[管理番号:2423]
性別:女性
年齢:43歳
昨年の健康診断マンモグラフィでしこりが発見されました。
結果の紙には右乳房非対象性乳房組織とありました。
初めての妊娠は21歳、出産経験はありませんが、3度流産しています。
再検査に行くと2013年の健康診断の写真では1センチあり、昨年2015年の写真は2センチになっています。
大きな病院で精密検査をするよう紹介状が出されました。
しこりは、境目がわかり、ぺたっと平べったい感じで、乳房の自己診断のサンプルにあるような豆のようなこりっとした形ではなかったです。
○○病院の外科にて診察を受け、マンモグラフィ、エコーともにしこりがあるのは間違いないとの事で、穿刺細胞吸引診を2回実施。
どちらも有意な細胞がみられません、との結果で、細胞をきりとる摘出生検術を受け○○日に結果を聞きにいきます。
医師に有意な細胞がみられませんとは、病気ではないのか訪ねたところ、レントゲン写真の形が通常丸いけど私の場合は、放射線状になっていて形がきになるとの事。
私は癌ですか?
結果がでた時、良くも悪くもに医師に聞いておくべき事アドバイス頂けませんでしょうか。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「○○病院の外科にて診察を受け、マンモグラフィ、エコーともにしこりがあるのは間違いないとの事で、穿刺細胞吸引診を2回実施。どちらも有意な細胞がみられません、との結果」
⇒これは「検体不要(サンプリングエラー)」です。
「2回とも失敗」とは、質問者には気の毒でなりません。
それにしても、「細胞診で失敗」したなら(摘出生検ではなく)「針生検」をトライしそうなものですが、今時「針生検しない」のは珍しいですね。
「放射線状になっていて形がきになる」「私は癌ですか?」
⇒可能性はあります。(ただ、常識的に言えば 癌であれば細胞診2回で診断できないというのは考えられない事ですが…)
「形状も気になる」ものですし、「細胞診2回⇒摘出生検」をしようとしているところからも「担当医は疑っている」と考えられます。
「結果がでた時、良くも悪くもに医師に聞いておくべき事アドバイス頂けませんでしょうか。」
⇒ポイントは
もしも癌であれば
「癌の程度(浸潤の有無)」
「腫瘍の拡がり」と「リンパ節の程度」です。 ♯どちらも「超音波検査」で簡単に解ることです。(後にMRIで拡がり診断するとしても、取りあえず、超音波でどうなのかという評価は重要です)
そして「追加治療」についてです。
「追加手術は必要か?」
「手術は不要だけど、放射線照射は必要か?」
「手術も放射線照射も不要なのか?」
「薬物療法は必要か?」
などとなります。
質問者様から 【質問2】
田澤先生 こんばんは。
よろしくお願い致します。
穿刺細胞吸引診で結果が出ず今年2月に摘出生検を受けました。
結果は、悪性です顔つきが悪いですと説明がありました。
治療方針を決めるには、転移の有無、他に病原がないか検査しなければ決められないと言われ、CT造影剤検査(肺・肝臓の検査と言っていました)と骨シンチの検査をうけました。
何を聞けば良いか先生にアドバイスを頂いていたのですが、検査をしなければと言われ聞けずに終わってしまいました。
CT造影剤による検査と骨シンチの結果を主人と聞きにいきました。
臓器・骨への転移なし。
リンパへの浮腫なし。
摘出生検を行った腫瘍の奥に1つ(右上外側です)。
そのまま乳頭を下にさがって右下に1つ、小さいですが、複数、造影効果が見られます。
このことから乳管を原局とした浸潤性乳管癌と云えます。
腫瘍が複数あり、かなり広い範囲にある。
一部切除+放射線療法とゆう方法もありますが、顔つきも悪いので全摘を進めます。
手術後は、ホルモン療法のお薬が利くと思います。
癌のステージの説明はありませんでした。
全摘となった場合、乳房再建を希望する旨を話すと、ここでは(○○○○○病院)できませんので再建を行っている○○医大を紹介しますと言われ、紹介状ができるのを待っていました。
1週間経過しても連絡が来ないので今日連絡をしてみると、セカンドオピニオンとゆう形でよろしいんですよね?と看護師に言われ愕然としました。
再建を含めた治療に向け診察をお願いしたいので予約をお願いしますと電話でお願いしました。
田澤先生にお任せしたい気持ちが強いのですが、手術・治療となった時、ホルモン療法を5年間うけるとなった場合、○○県○○市(東北)からの条件を考えると迷っています。
本当に全摘しなければいけない状況なのか?ステージはいつ決まるのか?
田澤先生に治療して頂くには、診察から手術、仮に術後の転院が近隣市町村にあった場合、転院まで何回くらい伺うことになるのか教えて頂けませんでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「腫瘍が複数あり、かなり広い範囲にある」
⇒まず、ここが問題です。
本当に多発なのか?
「造影CTでの評価」のようですが、乳腺内の拡がり(及び多発)診断であれば、是非「乳房MRI」をするべきです。
そして、超音波で「その部位を特定」して「針生検」して本当に「多発なのか」確定が望ましいと思います(画像所見しだいですが)
「本当に全摘しなければいけない状況なのか?」
⇒まずは造影MRIですね。
「ステージはいつ決まるのか?」
⇒「腫瘍を摘出生検」しているのですから、「浸潤径が解っている筈」です。
リンパ節転移がないようですから、「腫瘍径(顕微鏡的浸潤径)」と「リンパ節転移なし」からすでに「ステージは解っている筈」です。
是非、「病理レポートのコピーを貰う」ようにしましょう。
「田澤先生に治療して頂くには、診察から手術、仮に術後の転院が近隣市町村にあった場合、
転院まで何回くらい伺うことになるのか教えて頂けませんでしょうか。」
⇒1回目 乳房MRIを予約し、同日診察(MRIの結果は1時間位待つと即日でます)
ここで、「多発が疑われれば、追加で、そのまま針生検」します。
○もしも、針生検が不要ならば、そのまま「術式相談」
2回目 (1回目で針生検していれば)その結果を確認して「術式相談」+「術前検査」+入院案内
3回目 手術
4回目 術後1週間の創部確認
5回目 術後2週間目の「病理説明」+「術後の治療相談」
ということで5回程度となります。