は、88ミリ×26ミリのコメド壊死でした。
ki-67 6.6%、グレード 2でした。
主治医は、単独のハーセプチン投与と、ホルモン療法(ノルバデックス)を勧めましたが、私はホルモン療法だけを選びましたが、再発転移が怖いです。
この場合、無治療だと5年、10年だと、どれくらいの再発率があるのか知りたいです。
ホルモン療法だけだと、どれくらいの再発率なのか、果たしてハーセプチンの単独投与の必要があったのか、抗ガン剤を含めた抗HER2療法をすると、再発率がどれくらい下がるのか、教えていただけませんか?トリポジですが、この場合、超早期と思っていいのでしょうか?再発リスクは極めて低く、ほとんどないと思ってて良いのでしょうか?そもそも無治療でも再発率は、5%未満でしょうか?とても不安です。
HER2強陽
性と聞いただけで恐ろしいです。
主治医の勧めた補助療法を断ったのもあるので、不安で不安で仕方ありません。
どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

前回、回答したように…
(いくら早期だからと言っても)ハーセプチンの単独療法は、決して行ってはいけない治療です。(このQAでも早期乳癌で担当医からハーセプチン単独使用を提案されていることを「しばしば」目にしますが、それには大変困ったことです)

「この場合、無治療だと5年、10年だと、どれくらいの再発率があるのか知りたいです。」
⇒浸潤径4mmだから
 5%以下です。

「ホルモン療法だけだと、どれくらいの再発率なのか」
⇒もともと再発率が(無治療でも)低いので「ホルモン療法による上乗せ」も微々たるものだとは推測します。

「果たしてハーセプチンの単独投与の必要があったのか」
⇒何度もコメントするように…

 それは無意味だし、決して行ってはいけない治療です。

「抗ガン剤を含めた抗HER2療法をすると、再発率がどれくらい下がるのか、教えていただけませんか?」
⇒一般的に浸潤径5mm以下では抗がん剤の適応がありません。

「トリポジですが、この場合、超早期と思っていいのでしょうか?」
⇒勿論です。

 何か勘違いしていますか??
 「ステージとサブタイプは無関係」です。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

トリプルポジティブ浸潤4ミリのホルモン療法について
性別:女性
年齢:49歳
病名:
症状:
投稿日:2020年3月8日

田澤先生、先日はありがとうございました。
どうぞよろしくお願い致します。
私は47歳で閉経しています。
主治医はノルバデックスを勧めました。
理由は、アロマターゼ阻害薬は、油切れしちゃうのと、(関節痛?)生理が再び始まる可能性があるとのことでした。
ノルバデックスを服用して10日あまり経ちますが、関節痛や筋肉痛から始まり、気持ちの落ち込みや、不安、左の下腹部痛もあり、吐き気や眩暈も出てきました。
透明なおりものも増え、なんとなく痒みも出てきました。
次の受診時に、アロマターゼ阻害薬に変更をお願いした方がいいのか、それとも、もう無治療でもいいのか教えて下さい。
精神面は加味逍遙散(以前、服用していたのが余ってたので)を服用すると、少し落ち着きます。
関節痛も少し慣れてきましたので、頑張ってノルバデックスをしばらく続けた方がいいのか、先生が仰ったように、ホルモン剤を服用しても、そう上乗せがないのであれば、無治療でもいいのかな…って思ってしまいます。
トリポジであっても、浸潤4ミリは、無治療でも、再発はほぼ無い(5%以下)と思っててよろしいでしょうか。

また、何かの記事で読んだのですが、ホルモン療法が効き始めると、HER2を刺激すると書いてあったのですが、そんなことはないのでしょうか?そうなるとやはり、ホルモン剤は服用しない方がいいのかなって思ってしまいます。
どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「アロマターゼ阻害薬に変更をお願いした方がいいのか」
⇒その場合には条件が3つあります。

1.タモキシフェンを休薬して(様々な)副作用が収まってから開始すること。
2.最終月経から1年以上経っていること。
3.血中エストラジオールが低値であること。

 上記を全て満たすならば試してもいいとは思います。

「それとも、もう無治療でもいいのか教えて下さい。」
⇒そもそも早期なのだから、無理してまで行うべきではありません。
 
 上記3つの条件が当て嵌まるならばあるまたーぜ阻害剤を試してもいいですが、
(それが怖いなら)このまま無治療でも何ら問題ありません。