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早期HER2陽性の術後化学療法について

[管理番号:7889]
性別:女性
年齢:58歳
病名:乳癌
症状:

いつもお世話になっております。
1か月ほど前から、毎日、サイトで勉強させていただいております。
過去のQ&Aも、自分のステージとサブタイプ関連の内容は、キーワード検索でほぼ読ませていただきました。
ありがとうございます。

左側部分切除後、病理検査に基づき、抗がん剤治療をするか否か、考慮中です。

核異型度1、ホルモン受容体陽性(ERのみ)、HER2は3+、リンパ節転移1の0、断端陰性、脈管侵襲なし、浸潤径は6×5㎜です。

5mm未満であれば無治療、5-10㎜適応であり、抗がん剤とハーセプチンを勧められており、近々、やるつもりではおります。
ただ、当該病院では5~20mmの場合はCEF3か月、となっていて、これはアンスラサイクリンということだと思います。

田澤先生もよく、非アンスラサイクリンで十分、とおしゃってますし、いろいろ検索した結果、そういう研究報告もたくさん目にしました。

もう7-8年も前から、非アンスラサイクリンの便宜性(安全性を担保した上で)、が明らかになっているのに、CEF、としか書いていないので不安になっています。

1)6㎜X5㎜であっても適応なんだからやっておいた方がベター、とお考えでしょうか。
2)また、当院ではこのレジメンだけです、と言われた場合、転院するしかないのでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1)6㎜X5㎜であっても適応なんだからやっておいた方がベター、とお考えでしょうか」
⇒そう思います。

「2)また、当院ではこのレジメンだけです、と言われた場合、転院するしかないのでしょうか」
⇒セカンドオピニオンで「非アンスラサイクリン」をやってくれるのか確認してもいいでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

ki-67の値と穿刺経路部再発について
性別:女性
年齢:58歳
病名:乳癌
症状:

質問番号7889

乳房部分切除、センチネルリンパ生検

T=1b、N=0、M=0、Stage=I
Invasive ductal carcinoma
pT 0.6X0.5cm
n (0/1)
ER(+)R(-), Her2(3+)
ly 0, NG1
Surgical margin; negative

以前、HER2なら浸潤径が小さくても抗がん剤治療(非アンスラサイクリン系でよいから)をやった方がベター、とアドバイスをいただいたものです。ありがとうございました。

病理検査について確認したい点があったため、再度、説明を受けてきました。
HER2なので聞く必要はないな、と思って聞いてなかったのですが、ki-67=7でした。

また、穿刺吸引細胞診の時、がん細胞の一部を押し込んでしまい、そこで生着していたそうです。
胸壁に近い方へ押し込んでいたのですが、マージンを取る際、胸壁も少しとってあったそうで取り切れていると思うとのことでした(断端陰性)。

ただ、針は乳房の横から刺しており、引き抜いた時、切除していない部分を通っています。
穿刺経路部にがん細胞が絶対に付いていないとは言い切れないが、それは放射線で対処する、とのことでした。
主治医も針による生着は滅多にないことだと残念がっていました(検査は田澤先生が疑問に思ってらっしゃる2名体制でした、、。)

以下、追加の質問にお答えいただければ幸いです。

1)ki-67=7はルミナ―ルAライクと言われているレベルだと思うのですが、これでも
抗がん剤+ハーセプチンをやって効くものなのでしょうか。
やった方がベターでしょうか。

2)標準的には抗がん剤治療→放射線治療です。
けれども穿刺経路部再発リスクの不安が大きいです。
抗がん剤はマストではない浸潤径だと思うので、放射線を先にやりたいです。
ただ、経路部再発となると「皮膚」なのでやはり抗がん剤治療が必要なのか、とも思えてきます。
抗がん剤を推しているのは、そのせいではないかとも思います。

お忙しい所、何度も恐縮ですが、田澤先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「1)ki-67=7はルミナ―ルAライクと言われているレベルだと思うのですが、これでも抗がん剤+ハーセプチンをやって効くものなのでしょうか。」
⇒効かないというエビデンスはありません。(だから、やるべきです)

「やった方がベターでしょうか。」
⇒その通りです。

「経路部再発となると「皮膚」なのでやはり抗がん剤治療が必要なのか」
⇒?

 何か勘違いしているのでは。
 皮膚は局所ですよ。(抗がん剤とは無関係)
 もし、(可能性は極めて低いですが)皮膚に出たら、(抗がん剤ではなく)手術で切除すべきものです。

 ★あまり頭でっかちとなって考えすぎないようにしましょう。(標準治療をすればいいのです)