[管理番号:3503]
性別:女性
年齢:39歳
2016年1月に
左乳がん ステージ4
サイズ8cm×6cm
右わき下リンパに遠隔転移あり
her2陽性 +3 ホルモン(-)
と診断されました。
(エリート生検)
2月からハーセプチン、パーシェダ、タキソテールの化学療法を4回行いましたが、原発、転移先ともに増大。
薬をカドサイラに変えて4回治療しましたが、転移先には効果があったものの(左右わき下リンパ節のサイズが縮小)、原発が大きく高さも出てきてしまい、8月に局所コントロールのため左乳がん全摘およびレベルⅡまでのリンパ節郭清の手術をしました。
現在、手術時に摘出された原発、リンパ節の病理の結果待ちですが、
*今後はおそらく放射線治療→化学療法を行う
*ハーセプチン、パーシェダ、カドサイラも効かない稀なタイプのher2
陽性だろうと言われました。
私としては副作用が少なく転移先には効果があったので、カドサイラを使い続けたいのですが、
主治医はACまたはECなどアンスラサイクリン系の薬から始めて、
効かなくなったらウィークリーパクリタキセル、アバスチンなど薬を変えて治療をします、とのことです。
そこで先生に質問です。
①副作用が強い薬をエンドレスに続けていく自信がありません。
原発が大きくなったので、副作用が軽いカドサイラはやはりもう使えないのでしょうか?
私としては転移先に有効だったのでカドサイラを使いたいのです。
②今後の薬のチョイスはどういう基準で選ばれるのでしょうか?
私はher2陽性の診断でしたが、セカンドラインのカドサイラも効果なしのためトリプルネガティブとみなし、トリネガの治療に使われる薬を順にチョイスするのでしょうか?
使用する順番には、標準的なルールがあるのでしょうか?
③私のような経過だと、田澤先生ならどんな治療をされますか?
④どうしても仕事を続けなければいけないのですが、嘔吐、倦怠感などはもちろん、しびれなどで歩けなくなることが心配です。
副作用によっては治療を中止、あるいは減薬を主治医にお願いすることもありなのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ステージ4とありますが、「対側腋窩リンパ節だけ」なのだとしたら根治の可能性もあります。
手術したようですが(正解です)、「右腋窩郭清はしなかった」のですか?(当然、手術するのであれば同時にすべきです)
「①副作用が強い薬をエンドレスに続けていく自信がありません。原発が大きくなったので、副作用が軽いカドサイラはやはりもう使えないのでしょうか?」
⇒あまり勧められません(効果は期待できません)
「②今後の薬のチョイスはどういう基準で選ばれるのでしょうか?」
⇒これは医師により全くバラバラです。
「使用する順番には、標準的なルールがあるのでしょうか?」
⇒第1、第2選択など有る程度はあります。
ただし、それ以降はバラバラです。
「③私のような経過だと、田澤先生ならどんな治療をされますか?」
⇒(効果が最も高く、最も副作用が軽い)アバスチン+パクリタキセルを用います。
「④どうしても仕事を続けなければいけないのですが、嘔吐、倦怠感などはもちろん、しびれなどで歩けなくなることが心配」「副作用によっては治療を中止、あるいは減薬を主治医にお願いすることもありなのでしょうか?」
⇒当然です。
例えば例を挙げれば
通常のアバスチン(bevacizumab)+パクリタキセル(paclitaxel)
day1 bev+pac
day8 bev
day15 bev+pac
day22休薬
↓
これをday8を休薬として
バリエーション1
day1 bev+pac
day8 休薬
day15 bev+pac
day22休薬
↓
更にday15のpacを休薬して
バリエーション2
day1 bev+pac
day8 休薬
day15 bev
day22休薬
○このようにして継続していくことで、「副作用や通院の負担を軽減しながら維持できる」のです。