[管理番号:4406]
性別:女性
年齢:45歳
いつも拝見させていただいております。
田澤先生にご教示いただきたく質問させていただきます。
定期検診は半年くらいの間隔でずっと同じ乳腺外科で見ていただいてました。
マンモは1年に1回、エコーは半年に1回です。
2016年の3月に見ていただいたとき、今までエコーにはなかったところに
黒い影みたい腺のようなもの(腫瘤はない感じでした)が発生していました。
何もないところに突然現れたため針生検を行いました。
結果は乳腺症ということでした。
そこからは念のため3ヶ月ごとに見ていきましょうということで3ヶ月ごとにエコーで見ていただきました。
その影は消えることもなく、ですが特に形を変える訳でもなかったので経過観察でずっと過ごしておりました。
今年の1月に見ていただいたところ、今度はその影と同じ場所に腫瘤めいたものが
できており(8ミリくらいです)ちょっと気になるのでと針生検を行いました。
針生検の結果、サンプル1~4ともに異型を伴う乳管上皮の増生が見られます。
一部に浸潤しているような構造も見られ、浸潤性乳管癌が疑われます。
CK5/6、CD10、p63の免疫染色の追加をお勧めします。
Mammary gland right biopsy atypical glands
という結果で、この時点でほぼ癌ですと告知されました。
免疫染色をするのは、浸潤しているかどうかを確かめるためだと言われました。
そして免疫染色の結果が出たのですが、そこで癌ではないと言われてしまいました。
浸潤様に見える乳管は、CK5/6陽性で、p63陽性、CD10陽性細胞に囲まれています。
良性の乳管病変と考えられます。
陳旧性のfibroadenomaの可能性があります。
悪性所見はありません。
Mammary gland right biopsy benign mammary tissue no malignancy
線維腺腫だから癌ではありません、大丈夫ですという結果を受けましたが、私自身良性で良かったと思うよりは、
本当に良性なのか?という不安の方が大きかったです。
そこで、吸引式の生検をしていただくことにしました。
(バコラ生検)
吸引式の方が多くの組織をとることができ、より結果に確信がもてると思ったからです。
そして、結果を聞きに行ったのですが、HE染色では確定できずまた
免疫染色を追加ですることになりました。
前回は浸潤かどうか見るために免疫染色をするという感じでしたが、
今回はグレーの為に免疫染色するというような説明でした。
この病理結果のコピーがないので、詳細を書くことはできないのですが
メモしてきた内容で言えるのは
1~4のサンプルのうち、1と3と4に関しては問題なし。
2のサンプルのみ、ごくわずかではあるが異型を伴う乳管上皮の増生が見られます。
念のため免疫染色の追加をお勧めします。
という内容でした。
そしてまた免疫染色の結果を待っているところです。
ここで田澤先生におうかがいしたいのは、当然これで癌と言われれば治療をしていきますが、もしまた
線維腺腫です、良性ですという結果だった場合、外科生検までする必要があるかどうかです。
私がひっかかっているのは、異型を伴う増生というところです。
これは、前癌病変ではないのか、リスク病変ではないのか、このまま持っていてよいものなのか。
気持ち的には切除したい気持ちです。
このあたり、田澤先生のお考えをお聞きしたいです。
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
状況はわかりました。
通常ならば45歳で、しかも(半年毎に定期的にエコーしていて)できた「新たな病変」であれば、「陳旧性の線維腺腫」というのは、ちょっと無理があるような気がします。
8mmの病変ならば、「きちんとしたマンモトーム」をすれば100%確定診断となりますが、私がその医師の手技を評価する事は不可能なので、それについてはコメントは控えます。
「私がひっかかっているのは、異型を伴う増生というところです。これは、前癌病変ではないのか、リスク病変ではないのか、このまま持っていてよいものなのか。気持ち的には切除したい気持ちです」
⇒(万が一良性であっても)「切除してはいけない」などということはありません。
もしもマンモトームで「癌で無い」となったとしても(ご本人が)「100%結果が信頼できない。」もしくは「良性であっても、どうしても気になる。取ってしまいたい」と思うなら、摘出すべきです。