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低リスクでの抗HER2療法

[管理番号:1553]
性別:女性
年齢:53歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1267「抗がん剤をすべきか否か

 
 
こんにちは
先日お忙しいところ、お返事いただきましてありがとうございます。
抗がん剤をすることに決めてきました。
今回は抗がん剤の選択で迷っているので相談させてください。
ちなみにより詳しい病理結果は、
ER90%
PgR1%
KI67 20%
リンパ管浸襲1+ でした。
主治医よりNCCNガイドラインをもらいましたが、望ましい治療法として、AC療法などがあるが、低リスク(pT1b(8mm)pN0、M0、HER2タイプ)パクリタキセル1回/W×12回+ハーセプチンの方で勧められました。
その場ではパクリタキセルで、と決めてきたのですが、この治療法でよかったのでしょうか。
ガイドラインにはほかにもいろいろな治療法が英語でかかれてていますが・・・。
私としては、治療法の再発率や生存率に大きな差がないのであれば、副作用の少ないほうを選びたいと思っています。治療した上での再発率、10年生存率はどのくらいになりますか。よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, luminalB(HER2陽性)
現在「adjuvant online」はupdate中であり、12月1日までは使えません」

回答

「パクリタキセル1回/W×12回+ハーセプチンの方で勧められました」
⇒いいと思います。
 Low riskの「抗HER2療法」としては「非アンスラサイクリンレジメン」として以下
の3通りがあります。
 その中で質問者は①を提示されている訳ですが、(通院が最初頻回であることさえ
認容できれば、最も副作用は小さいと言えます)
 ♯これら③群内での直接比較はありません。
①パクリタキセルとハーセプチンを毎週投与(12回)⇒ハーセプチン単剤(14回)
 これは、ハンドブックにあるスタンダードレジメンとは異なり「AC療法を行わない」やり方です。
 「最初の12回の毎週通院」は「通院は大変」ですが、「副作用は格段に楽」です。
 その後のハーセプチン単剤には副作用はありません。
②ドセタキセル+エンドキサン+ハーセプチン(4回)⇒ハーセプチン単剤(14回)
 これは、「全て3週毎通院」となります。
 ①と比較すると「通院回数が少ない」ことが利点ですが、「副作用は①よりは、やや強い」と言えます。
 効果に関しては①との直接比較はありませんが、「パクリタキセル(毎週12回)=ドセタキセル(3週投毎投与4回)」と考えると②の方が「エンドキサン分」上乗せされると思います。
③ドセタキセル+カルボプラチン+ハーセプチン(6回)⇒ハーセプチン単剤(12回)
 これも「全て3週毎通院」となります。
 カルボプラチンが唯一乳癌の適応を通る使い方です。
 
「治療した上での再発率、10年生存率はどのくらいになりますか。」
⇒残念ながら「adjuvant onlineが12月1日までupdate中」となっています。
 ただ、「再発率は10%以下」だとは思います。