［管理番号:1006］
性別:女性
年齢:19歳
田澤先生に、過去３回ご回答していただきました。ちなみに、他の回答も拝見しています！田澤先生のお陰で正しい知識を身につけることができ、とても安心することができました。田澤先生、最高です！！！
こんなに丁寧で専門的な回答を無料でされているなんて、本当に頭が下がります。でも、回答の多さで無理をしておられるのではないかと心配です。今回の私の質問は緊急性はないので後回しで大丈夫です。田澤先生が身体など壊しませんようにm(_ _)m
今回、追加質問をさせていただきたいのですが、分かりにくくなるので「新質問」とさせてください。
 
（自分から見て）右胸乳頭右上の1.5cm程度のしこりを、2015年7月1日に発見しました。私は当時18歳でしたが、数日後に誕生日がきて19歳になりました（2015年8月26日現在）。でも身体が小さめなので、見た目は中学生くらいです。家系で癌に罹った者は聞いたことがありません。
只今、経過観察中です。１ヶ月後の診療を待っています。しかし、田澤先生のご回答や自分で色々調べたり、乳腺科の医師の見解を総合して、乳腺線維腺腫または、葉状腫瘍だと思います。でも、葉状腫瘍はまれな腫瘍で、乳房腫瘍の0.5％以下を占めるそうなので、線維腺腫の可能性の方が高いと思っています。特別大きくなったとは感じません。
 
■今、気になることがあります。最近の私の生理開始日は、5月15日、6月17日、7月20日、8月20日です。驚いたのが8月24日です。午前1時37分頃、しこりをふと触ると「枝豆みたい」と思うほどに小さく触れ驚き、携帯にメモしました。これは胸が張っていないからだと思われますか？胸の張りはしこりの大きさに影響するのでしょうか？
 
■お恥ずかしいのですが、自慰行為によって乳腺線維腺腫が急速に増大する、他の女性系の疾患に罹りやすくなるといった害はありますでしょうか？
 
■以前、田澤先生に「卵巣がん」のことを質問しました。専門外なのに丁寧なアドバイス下さり、大変感謝しております。ネット等で小・中・高生で卵巣の疾患で手術という事例を見ます。高校１年時の同級生でも、１回そのような疾患で入院・手術した記憶があります。
それはやはり（乳がんに若くして罹患する場合と同じく）遺伝性（家族性又はBRCA1/2遺伝子をお持ちの方）だと思われますでしょうか？（田澤先生のおっしゃるように近年増加傾向にあるようですし、silent diseaseなので怖いです・・・。）
 

田澤先生からの回答

　こんにちは。田澤です。
「乳腺線維腺腫または、葉状腫瘍だと思います。でも、葉状腫瘍はまれな腫瘍で、乳房腫瘍の0.5％以下を占めるそうなので、線維腺腫の可能性の方が高いと思っています。特別大きくなったとは感じません。」
⇒この辺の感覚は正しいです。
　「葉状腫瘍」の存在を知ってしまうと「過度に心配」される方がいますが、「癌とは異なる」ので「過剰な心配は不要」に思います。
　特に「触知可能」な場合には、『知らないうちに大きくなった』と言う事がないので「その分、安心」と言えます。

回答

「これは胸が張っていないからだと思われますか？胸の張りはしこりの大きさに影響するのでしょうか？」
⇒乳腺の張りが関係していると思います。
　ただし「線維腺腫といえども、腫瘍」ですから「線維腺腫が伸び縮み」するとは考えられません。（若い＝女性ホルモンが多い時期には、少しずつ大きくなるという事はあっても　鋭敏に伸縮することは考えられません）
　おそらく、「腫瘍そのものが小さくなった」訳ではなく、「周りの乳腺が張ったので、そう感じた」と言う事だと思います。
 
「自慰行為によって乳腺繊維腺腫が急速に増大する、他の女性系の疾患に罹りやすくなるといった害はありますでしょうか？」
⇒科学的にいって、関係無いと思います。
 
「ネット等で小・中・高生で卵巣の疾患で手術という事例を見ます。高校１年時の同級生でも、１回そのような疾患で入院・手術した記憶があります」
⇒詳細は不明ですが、「癌ではない」ですよね？
　勿論「症例報告レベル」では「若年性の卵巣癌」も無い事は無いとは思いますが…
　頻度として「若年者に検診を勧めるレベル」では無い筈です。
 
「遺伝性（家族性又はBRCA1/2遺伝子をお持ちの方）だと思われますでしょうか？」
⇒若年性の卵巣癌は珍しい筈なので、やはりBRCA関連は考えるべきでしょう。
　卵巣癌も乳癌同様、遺伝性の割合は5～10%なので特に「若年者」であれば「BRCA遺伝子変異」の可能性は考えるべきでしょう。