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外科的生検おこなって良いのか

[管理番号:3202]
性別:女性
年齢:40歳
はじめまして。
悩んでいましたらこちらのサイトにたどり着きました。
先生のご意見をきかせて頂けたらと思います。
今年6月に定期検査にて、
左乳房の内側の下の方に2個の(それぞれ5ミリ程度見つかり)細胞診を行なった結果 疑陽性となり「重積性を伴う腺上皮細胞の集塊がみられます。
組織診等で確定診断をお願いします。」
との事でその後組織診をすることになりました。
的中するのに必要とのことで MRIを先に行い 読影所見は「左右ともに矢印の複数の結節、悪性の可能性あり、左B、右Dの比較的大きいものは可能性高い」読影診断は「乳がん疑い」の結果でした。
その際右乳房にも2個(それぞれの小さめ)の細胞診も行うことになりました。
その後組織検査(マンモトーム)では2個のうち1個は2か所とり 結果
Intraductal papilloma,most-likely.left breast.core needle biopsy
管内占拠性病変で、p63陽性細胞裏打ちがみられます。
管壁でp63
陽性細胞減(HMWCK,348E12)陽性で積極的に悪性と言える結果でなく、Intraductal papilloma が考えやすい結果です。
悪性像は見られませんがfollowupをお願い致します。
との結果とSee description 標本は3本のcoreで、いずれも同様の像を示し、sclerosis,adenosisが見られます。
乳管内を占拠する乳頭状上皮増生巣が散布性に見られます.【②で量的に多く見られます】
Intraductal papillomaとnoninvasive ductal
carcinoma/DCISとの鑑別の難しい像で追加検索の上詳細確定致します。
との事。
2個の内残り1か所はNo cancer cells, found,left
breast,core needle biopsy
標本は3本のcoreで、いずれも同様の像を示し、sclerosis,duct
ectasia/cyst形成が見られます。
一部入館上皮増生みられますが悪性試示唆する像は見られません。
乳腺症が疑われます。
悪性像は見られません。
とのことで2個ともに良性との事でしたが、
外科的生検で取り除いた方が良いと言われたので、何故かと伺うと新たに出来たものが早いスピードなので癌になる可能性があるかもしれないと外科的生検を進められました。
不安に思いましたので 再度聞くと3か月以内での経過観察でも構わないとの事もいわれましたが、ガンになる可能性があるかもしれないし、
ないかもしれないとの事で 外科的生検を進められましたが、正直マンモトームで良性と仰られたのに 外科的生検をすることに疑問を感じながらも予約をしましたが、不安になりましたのでご相談させていただきましたが先生のご意見をお聞かせください。
この場合は3か月の経過観察なのか外科的生研(左乳腺種瘤切除(局所麻酔下)のどちらが良いのでしょうか。
ちなみに右乳房の細胞診結果は2個共に不適正判定不能。
上皮細胞は認められません。
細胞成分少数で【ほとんど認めません】判定不能です。
とのことで経過観察と診断されました。
2週間後の外科的生検を予約しておりますがそれで良いのか先生のご意見をお聞きし検討したいとメールさせていただきました。
お忙しい中恐れ入りますがどうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
組織診断は100%でなくてはなりません。
マンモトーム生検がある以上、「エコーで見える病変に外科的生検は不要」と思います。(マンモトーム生検をきっちり行えば、確定診断となります)
 ♯以下のコラムを辛抱強く読んでみてください
  『今週のコラム31回目 
バネ式針生検とマンモトーム生検を使い分ければ、組織診は100%確定診断なのです
  『今週のコラム 33回目 乳腺外科特有の「美点」である、「最初(診断)~最後(術後の経過観察)まで一貫して一人の主治医が担当」するという伝統が崩れ去ろうとしている
  『今週のコラム 34回目 「硬い乳腺」の中を「針を進ませる」ことが実は最も大変なところであり、熟練を要するところなのです。
 
「的中するのに必要とのことで MRIを先に行い」
⇒全く意味不明です。
 診断に「MRIは全く不要」です。
 
「2個ともに良性との事でしたが、外科的生検で取り除いた方が良いと言われた」
⇒全く「根拠薄弱」です。
 「異型上皮」もでていないのです。
 
「何故かと伺うと新たに出来たものが早いスピードなので癌になる可能性があるかもしれないと外科的生検を進められました。」
⇒冒頭のコメント通りです。
 5mm程度の病変ならば、「診断目的として」マンモトームを「きっちり丁寧に」行えば「殆ど削る」ことも可能です。
 それで「診断は確定」するのです。
 ○超音波で見える「しこり」を「マンモトームで診断できない」ことはありえません。
 
「先生のご意見をお聞かせください。この場合は3か月の経過観察なのか外科的生研(左乳腺種瘤切除(局所麻酔下)のどちらが良いのでしょうか。」
⇒マンモトームで「きっちり採取」して「異型上皮が出ない」のであれば「本来、外科的生検など不要」な筈です。