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5mm未満の浸潤径に対するハーセプチン療法について

[管理番号:6448]
性別:女性
年齢:60歳
 いつもお忙しい中のご回答に感服して勉強させていただいております。
 昨日浸潤径3×4mmに対するハーセプチン療法を医師から提示されました。
医師からもらった情報は簡単なものですので不十分かもしれません。
2月の検診で左乳房に石灰化があり受診。
まず乳腺症でしょうと言われながらマンモ、超音波、MRI、生検と進み結果は以下でした。
左乳房非浸潤癌 ステージ0
エストロゲン、プロゲステロンとも陰性
HER2=3+
Kiー67=30%
癌が乳管内に広がっていたので4/(下旬)に左乳房全摘出しました。
術後病理検査の結果が昨日以下のように出ました。
左浸潤性乳管癌 一部浸潤性微小乳頭癌
大きさ 4×3mm 多発性
非浸潤癌 30×20mm
リンパ節転移なし(0/3)
リンパ管侵襲あり
エストロゲン・プロゲステロン受容体 陰性
HER2 陽性
Kiー67 20%
ステージ1
5mm未満は必須ではないが、悪性の強いタイプの癌で再発した場合は
やっかいですからと以下の治療を提示されました。
化学療法 FEC療法4回(3週毎)
その後 ハーセプチン 3週毎 1年間
出来るものはしたいと即答してしまいましたが、先生ならどうされるかと思いお伺いします。
5mm未満は適応外、とおっしゃるのを何度も拝読しておりますが、ハーセプチン使用で予後の良いタイプ、というお言葉も頭から離れません。
今後の精神的な安心も含めて敢えて挑むのは無駄というものでしょうか。
ちなみにB型肝炎抗原陰性 抗体陽性
普段の検診では期外収縮の頻発をよく指摘されますが循環器の医師からは治療の必要はないと言われています。
似たような質問も多いとは思いましたが、全く同じ状況の質問をなかなか探せなかったので質問させていただきました。
お忙しいところ申し訳ありません。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「先生ならどうされるか」
「5mm未満は適応外、とおっしゃるのを何度も拝読しておりますが、ハーセプチン使用で予後の良いタイプ、というお言葉も頭から離れません。」

⇒質問者も予想されているように…
 私は5mm未満で抗癌剤は決して行いません。(無論、ハーセプチン単剤も行いません)
 何でもかんでも、やれば安心という考え方では、世の中無駄があふれてしまいます。(世の中にはバランスが必要なのです)
「今後の精神的な安心も含めて敢えて挑むのは無駄というものでしょうか。」
⇒「無駄」というよりも、「バランスを欠いている」ということです。(保険診療である以上、バランスは重要なのです)