乳がんの手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:5417]
性別:女性
年齢:55歳
HER2陽性でのハーセプチン使え
ない場合の手術後の治療について
はじめまして。
55才です。
質問をお願いします。
11年前に、右側乳ガン手術
腫瘍の大きさ12ミリ
リンパ節転移 1/11
タキソール3ヶ月(心疾患のためタキソールのみ)
ホルモン剤(ノルバデックス等)
7年(5年でいいと言われましたがもう少しのみたいと希望)
今年2017年に左側に乳ガンがみつかり、8/(上旬)に手術しました。
腫瘍の大きさ 14ミリと横に4ミリ
非浸潤部を含めた全体 25ミリ
リンパ節転移 0/1
ホルモンレセプター 陽性
HER2レセプター +3
kir67 14.9%
組織グレード 2
本来は、抗がん剤とハーセプチンの摘要ですが、心疾患(心筋症)があり、主治医からは、ハーセプチンを使わずに、放射線とホルモン剤(フェマーラ)をすすめられています。
①HER2が+3であるのに、私に使える抗がん剤を使わなくても大丈夫なのでしょうか?
ホルモン剤と、放射線だけで再発を押さえられるのか不安でたまりません。
②前回使ったタキソールのような抗がん剤だけでは、HER2陽性の場合は使う意味はないのですか?
主治医からは、あくまでセットで使うものだといわれています。
③私の状態なら、先生はどのような術後治療をなさいますか?
④もし、血液からガンが飛んでいたとしたらそれは、抗がん剤でしか消えないのでしょうか?
⑤手術した下に、しこりがふたつあり、超音波で見てもらったところしこりではないと言われましたが、ほっておいていいのでしょうか?
⑥断片陽性が少し近いがこれくらいは放射線を少し多目にかければ大丈夫だから、追加切除はしないといわれましたが、追加切除しなくても大丈夫でしょうか?
⑦前の乳ガンから7年ホルモン剤を飲んでいたのに、左側に乳ガンが出来たということは、左側の乳ガンにはホルモン剤は効かなかったということですか?
あれこれ質問いたしましたが、よろしくおねがいします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
心筋症ということですが、(当然ながら)循環器内科にコンサルトが必要です。
添付文章でも「重篤な心障害では原則禁忌」となっていますが、その(心障害の)程度については評価が必要だからです。
ただし、(ハーセプチンに限らず)抗癌剤一般に言えることですが
(質問者のケースのように)あくまでも「術後の再発予防(補助療法)」で行う場合と、(実際に再発して)この治療をしないと(命を救えないという)「再発治療」で行う場合では明確に区別が必要です。
☆大原則として
 「再発予防では危険は最大限避ける」 そういうことです。
「①HER2が+3であるのに、私に使える抗がん剤を使わなくても大丈夫なのでしょうか?」
⇒上記通りです。
 「再発予防で行う治療でリスクを冒す」ことは、避けなくてはいけません。
 ♯どうしても「自分にハーセプチンはできないのか?」と疑問なあれば循環器内科(心筋症で通院していますね?)の医師に相談してみましょう。
「前回使ったタキソールのような抗がん剤だけでは、HER2陽性の場合は使う意味はないのですか?」
⇒不明です。(エビデンスがありません)
「③私の状態なら、先生はどのような術後治療をなさいますか?」
⇒心機能次第です。
 循環器内科と相談します。
「④もし、血液からガンが飛んでいたとしたらそれは、抗がん剤でしか消えないのでしょうか?」
⇒それは誤解です。
 ホルモン療法も抗癌剤もリスクを減らすという意味では同様です。
「しこりではないと言われましたが、ほっておいていいのでしょうか?」
⇒実際に診察していない私がコメントすることではありません。
 担当医を信頼しましょう。
「追加切除しなくても大丈夫でしょうか?」
⇒「少し近いが」という程度(つまり露出していない)なら大丈夫なように想像します。
 担当医を信頼しましょう。
「左側の乳ガンにはホルモン剤は効かなかったということですか?」
⇒それは違います。
 (内服していた4年前までは)「それで抑えられていた」と考えることもできます。
 内服を止めた、4年前から増殖を始めた可能性もありそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

ハーセプチンが使えない場合の術後治療
性別:女性
年齢:55歳
管理番号5417
再度の質問お願いします
先日は回答いただきありがとうございました。
再度の質問お願いします。
心疾患があり、ハーセプチンが使えないと質問いたしました者です。
主治医から、あくまでも術後治療なのでリスクをおかしてハーセプチンを使うことはないと言われ、わたしも納得いたしました。
①ホルモン剤と放射線治療だけの場合の、再発率と生存率をおしえてください。
②ホルモン剤と放射線治療だけでいいのか、次回の診察の時に主治医に相談予定ですが、先生なら、
他の抗がん剤を追加しますか?するとしたら、どんなものですか?
③HER2が+3である場合ki67の、
値はあまり関係ないのでしょうか?値が低くても、HER2か陽性ということは増殖率はたかいのでしょうか?
④ki67が14.9%というのは、抗がん剤があまり効果がないと考えた方がいいのでしょうか?
⑤術後治療にハーセプチンを使い始めたのは最近だとお聞きしました。
それ以前、ハーセプチンを術
後治療に使えなかったときは、
HER2陽性の人はどのような治療をしていたのですか?
その方たちの再発は多かったのでしょうか?
ハーセプチンが使えないことは納得しましたが、その後のことが心配でたまらず、再度質問いたしました。
お忙しいところ、申し訳ありませんが、よろしくおねがいします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「①ホルモン剤と放射線治療だけの場合の、再発率と生存率をおしえてください。」
⇒放射線は無関係ですが…(局所療法と全身療法に分けて考えるようにしましょう)
 再発率 18%
10年生存率 87%(他病死5%も含まれています)
「他の抗がん剤を追加しますか?」
⇒しません。
「値が低くても、HER2か陽性ということは増殖率はたかいのでしょうか?」
⇒無関係です。
 HER2は「増殖因子」の一つにすぎません。
「④ki67が14.9%というのは、抗がん剤があまり効果がないと考えた方がいいのでしょうか?」
⇒その可能性はあります。
 ただし、「Ki67」はあくまでも「ルミナールをAとBに分ける」ためにあるので、検討はなされていません。
「HER2陽性の人はどのような治療をしていたのですか?」
⇒「HER2を日常診療で測定する」ようになった時期~「HER2陽性に対して
(術後補助療法として)抗HER2療法を行うようになった時期(保険収載されたのが2008年)」が「HER2陽性だけど(再発しない限り)ハーセプチンは使えない」
期間となりますが…
 私の古い記憶(10年以上前なので…)では、「HER2陽性はリスク因子」として(一般の)化学療法を推奨する根拠となっていたと思います。
「その方たちの再発は多かったのでしょうか?」
⇒上記期間(HER2を日常的に調べ初めてから、術後補助療法として抗HER2療法が開始された時期)は、それ程長くはありませんでした。
 
 具体的に「HER2陽性だと、再発が多い」と感じる程ではなかった(其の当時は今ほど、乳がん患者数が多くはなかったこともあります)ですが、ただ「予後不良因子」として考えていたことは事実です。
 
 ☆また(2001からは)再発治療として抗HER2療法が使用できるようになったのですが…
 「再発患者さんがHER2陽性」だと解ると、「これはハーセプチンが効くぞ!」という印象は強く残っています。





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