[管理番号:6752]
性別:女性
年齢:29歳
病名:乳がん 硬癌
症状:センチネルリンパに10mm腫れ
いつも勉強させていただいてます。
先生のアンサーには、とても勇気付けられています。
今回、自分の事でどうしてもご相談したい事があり、連絡させていただきました。
7月(下旬)日、以下のように告知されました
A領域に2.7センチ大の硬癌
ER.90%
PR.70%
HER2.FISHにて陽性
Ki67.30%
ルミナールB
センチネルリンパ節10mm腫脹
→細胞診の結果、リンパ節転移
妊娠希望にて、術前に22個、未受精卵凍結しました。
2週間後に
部分切除+腋窩郭清+広背筋皮弁を控えています。
術後に、遺伝子検査とPー53遺伝子検査予定です。
主治医に、術後にオンコタイプDXをしたい旨は伝えています。
その結果次第で、術後化学療法。
おそらく放射線治療はすることになるだろう、とのことでした。
そこで、先生にお伺いしたいことがあります。
術前にエコーで10mmセンチネルリンパの腫脹がある場合、先生の経験上、以降のリンパ節にいくつくらいの転移が認められることが多いでしょうか?
手術で開けて見てみないとわからないのは充分に承知はしていますが、どうしても心配で…。
A領域なので、胸骨傍リンパに転移している事はありますか?その場合はステージが3cになってしまうのでしょうか?
もしリンパ節転移が1つの場合と数珠繋ぎで10個転移があった場合、 10年無再発率はどのくらいでしょうか?
子供は絶対に欲しいです…。
まさか自分がこの年で、家族に乳がん卵巣がんがいないのに発症してしまうなんて、まだまだ受け入れができません…。
お忙しい中申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「術前にエコーで10mmセンチネルリンパの腫脹がある場合、先生の経験上、以降のリンパ節にいくつくらいの転移が認められることが多いでしょうか?」
→それは全くのケースバイケースです。
ただ10mmは小さいですよ?(他にエコーで腫れていないなら、その1個だけという可能性は十分あります)
「A領域なので、胸骨傍リンパに転移している事はありますか?その場合はステージが3cになってしまうのでしょうか?」
→通常は、その可能性はかなり低いです。
「もしリンパ節転移が1つの場合と数珠繋ぎで10個転移があった場合、 10年無再発率はどのくらいでしょうか?」
→病理も出ていないのに、そんなことを想像することは全く無意味です。
OncotypeDXすれば数値は出てきます。
質問者様から 【質問2 センチネルリンパに10㎜の腫れ】
性別:女性
年齢:29歳
病名:硬癌
症状:
田澤先生、こんにちは。
以前、「管理番号:6752」で質問させていただいた者です。
手術が終わり、最終病理結果が出ました。
11月(上旬)日から抗がん剤初回投与予定です。
再度、先生にお伺いさせていただきたいことがあります。
お手数ですがよろしくお願いいたします。
病理結果
ステージ2b
30×22㎜ 硬癌
断端陰性
リンパ節転移:2/14
ER:7
PR:7
HER2:陰性
ki67 :40
グレード:3
リンパ管侵襲:1+
血管侵襲:0
週明けからゾラデックスの投与が開始し、11月8日に抗がん剤初回投与です。
レジメンは
FEC100を3クール+DTXを3クールです。
TCでは…?とお伺いしたところ、FEC100の方が効果が望めそう、とのことでした。
DTXは75mgだそうです。
抗がん剤後に、放射線治療とノルバデックス10年内服開始、終了後に凍結した卵子で不妊治療予定です。
10年生存率を聞くと、アジュバントはメンテナンス中のため、目の前でPredictで計算して下さいました。
10年生存率 54%
15年生存率 38%
「Predictの数字は低く出る。
自分の経験上、10年生存率70%くらい。
ただ、ルミナルタイプは15年後に再発も、頻繁にはないがたまにある」
と、先生はおっしゃってくださいました。
他の方々のQ&Aを拝見しても、しっかり治療頑張れば3/4の確率で根治するかな…と、思っていますが…15年生存率が気になります。
そこで、先生にお伺いしたいことがあります。
●この病理結果でのレジメンは妥当でしょうか??
FECが100というのがしんどさが心配ですが…副作用がどんなにきつくても、85%減量は考えていない、全量きっかり投与しきりたい、と言われています。
DTXも、他の方々は4クールが多い印象です。
●全ての治療をしっかりすれば、先生の経験上、無再発率は72%前後と考えてよろしいでしょうか?それとも、私の15年後の無再発率はここからさらに15%ほど下がってしまうのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「●この病理結果でのレジメンは妥当でしょうか??」
⇒当院ならTCです。
「妥当か?」と言われれば「アンスラサイクリン+タキサン」は標準治療ではあるので間違いではありません。
「●全ての治療をしっかりすれば、先生の経験上、無再発率は72%前後と考えてよろしいでしょうか?それとも、私の15年後の無再発率はここからさらに15%ほど下がってしまうのでしょうか?」
⇒この「15年後」という数字がやや「意味不明」ですが…
実際には再発率は(ルミナールと言えども)「年を過ぎれば過ぎるほど」急速に減少していきます。
10年過ぎてからの再発は(全体の数字からみれば)極僅か。「数字で表せるほど」ではありません。
まずは5年無再発を目標に頑張りましょう。