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外来受診について

[管理番号:7375]
性別:女性
年齢:50歳
病名:左乳癌
症状:乳房痛あり

細胞診の結果class5、5月(上旬)日にかかりつけの乳腺専門医クリニックにて、左乳房悪性診断を受けました。
翌日大学病院を受診、手術前検
査、診察(担当医エコーあり、触診なし)、(下旬)日MRI、今後6月(上旬)日CT,CT,エコー、7月(下旬)日手術の予定です。

昨年度3月の人間ドックでのマンモで、左右非対称陰影(左)にて要精査、かかりつけのクリニックで、マンモ、エコーを受け、このくらいの違違いは問題なし、前年度と変わりがない(線維腺腫が左右にあり経過観察が終了した所でした)、今年度のドックで、左集簇性微小石灰化にて要精査、今回要精査、今回の診断になりました。
エコーと細胞診の際画像を見ていましたが、しっかりと腫瘤のようなものが映っており、クリニックの医師はこのはこの程度だとおそらく早期だろうと言ってました。
しこりですか?と聞聞いたところ、しこりではない。
とのことでした。
翌日受診した大学病院で詳しい説明があると思い、クリニックでの質問は控えていましたが、受診した病院では検査と手術の説明が一方的にあったのみで、現状がどういうがどういう状況なのか私自身把握できておりません。

(下旬)日にMRIの結果説明とおそらく組織診をすると思います。
遠方ですが、出来れば1度田澤先生に診ていただき、ご意見を伺いたいと思っております。
どのタイミングで受診すればよいでしょうか?全て検査結果が
が出揃ってからが良いでしょうか?もし、手術をお願いする場合、今からだといつ頃になりますでしょうか?
この1年でまた痩せたのと、3月には所見があり、検査の予約がなかなか取れず手術まで5ケ月近く要してしまい、進行具合が気になります。

既往歴:咳喘息、肝腎のう胞、腎結石、子宮筋腫あり

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

★石灰化病変はおおよそ、以下のような段階で推移します。

段階1.(マンモでは)石灰化所見だが、エコーではターゲットがない
 →この段階は(マンモでの)石灰化のみの所見だから、(その石灰化をターゲットして)ST-MMTで診断がつきます。

段階2.(マンモでは)石灰化所見のみ、エコーでターゲットが見える(腫瘤というより、石灰化を伴う乳管拡張など)
 →この段階では(エコーで所見がある:位置的に石灰化と同部位と推定できれば)ので、そこをターゲットとして細胞診なり組織診ができます。

段階3.(マンモでは)石灰化所見のみだが、エコーでは「しこり」としてはっきりと認識できる。
 →これは、(当然)エコー下に組織診で診断

段階4.(マンモでは)石灰化を伴うシコリとして認識、(当然)エコーでも「しこり」として認識できる。

「昨年度3月の人間ドックでのマンモで、左右非対称陰影(左)にて要精査、かかりつけのクリニックで、マンモ、エコーを受け」
「今年度のドックで、左集簇性微小石灰化にて要精査」「しっかりと腫瘤のようなもの」

→上記に当てはめると…

 質問者は、段階2>段階3のようです。
 大雑把に言えば、印象としては
 段階1 ≒非浸潤癌
 段階2 非浸潤癌>浸潤癌
 段階3 浸潤癌 >非浸潤癌
 段階4 ≒浸潤癌

 担当医の「しこりではない」というコメントを信じれば「非浸潤癌の可能性も十分にある」というポジションだと推測できます。(いずれ、浸潤癌だとしても「早期」と考えるのが自然)

「クリニックの医師はこのはこの程度だとおそらく早期だろう」
→上記コメント通り。

「どのタイミングで受診すればよいでしょうか?」
→全て検査結果がが出揃ってから」である必要はありません。

 Key pointは2つ
 ①(非浸潤癌なのか浸潤癌なのかは別として)癌と言う診断がついていること
 ②(画像上の)拡がり診断がついていること

 すでに細胞診で癌という診断がついている(細胞診の偽陽性は1%ありますが、画像所見を伴っていれば問題ありません)ので①はクリアーしています。
 ②についてはMRIを予定しているようなので、回答としては「MRIの結果が出たら」となります。

「手術をお願いする場合、今からだといつ頃になりますでしょうか?」
→今は「1か月」内が可能です。

「この1年でまた痩せた」
→癌とは無関係
 ご安心を。

「検査の予約がなかなか取れず手術まで5ケ月近く要してしまい」
→これは残念なことでしたが…

「進行具合が気になります。」
→上記コメントのように…
 十分早期なので、その心配はありません。
 「急ぐ」ことよりも「きちんと」治療をすることが重要です。

 
 


 

質問者様から 【結果2 】

先日はありがとうございました。
性別:女性
年齢:50歳
病名:左乳癌
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術なし]

先日は予約外の診察にも関わらず、丁寧に診察、ご説明くださりありがとうございました。腫瘤が、自分が思っていた以上の大きさで困惑しましたが、何より現状が把握できたことで精神的に落ち着くことが出来ました。翌日、大学病院でのMRIの結果でも、2センチ弱とのことでした。手術日は当初の予定通り7月下旬に変更はないそうで、転院の手続きをお願いしたいと思います。手術申し込みメールを送らせて頂きましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

主治医の診察の違いで、こんなにも精神的安堵感が得られることは、自身の身体に必ず良い影響をもたらすと思っております。思い切って受診して本当に良かったです。ありがとうございました。

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

遠方からの術後化学療法について
性別:女性
年齢:51歳
病名:気質産生癌
症状:

9月〇日より術後化学療法でお世話になります。
ID〇〇の〇〇です
です。

治療事前準備にてお聞きしたい点があり、受診前にお手を煩わせますがよろしくお願いいたします。

頂いた説明書とQA内 他著書や治療を終了した方からのヒアリング等で副作用の出方、治療内容を確認しております。

ECでは吐き気止めにデカドロン内服をすることが多いように見受けましたが、TCではステロイドの長期服用があるのに対し、ECでは処方はないのは何故でしょうか?
先生のQA内の過去の回答に、デカドロンは吐き気には効かないと思うと書かれてあったのを拝見しました。

持病の咳喘息で喉の閉鎖感が常にあるので、こちらの対策としても、内服ステロイドを手持ちしておいたほうが安心かと思っており、(呼吸器の医師の診察が隔週で今回休みを取られていたこともあり、受診できておりません)吐き気にめっぽう弱いため、出来るだけこれらの副作用が出ないように万全な対策を取りたいと思っております。

受診時にもご相談させていただきますが、薬が飲めないときのために処方薬のナウゼリンの座薬を追加でいただくこと等、他の症状(頭痛、不穏等)に個別に対応していただくことは可能でしょうか?

コラムにて、遠方からの患者さんには、宛名なしの紹介状を渡しますとありましたが、私も北関東からの受診ということもあり、体調が悪くなったときのために、近隣にかかれるところを事前受診したほうがよろしいでしょうか?

田澤先生に診ていただきたいので、通院して治療を完遂させたいと思っておりますが、初めての化学療法、ECの副作用の出始めが数時間後とのことで、遠方からの通院で遂行できるか不安があります。
みなさんはどうされているのでしょうか?

また、こちらの都合で治療の開始が術後2ケ月たっております。
トリネガの術後化学療法の遅れが死亡率に関わってくるとの報告を目にしておりますが(以前QA内でも同じ質問がありました)田澤先生から。

おりますが、術後治療は速やかに行うのと予後の違いはあるのでしょうか?

先生は気にしないようにとおっしゃってくださいましたが、希少、病理結果、一般で言われている予後の悪さへの恐怖から、不安、多少うつ傾向にあると自覚して過ごしております。
なんとか脱却し、以前の心の安定を取り戻したいと思って、前向きに治療に取り組んでいきたいと思っております。

田澤先生は、毎日の診察、手術、朝早くから夜の回診。
それ以外私達にはわからない膨大で重責な仕事と無償のこのQA。
本当に頭が下がる思いです。
乳がんプラザは私達患者の救いの場です。
心から感謝申し上げます。

田澤先生のお力をお借りして、私自身もみなさんも元気になりますように。
患われている全てのかたが日々穏やかに過ごせますよう心から願う毎日です。

貴重なお時間をいただき恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「ECでは吐き気止めにデカドロン内服をすることが多いように見受けましたが、TCではステロイドの長期服用があるのに対し、ECでは処方はないのは何故でしょうか?」
⇒TCでは「アレルギー予防」としてデカドロンを使っているからです。
 ECでは前投薬として「注射で」デカドロンを使用しています。

「持病の咳喘息で喉の閉鎖感が常にある」
「吐き気にめっぽう弱いため、出来るだけこれらの副作用が出出ないように万全な対策」

⇒それであれば、day2-4(3日間)デカドロン8mg処方します。

「薬が飲めないときのために処方薬のナウゼリンの座薬を追加でいただくこと等、他の症状(頭痛、不穏等)に個別に対応していただくことは可能でしょうか?」
⇒可能です。

「近隣にかかれるところを事前受診したほうがよろしいでしょうか?」
⇒事前受診?
 それは必要ないでしょう。(かかりつけ医がいるのなら、事前に相談するのはいいかもしれませんが)

 実際に受診する人は「極めて」少数ですよ。

「遠方からの通院で遂行できるか不安があります。みなさんはどうされているのでしょうか?」
⇒十分許容範囲だと思います。

 私の記憶では…
 (飛行機で九州から通院された人よりも)「新幹線を乗り継いで青森から通院されて方」の方が(距離は近くても)「通院時間は長かった」と思います。
 それでも、(大変だったとは思いますが)通院可能だったのです。

「術後治療は速やかに行うのと予後の違いはあるのでしょうか?」
⇒これは一概には言えないでしょう。

 質問者のような早期の方と、「ステージが高い」人では、異なると思います。(早期では殆ど影響ないと「感覚的に」思ってます)

「先生は気にしないようにとおっしゃってくださいましたが、希少、病理結果、一般で言われている予後の悪さへの恐怖」
⇒早期癌ですよ?

 5mm以下で再発したケースは皆無だと思いますが(経験上)
 質問者のように「1cm以下」も、全く同様に思います。
 ★組織型だの、悪性度だの、皆さん気にされますが(ネットが悪いのですが…)やはりステージはステージなのです。
 『えっ! あんなに小さかった(早期)のに再発?』という記憶が無いのです。(私の症例数は、立派にエビデンスだと自負しています。)

「田澤先生のお力をお借りして、私自身もみなさんも元気になりますように。」
⇒大丈夫です。

 途中で脱落(副作用等で中止となる)される方は、皆無です。
 頑張るというよりは、「粛々とこなす」そういうものです。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

化学療法中のオペについて
性別:女性
年齢:51歳
病名:
症状:

昨年中は手術から術後治療と大変お世話になりました。

ID〇〇 〇〇です。

本年もよろしくお願い申し上げます。

術後化学療法8クール中6回(現在ドセ2回)終了、次回(中旬)日に7回目の予定です。

途中白血球低下からの延期や、前回の肝機能異常による投薬が開始になりましたが、懸念していた大きな副作用もなく体調は良好です。

何より恐れていた化学療法ですが、先生から「粛々とこなすもの」というお言葉を頂いたのが腹に落ち、気持ちを切り替えて治療に専念出来ております。
ありがとうございます。

すでにご連絡をさせていただきましたが、年末〇日に転倒し、診断は左足腓骨骨折とのことで、整形外科医からオペを勧められています。

自分としては、乳腺の治療を優先させたいのと、現在副作用が全く無いわけではないので、できればオペは避けたいこと、とりあえず主治医に確認したい旨を伝えました。

4日に再受診し、田澤先生からご返答いただいた白血球が上がる△日をめどにということを
整形外科の医師に伝えたところ、その後の機能障害を考えるとやはりオペはしたほうが良い、こちらで受けると△+2日オペ、退院は術後経過次第と言われました(順調に行けばおそらく一週間程度かとも思われます)
また、治療中のことを考えると江戸川病院でのオペを考えてはどうか?と言われました。

これを踏まえ、◇日にメディカルプラザの整形に受診しようと思っております。

最終的にオペを受けるか否かは自身の判断になるかと思いますので、いくつかお聞きしたいことがあります。

1,現在の段階でオペを受けて問題はないでしょうか?
受けた際、デメリットが生じますでしょうか?
抗がん剤中のため身体的影響、また治療が遅れることへの懸念があります。
(整形では、化学療法中なので骨折のほうは回復が遅れる可能性があると言われております。)
2.オペ後はいつごろから治療再開できますでしょうか?
整形で入院中もしくは退院時にそのまま化学療法を受けることは可能でしょうか?.
3.リンバ管侵襲がありますが、私の悪性度(グレード3,ki67 80)
から放射線治療が遅れることへの局所再発リスクはいかがなものでしょうか?
当初の5%を上まるものでしょうか?
一番気になっているのは、この後放射線も控えており、治療が遅れることでの再発リスクです。

いわゆる、術後治療の旬の時期というのはあるのでしょうか?
様々な情報があるので混乱しております。
化学療法は、術後4~6週間後に始めるのが推奨、術後3ケ月以内、トリネガは術後1ケ月以降は死亡率上昇等・・・。
私の場合、化学療法開始が遅れているので、
放射線も5ケ月以内に開始という枠からかなり外れてしまい、ここにきてまたオペで治療が遅れるなら、多少の後遺障害のリスクを取るべきか・・・。

年明け早々QAを利用させて頂きますこと、大変恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「1,現在の段階でオペを受けて問題はないでしょうか?受けた際、デメリットが生じますでしょうか?」
→抗がん剤から3週間たち白血球が回復していれば、問題はありません。

「抗がん剤中のため身体的影響、また治療が遅れることへの懸念があります。」
→殆どないでしょう。(ゼロとはいいませんが、専門医の意見を尊重すべき=手術すべき)

「2.オペ後はいつごろから治療再開できますでしょうか?」
→整形外科医の許可が出ればOKです。(空ける必要は無いと思いますが)

「整形で入院中もしくは退院時にそのまま化学療法を受けることは可能でしょうか?」
→それは「保険上」できません。

「3.リンバ管侵襲がありますが、私の悪性度(グレード3,ki67 80)から放射線治療が遅れることへの局所再発リスクはいかがなものでしょうか?」当初の5%を上まるものでしょうか?」
→全く影響ありません。

「一番気になっているのは、この後放射線も控えており、治療が遅れることでの再発リスクです。」
→全く影響ありません。

「いわゆる、術後治療の旬の時期というのはあるのでしょうか?」
→ありません。(常識的には術後半年以内に抗がん剤は開始しましょう。)

「放射線も5ケ月以内に開始という枠からかなり外れてしまい」
→この「勘違い」をするヒトが本当に多いですね!!

 「術後5か月以内の放射線」というのは、あくまでも「抗がん剤をしない場合」の話であり、抗がん剤をした場合には、「抗がん剤後、半年以内」と置き換えましょう。

「ここにきてまたオペで治療が遅れるなら、多少の後遺障害のリスクを取るべきか・・・。」
→全くナンセンス! 普通に骨折の手術を是非受けてください。(地元でいいのでは?)