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針生検の結果

[管理番号:3697]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生
おはようございます。
宜しくお願い致します。
数年前より右胸に6ミリの線維腺腫があります(かかりつけの乳腺科の医師からは、形状的にも良性のものであろうという事で、大きくならないかを定期的に検診で見ていけば良いと言われていました)。
以降、毎年マンモグラフィーと超音波の検診を受けており、ずっと大きさも変わらずにいたのですが、今年の超音波での検査では大きさが9ミリと1.5倍の大きさになっていた為(マンモグラフィーは異常なし)、念の為針生検をしておきましょうとの事で、先日受けてきたところです。
2週間ほどして出た報告書の内容は次のようなものでした。
【右乳腺から4本針生検標本が提出されている。
領域的な間質増生と乳管上皮増生を認め、線維腺腫の一部が採取されていると考えられる。
また1本において、軽度核異型を伴い、乳管内に乳頭状の構造異型を示す乳管上皮の増生を認める。
二相性は保たれ、均一性にも乏しいことから、異型を伴う過形成病変と診断する。
念の為、免疫染色で検討します。】
そして免疫染色をしてもらったあとの報告書は次のようなものでした。
【免疫染色の結果、いずれのcoreにおいてもp63陽性筋上皮細胞を見ました。
異型を見た乳頭状乳管上皮成分を含め、CK5/6, CK14はmosaic
pattern を認めました。
以上により、FAとして矛盾はないと考えます。
明らかな悪性は指摘できませんが、size upに留意され継続フォローをお願いします。】
結果的にはFAと診断され、次は半年後に超音波でサイズアップしていないかを見ていきましょうとのことで一度はホッとしたものの、結果が出るまでにネットで様々な情報を見ていたので(FAと診断されていても、
実際に摘出して調べてみたら違っていた…など)、本当に大丈夫なのか不安が拭いきれません。
前述の報告書(病院でコピーしてもらったものです)を見て、田澤先生ならどう診断されるかをお伺いしたい次第です。
何卒よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
結論から言うと、「全く問題無」です。
線維腺腫や葉状腫瘍はfibroepithelial tumorといって、「上皮」と「間質」の両方が増生しています。(その点で、上皮性腫瘍である癌やadenomaとは異なります)
そして、その「上皮成分」は種々の程度の構造異型を呈する事があります。
「構造異型を呈する」場合には癌による増殖なのかを鑑別する必要があり、そこで良く使われるのがサイトケラチン(CK)というマーカーです。
 ♯良性の増殖の場合には(筋上皮マーカーである)CK5,6,14がモザイク状に染色されます(mosaic pattern)
「異型を見た乳頭状乳管上皮成分を含め、CK5/6, CK14はmosaic pattern を認めました。以上により、FAとして矛盾はない」
⇒まさにその通りです。
 癌ではありません。(非常に「良くあるケース」と言えます)
 心配ありません。