[管理番号:3286]
性別:女性
年齢:39歳
左胸内側上部にしこりらしきものに気づき
乳腺外科の受診予約をしなくてはと思いながら2ヶ月ほど過ごす
6月下旬左側のみ下着に汚れがついていることに気づく
強く絞って分泌液を白いコットンにとってみたところ抹茶色
近所のレディスクリニックの乳腺外科へ予約電話をいれたものの
混雑のため受診は三週間後(7/(中旬))になる
それまでの間は自然に下着が汚れるほどはないものの
強めに絞ると出てくる状況は変わらず
とにかく気になると何度も何度も強めに絞ってしまう
もともと陥没乳頭のため一箇所からなのか複数箇所なのか
よくわからないがおそらく一箇所と思われる
レディスクリニックの乳腺外科を受診
触診→横になって先生がしこり付近を押すと分泌液があったが
抹茶色というより茶色になっていた
先生がしこり付近に定規をあてたところ「3cmくらいかな?」とのこと
マンモグラフィー・超音波
→しこりの中に細かい石灰化したものが集中している箇所が確認できた
形も少々いびつなのが気になるということで
針生検(ボールペンの芯の太さの針をつかう)をしたほうが良いと告げられた
今日はできないので改めて予約をとってから帰るように言われるが
予約がいっぱいで検査の出来る日は二週間後(7/(下旬))となる
またその検査結果がでるまで二週間かかるといわれている
こちらのQ&Aなどいろいろと読ませて頂く限り
自分は限りなくがんなのではないかと思っておりますが
田澤先生の所見もおうかがいしたく思います
受診したクリニックでは手術などは出来ないので
大きな病院に行くことになると思うのですが病院選びの基準がわかりません
いろいろな病院を調べて納得のいくところに決めたいと思うのですが
予約が取りづらい状況である今時間を割いていろいろな病院を調べることが
現実的に良いのか?無駄なことなのではないだろうか?と考えがつきません
田澤先生のところへおうかがいすることも可能な場所に住んではいるのですが
やはり自宅や職場から近い方が長く通うことになるのであれば良いのでしょうか
検査も終わっていない状況ですしその結果も出るまでまだ今から約三週間
それまでに自分がやっておくべきことややれることはどんなことがあるのでしょうか
私は独身で実家の近くで一人暮らしをしていて
両親にも話をしなくてはと思っていますが
確定してから話すべきか
今から母にだけでも話しておくべきかとか
そんなことまでどうしたら良いのかわからなくなってきています
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「しこり付近を押すと分泌液があったが抹茶色というより茶色になっていた先生がしこり付近に定規をあてたところ「3cmくらいかな?」とのことマンモグラフィー・超音波→しこりの中に細かい石灰化したものが集中している箇所が確認できた形も少々いびつなのが気になる」
⇒これは間違いなく「乳管内病変」です。
「乳管内にできた腫瘍」からの分泌(出血も含めて)が「乳管から」出ているのです。
問題なのは「乳管内乳頭腫(良性)」なのか、「乳癌」なのか?です。(乳癌も乳管からできますから、乳管内病変となります)
○形が歪とありますが、「乳管内乳頭腫も増殖性病変」なので、(良性ではあるが)「癌との鑑別が必要」とはなります。
「受診したクリニックでは手術などは出来ないので大きな病院に行くことになると思うのですが病院選びの基準がわかりません」
⇒「大学病院」やどこかの「臨海にある」大病院へ行くと
いろいろな医師が「入れ替わり立ち替わり」現れて、(無責任に)「あらゆる無駄な検査」をする(きっと、CTとか骨シンチをすることになります)ので、質問者が「そのような医療が好き」でなければ、決してお勧めできません。
「田澤先生のところへおうかがいすることも可能な場所に住んではいるのですがやはり自宅や職場から近い方が長く通うことになるのであれば良いのでしょうか」
⇒正直な話…
私が「他の病院」を勧めることはありません。
初期治療で躓くと、却って大変なことになります。自分の体のことだから良く考えましょう。
「それまでに自分がやっておくべきことややれることはどんなことがあるのでしょうか」
⇒特にありません。
強いて言えば、ネットなんかで余計な情報を見て「無駄な心配」をしないようにすることです。
「両親にも話をしなくてはと思っていますが確定してから話すべきか今から母にだけでも話しておくべきかとか」
⇒担当医の反応からは、「深刻な状況ではない」と推測できるし、そもそも「乳管内乳頭腫の可能性もある」ので「確定後で十分(却って余計な心配をさせるだけ)」です。
質問者様から 【質問2】
管理番号3286で質問させていただいた者です
本日バネ式針生検の結果が出て乳管癌(非浸潤癌)との説明をされました
いただいた検査報告書には
①②③のうち②③に非浸潤性乳管癌がみられます.g(+) f(-)
と書かれています
組織採取を3回したので①②③は採取した組織のことと思われます
告知される心づもりをしていたつもりでしたが
診察室でこれ以上の詳細な質問をするという考えに及ばず
とりあえず簡単に今後の治療方法のお話していただいたのですが
部分切除+放射線または全摘で終了のどちらかとのことでした
浸潤癌ではないので切除すれば大丈夫と言っていただいていますが
がん=抗ガン剤のイメージがあり
それについては特に何も言われなかったのですが
抗ガン剤は必ずしも必要な処置ではないのでしょうか
また上記処置の場合それぞれについて治療期間も費用も大幅に違うと思います
一般的にはどれくらいを見ておくと良いでしょうか
またこの病院で可能かどうかは未確認ですが全摘同時再建する場合も参考までにお伺いできたらと思います
とりあえず今日はこのクリニックでは手術などができないため
診ていただいた先生が本来在籍している手術ができる病院に初診として
受診するための紹介状を書いてもらい
今週土曜日に受診する予定なのでそこでもう少し詳しいお話をされるのだとは思いますが
その前に田澤先生の見解をお伺いできればと思いますした
土曜日に受診してみて今後のお話を聞いて
納得いかなかったら田澤先生のところへ伺うことを考えたいと思っていますが
その場合はやはりまた今のクリニックで紹介状等をいただくべきでしょうか
それとも土曜日受診する病院からセカンドオピニオンのような形になるのでしょうか
曖昧な書き方しかできず申し訳ありませんがご回答いただけると嬉しいです
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
非浸潤癌でしたか。
3286を読み返してみましたが、「しこりの中に細かい石灰化したものが集中している箇所が確認」とあるので、「コメド壊死を伴う非浸潤癌」だと推測します。
癌であったことは災難でしたが、非浸潤癌であったことは大変幸いなことです。
「がん=抗ガン剤のイメージがありそれについては特に何も言われなかったのですが
抗ガン剤は必ずしも必要な処置ではないのでしょうか」
⇒非浸潤癌には抗ガン剤の適応はありません。
「一般的にはどれくらいを見ておくと良いでしょうか」
⇒概算ですが(入院費用などは病院により異なりますので参考に)
入院期間 | 費用 | |
乳房温存+センチネルリンパ節生検 | 2泊3日 | 17万(3割負担) |
乳房切除+センチネルリンパ節生検 | 3泊4日 | 17万( 〃 ) |
乳房切除(同時再建)+センチネルリンパ節生検 | 6泊7日 | 26万( 〃 ) |
「その前に田澤先生の見解をお伺いできればと思いました」
⇒MRIでの拡がり診断+マンモでの(石灰化の)拡がり診断で術式は決まります。
(温存か切除か)
手術標本で「全てが非浸潤癌もしくは微小浸潤」ならば全身療法(ホルモン療法)も不要です。
「それとも土曜日受診する病院からセカンドオピニオンのような形になるのでしょうか」
⇒「土曜日受診した病院から」となります。
○ひとつだけアドバイスがあるとしたら(術前針生検で非浸潤癌なのに)『決して、
(無駄な)CTや骨シンチ、ましてやPETなどはしないこと』です。(どこかの大病院では実際に行われていました)
医療被曝や医療費のこともあり、非浸潤癌に、この手の検査を(念のためとか言いながら)行う事は『犯罪行為』だと思います。