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her2陽性乳癌の抗がん剤中止について

[管理番号:5875]
性別:女性
年齢:56歳
先生いつもQ&Aで勉強させていただいています。
私は7月に右乳癌と診断され9月に全摘同時再建の手術をうけました。
術前の診断では浸潤23ミリ、ホルモン陽性、her2 0 ki67 30%と
診断されていましたが 術後の病理検査で浸潤16ミリ、ホルモン陽性
 her2 +2(fish陽性) ki67 3% グレード1 リンパ転移なし
脈管侵襲なし と診断されました。
11月よりTC療法2クール終了し3クール目の投与前の診察で足に浮腫みが出ていることを伝えるとTC療法は終了して1月よりハーセプチンの投与を始めることになりました。
1クール目、2クール目ともに白血球の下がりがきつく毎回グランの注射を行っていました。
主治医には福作用が強めにでているので中止してハーセプチンをはじめたほうがいいといわれました。
TCをを2回で中止しても
ハーセプチンの効果はあるのでしょうか。
 
また私の場合再発率はどれくらいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
術前針生検の「HER2 0」⇒ 手術標本の「HER2 2+」も意外ですが、
「グレード1」や「Ki67=3%」とも随分乖離している印象があります。
「TCをを2回で中止してもハーセプチンの効果はあるのでしょうか。」
⇒効果はあると思います。
「また私の場合再発率はどれくらいでしょうか。」
⇒3年再発率は3%です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

術前の生検結果と術後病理検査結果の違いについて
性別:女性
年齢:56歳
先日は質問にお答え下さりありがとうございました。
突然抗がん剤が中止になり不安でしたが、ハーセプチンの効果があるということで安心いたしました。
ただ先生も仰るように術前はher2が0だったのにが術後には陽性となりki67も30%から3%になるなど病理結果が違いすぎてとまどいます。
術前は自宅近くの県立病院での検査でしたが、再建を希望したため大学病院で手術しました。
医師は大学から派遣された先生です
大学病院でも術前の検査結果と違いがあるので県立病院での標本をとりよせて再検査するという説明でした。
検査結果を大学病院で聞いたときはher2が陽性で間違いないとの説明は
受けましたがki67の数値が30なのか3なのかは聞いていません。
抗がん剤治療はもとの県立病院で受けましたがその時は先生のPC画面に
ki67 3%と表示されていました。
長々と書いて申し訳ありません。
私が質問したいのはこういう場合はやはり術後検査が正しいのでしょうかといういこと、またher2が陽性でもグレード1やki67が低いことは
あるのでしょうかということです。
もう治療が始まっているのに今更気にするようなことではないのかもしれませんが、大学病院では抗がん剤は必須だといわれていたのにあっさり中止になったのはグレードやki67の数値にも関連しているのでしょうか。
それから
抗がん剤が2回で中止になり体は楽になりましたがまだ浮腫みに悩まされています。
これはどれくらいで改善するものでしょうか。
また頭髪もほとんど抜けてしまいましたが、2回しか抗がん剤をうけていないので毛根のダメージが少ないと期待していいでしょうか。
そして私は本当に抗がん剤は必要だったのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「私が質問したいのはこういう場合はやはり術後検査が正しいのでしょうかといういこと」
⇒少なくとも…
 HER2については、(術後は)FISHで確認しているわけだから間違いないと考えます。
「またher2が陽性でもグレード1やki67が低いことはあるのでしょうかということです。」
⇒あります。
「大学病院では抗がん剤は必須だといわれていたのにあっさり中止になったのはグレードやki67の数値にも関連しているのでしょうか。」
⇒術後補助療法はあくまでも「再発予防目的」なので、「命を危険に曝す」べきでは(そもそも)ないのです。
「まだ浮腫みに悩まされています。」「これはどれくらいで改善するものでしょうか。」
⇒3カ月~6ヵ月が目安ですが…
 2回なら、それほど長くは続かないでしょう。
「また頭髪もほとんど抜けてしまいましたが、2回しか抗がん剤をうけていないので毛根のダメージが少ないと期待していいでしょうか。」
⇒その可能性はあります。(ただ、もともとTC4回でも一過性の影響だけと考えます)
「そして私は本当に抗がん剤は必要だったのでしょうか。」
⇒それは、その通りです。
 HER2陽性なのだから、抗HER2療法には抗癌剤は必須なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3 ホルモン治療の副作用について】

性別:女性
年齢:56歳
以前抗がん剤の中止について質問させていただいた時はありがとうございました。
抗がん剤の中止からもうすぐ3か月が経過します。
改善はされていますが足はまだ浮腫みがでています。
アリミデックッスの服用も初めて20日になります。
最近、股関節が痛く歩くのに不自由しています。
服用前は浮腫みによる怠さ以外は体中どこも痛いところはなかったので副作用だと思っています。
主治医からは「副作用はなにもない、以前服用していたホルモン剤(プレマリン)と似たようなもんだから」と言われました。
そんなはずはない、以前のプレマリンとは真逆の薬ではないのか、と思いましたが何もいえませんでした。
私はもともと骨密度も低く骨粗しょう症の不安もありますが投与前の骨密度の測定などはしていません。
このまま副作用がないと信じてアリミデックスを服用するのは不安です。
薬をかえることで関節痛はこのまま改善することはあるのでしょうか。
またネットなどでみる薬の違いに「非可逆性」と「可逆性」とありますがこれはなにが違うのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「アリミデックッスの服用も初めて20日」
「最近、股関節が痛く歩くのに不自由」
「服用前は浮腫みによる怠さ以外は体中どこも痛いところはなかったので副作用だと思っています。」

⇒その通り、副作用です。
 アロマターゼ阻害剤に良く見られる「関節痛」です。
「薬をかえることで関節痛はこのまま改善することはあるのでしょうか。」
⇒あります。
 まだ投与期間が浅いので、もう少し様子をみましょう。
「またネットなどでみる薬の違いに「非可逆性」と「可逆性」とありますがこれはなにが違うのでしょうか。」
⇒(原因を除去=薬剤を中止する)ことで改善するものを「可逆性(元に戻る)」といい、(薬剤を中止しても)改善しないものを「非可逆性(元には戻らない)」と言います。