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外科生検は必要か?

[管理番号:29]
性別:女性
年齢:51歳
 右胸のしこりについて2ヶ月前に針生検を受け、乳がんではなく「脂肪壊死」との診断でした。
 しかしその後、傷口がひどい炎症を起こし赤く腫れ、膿みも出たため、内科で抗生物質を15日分処方されました。
 薬が終わった時点で大分よくなったものの、完全には赤みがひかなかったので、外科医から「こんなに炎症の治りが遅いのは、前回の針生検が誤診で、がんの疑いがあるからだ」と、外科生検を勧められています。
 
 
 しかし私としては、胸の腫れと赤みは少しずつとは言え回復に向かっているようだし(たまに痛がゆい程度で、生活に支障ありません)、悪化の一歩をたどっているならともかく、この段階で改めて外科生検をする必要があるのかと疑問に思っております。
 先生のご意見をお聞かせ頂けますでしょうか。よろしくお願いします。
 

A.回答

 こんにちは。田澤です。
 「針生検後の感染、炎症があり、難治性であるための外科的生検は必要なのか?」という事ですね。
 針生検後に感染は通常は起こらない事なので、災難だったと思います。

回答

 私の意見としては、「外科的生検」は必ずしも必要ないと思います。
 針生検での「脂肪壊死」という結果からすると、(もともと感染を起こしやすい)壊死脂肪組織に針生検による出血(血腫)が生じたことが「ひどい炎症⇒膿瘍」の誘因になったと考えられます。
 「癌だから炎症が治りにくい」というのは少し乱暴な感じを受けます。
 壊死脂肪組織に出血による血腫が加わると感染はひどくなります。
 また「外科的生検」とは局所麻酔下の小手術です。
 炎症のある状態での手術は望ましく無く、術後手術創の再感染のリスクがあります。
 
 
◎炎症状態が改善傾向にあるとの事ですので、
『私であれば、炎症が完全に消退するのを待ち、(その上で、臨床的に癌がどうしても否定できない)と判断される場合には、再度針生検を行います』
 外科的生検の方が針生検よりも、感染を起こし難い。という事はありません。むしろ通常は針生検の方が感染のリスクは圧倒的に低いのです。
 
 

参考にしてください

 外科の先生が「癌の疑いがある」と言っている本当の理由は、「感染が治らないから」というよりは「画像所見を含めた臨床所見で乳癌を疑っており、針生検の結果=脂肪壊死と一致しない。 針生検でうまく組織が採れなかった。実際は癌では?」という疑いの気持ちがあるのもしれません。(あくまでも推測ですが…)
 腫瘍の状況にもよりますが、腫瘤非形成性病変の場合には、通常の針生検ではサンプリングエラーとなる(病変にうまく当たらない)こともあり得ます。(トップページの「腫瘤非形成性」を参照してください)
 その場合には、通常の針生検ではなく(超音波ガイド下)マンモトーム生検という吸引式針生検を用いれば組織が十分に採取され、診断が確実となります。(トップページの「乳癌の検査」の「マンモトーム生検」の中の超音波ガイド下マンモトーム生検を参照してください)
 
 
◎超音波ガイド下マンモトーム生検があれば、どんな病変であっても外科的生検の必要性はほぼ無いと言えるでしょう。



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